恥ずかしながら、普段の生活の中で、太陽光線が目に深刻なダメージを与えるという認識をあまりもたずに、ここまで生きて来た。
紫外線のお肌へのダメージに対しては、敏感に反応して、UV化粧品を早くから使って対策していたと言うのに、目の方には思いが至らなかった。
小学2年生の授業で、虫眼鏡を使用する事があった。
虫眼鏡で太陽の光を集めて、黒い画用紙を焼く実験をした。
その時は、事前に「絶対に太陽を虫眼鏡で見てはいけない」と注意を受けた。「もし見てしまったら、失明してしまうから」と重ねて注意を受け、実験に臨んだ。
それからは、それが不思議で面白く、帰宅してからも、紙の一点に虫眼鏡で太陽光を集めては、ジリジリ焼けるまで小さな焦点を見つめ続けていた。
これは目にはあまり良くない行為だったのではないだろうか。いや、太陽光線が直接目に入るわけではないから、まだマシか。
何れにしても、明る過ぎる光は長時間見てはいけない事に違いない。
今から40年ほど前、部分日食があった時、私は小さな金融機関に勤務していた。
家庭的な雰囲気の職場で、勤務時間内にもかかわらず、滅多に見られないものだから、と職員を交代で観察に外へ行くことを許してくれた。お昼に近い時間帯で、来店客も少なかったからできた事だったかも知れない。
その時に太陽を見る為に使用したものは、元帳の仕切りとして使っていた黒いプラスチックの板だった。
その頃はまだ、ほとんどの人が、紫外線がそのプラスチックを貫き、目にダメージを与えるなどと言う認識は無かった。
今から数年前に日食があった時には、テレビで日食を見る為には、特殊な日食グラスや遮光板を使用する様にと注意喚起され、それで初めて知ったのだった。
気休めを言えば、40数年前は多分オゾンホールも小さく、紫外線の量も現在より少なかったかも知れない…。
いつも大事な事をテレビで知る。
ワイドショーを見るともなく見ていた数年前、夕方ジョギングをする人への注意が紹介されていた。
それは、「夕日に向かって走る際、直接目に入る太陽光に気をつけろ」というものだった。
傾いた夕日の太陽光は、走者の目に入りやすくダメージを与えるので、UVカットのサングラスをかけたり、目を守るよう注意が必要だと言っていた。
それを知ってから、初めて考えが及んだのは、自分が、通勤する時の方角と太陽の位置だ。
朝、出勤時、東へ向かって10数分。
帰宅時、西へ向かって10数分。
何れも、昇りかけの太陽と沈みかけの太陽。大袈裟に言うなら、私は20年近くも、行きも帰りも太陽を見ながら、つまり太陽光を目に受けながら、生活していた。
最近、飛蚊症が(眼科で診断を受けた訳ではないが)悪化してきている様に思う。瞳を移動させるごとに、コンマ数秒遅れて黒い影が追ってくる。加齢のせいだとは思うが。
飛蚊症は、結構同世代の間では多いので、心配はしていないのだが、心配なのは白内障だ。発症の原因の一つに紫外線がある。
どうか発症しませんように。
これから紫外線の量が増える季節がやって来る。
皆さんも日々の太陽光には気をつけて!