天神山の上にあるヤエザクラはいつも一番最後に花が咲く。きっと今、満開に違いない。確かめに出かけてみることにした。
日差しも強い今日は、サングラスと帽子が必要だと思った。
帽子をかぶろうと手に取ろうとした瞬間、「うわっ!」帽子に小鳥のウ〇チが付いていた。時間が経って、カラカラに乾いている。いつから?
直近で帽子をかぶったのは、あの札幌護国神社に花手水詣に行った日だ。
あの日、国道から精進川公園に降りる途中、ボトッ!と帽子に衝撃があって驚いたのだった。でも、てっきり木の実か何かが落ちて来たのだと思って、そのままにして、気にもしなかった。きっとその「ボトッ!」が小鳥さんの落とし物だったわけだ。いや、小鳥よりはちょっと大きかったのかな?カラスか鳩だったか…可愛らしいサイズじゃなかった。
帽子の後ろ側の広いツバの上に、“ソレ”を乗せたまま、私は神社の花手水をスマホに収め、お参りし、桜を見上げていたのだ。その後、歩いて歓楽街のススキノを抜け、中心街の大通りまで行き、人混みの多い地下街へと入ったのだ。歩き疲れ、麻布茶房に入って「白玉ソフトクリームぜんざい」を美味しくいただいた。頭に“アレ”を頂いたまま…。「は、恥ずかしいっ!」
今更そんな事を色々考えたって、しょうもない。
「あのオバサン、帽子に鳥のウンチ乗っけてる!」と、どこの誰だか知らない人に笑われただけのこと。何人に気づかれたのか…でも、もう過ぎてしまった過去の出来事だ。
それより、その時に付いた“ウン”は“運”かも知れなかった。
ウンが付いた翌々日、コンビニへ卵を買いに行ったあの日。見知らぬ人に最後の卵を譲っていただいた。滅多にあることじゃない。良い人に巡り会って、本当に運が良かった。そう思っておくことにした。
今度から、帽子に衝撃のあった日は必ず一度帽子を脱いで確認する事。これが、今回得た教訓。ナニが付いているか分かりませんからね。
帽子の汚れを不要になった歯ブラシでこすり落としたが、ちょっとシミが残った。後で洗うことにして、天神山へ出かけた。
天神山の上は、やはりヤエザクラが満開だった。いつもはかなり濃いショッキングピンクなのに、今年は色味が薄いような気がした。時折吹く風に、花吹雪が舞い美しかった。
まだ、花見が出来る札幌です。