息子が私の誕生プレゼントとして買ってくれた。
私の誕生日はとっくに過ぎているのだが、正月に帰省した息子が、私の誕生祝いをしていないことを気にして
「何か欲しいものはないの?本とか…」と声をかけてくれたのだ。
それで、退職とともに始めた片付けで、欲しかった本の切り抜きを見つけて、丁度買いたいと思っていたこの素敵な本「さっぽろ野鳥観察手帖」を買ってもらったのだ。
「洋書みたいだね」と息子が言った。ホントだ。赤い色が素敵。
出版元は私の好きな亜璃西社。
亜璃西社の社長は、北海道新聞紙上でコラムなどを書いていらした和田由美さんだ。お酒が好きで美食家。豪快な方というイメージがある。
この本は1年に満たずに増刷というヒット商品だそうで、私も嬉しい。
2019年8月発売で、その書評を見て欲しくなったのだった。その切り抜きがすっかり埋もれてしまい、2年半近くを経過して息子のおかげで手にする事が出来た。
札幌市内で見られる123種の鳥を収めてあり、全ページ鳥の写真が載っていると言うのが特に私をひきつけた。
以前からイラスト版の野鳥のハンドブックは持っていたのだが、実際使ってみるとやはりイラストでは良く分からない事が多い。
その点、この野鳥観察手帖は写真なので違いがわかりやすい。丁寧な解説もとても参考になる。
特に今回収穫だったのは、「ヒガラ」と「コガラ」の違いが写真でよく分かった事だ。どちらも似たようなサイズで白黒の小鳥なのだが、イラストでは分からなかった事が写真と解説でハッキリと分かった。
娘からも昨年プレゼントをもらった。
退職の記念に何か欲しい物はないかと聞かれたが、特にないと答えると、アレコレと私の欲しそうな物を次々に言ってくる。そのプレゼントしたいという娘の熱意に応える為、私も真剣に考えてみると、欲しかった物を思い出したのだった。
あれは5~6年前の事。NHKのドキュメンタリーを見ていて出会った玩具だ。
確か、フランスのテレビディレクターが娘の成長の過程をユーモアたっぷりに描いた作品で、とても素敵なドキュメンタリーだった。
その中のワンシーンで、象徴的に使われていたカラフルなゲームに私は心を奪われた。番組が終わっても、忘れられず色々とネットで調べて見ると、通称モンキーツリーである事がわかった。
早速ネットのフリーマーケットで検索してみると、1点だけ2,000円で売っているのを見つけた。直ぐに「いいね!」を押したものの、自分の為に、それも必要不可欠と言う代物でもないものに、2,000円を使う事は出来なかった。
その時娘はそれを買う様に後押ししてくれたけれど、家計はまだ苦しかった。
そうこうしているうちに、何日か後に見てみると、1,500円の価格に変更されて売却済になっていた。残念だったが、当時は仕方が無かった。
そんな事があった事を思い出し、もし買ってもらえるならと、娘にリクエストした。
早速娘はネットで色々調べ、見つけて新品を買って送ってくれた。
箱には“Mischevious Monkey”と記載されている。
良く似た安価な商品もあるのだが、サルの色が違う。安い商品はサルもスティックの色と同じカラフルなのだ。
私の記憶によると、確かあのドキュメンタリーに出てきたゲームのサルの色は茶色だったはずで、娘には申し訳ないが、高い方をリクエストした。
変な所にこだわる、しょーもない母である。
ゲームは、椰子の木の一番上に茶色いサル達を置き、一人ずつサイコロを転がす。
サイコロは数字では無く、色の目が出るので、サイコロと同じ目の色のスティックをヤシの木の上の方から順番に一人一本ずつ抜いていき、落ちたサルが多い人が負けという単純なゲームだ。
サルのしっぽが鉤型になっている為、スティックを抜くたびに、上から落ちては引っ掛かり、落ちそうで落ちないところに楽しさを感じる。また、何と言ってもヤシの木のデザインと色、カラフルで見ているだけで気持ちがワクワクする。
私が娘から送られて来たゲームを喜々として組み立てセットすると、傍で見ていた夫が、珍しく進んでゲームの相手をしてくれた。
私は童心に返って…というよりはいつもの成長しないガキのままで、大いに楽しんだ。
早速子ども達にラインを写真付きで送ると、二人とも興味をしめし、家族4人が揃ったら、その時はゲームをやろうと言ってくれた。
娘は2月に帰省する予定だが、オミクロンの感染拡大でその時期どうなっているか分からないけれど、出来れば娘に合わせ息子も帰省し、家族でモンキーツリーが出来ればなあーと思っている。
頭の中もモンキー並みの母は、その日を今一番の楽しみに、日々過ごしている。