今日のウォーキング中、熊除けの鈴の音がした。大型マンションの立ち並ぶ歩道でのことだった。音の方に顔を向けるとお年寄りがいたので、必ずしも熊除けの鈴ではなかったかも知れないが、大きな音だった。
最近熊除けの鈴が飛ぶように売れているそうだ。札幌の女性のバッグに付いてるチャーム(飾り)は皆、熊除けの鈴らしい。
こんな噂を流したらみんな信じるかしら。お年寄りの鈴の音から、つまらない冗談を考えた。地下鉄の中でみんなのバッグの熊除けの鈴が鳴ったらうるさいだろうなと、一人心の中でニヤニヤした。
今日はどこを歩こうか…天神山の桜がどの程度なのか見に行ってみよう。
天神山は丘程度の高さ。中腹の桜は咲いていた。麓の桜はまだまだ。
頂上も建物そばのこの桜の他は、まだまだだった。
天神山を登って降りて国道に出た。
スーパー２階の100円ショップでコーヒーフィルターを買おうと向かった。
途中に授産施設の野菜や加工品を売っているお店があるのだが、年がら年中「パート募集」の紙が貼ってある。
今日はお店の前を通り、募集要項を見てみた。
募集は２枚貼ってあり、一枚は販売の方の募集。これは年齢制限あり。65歳まで。あー、やっぱりね。
もう一枚の方は、年齢不問。して、職種は？あー、厨房の調理か…。
やりたい方の仕事は、常に年齢制限でシャットアウト。お婆さんは要らないんだな、やっぱり。
しゃーない。やっぱり遊んで暮らそう。
スーパーで買物を済ませてお店を出た。
小路へ入ると、私の前に赤ちゃんを抱っこ紐で胸に抱えた若いお母さんがいた。両手には重そうなスーパーの袋を持っている。
自分も大変だった子育ての頃を思い出し、思わず「あの、お荷物お持ちしましょうか」と声をかけた。
すると若いお母さんは笑顔で振り向いて、「すぐ近くなので、大丈夫ですよ」と言った。
この後の展開は普通だと、赤ちゃんの顔を覗き込んで、歩きながら「男の子？女の子？」などの声かけから始まり、若いお母さんと話も弾むのだろうけど、不器用な私はそういった事がまるで出来ない。
「では、お気を付けて」と笑顔で会釈してお別れし、先に進んだ。
それから遊歩道へ向かう途中、満開の白木蓮に目を奪われた。真っ白な花が満開で見事な咲きっぷり。立ち止まって見上げ、しばし眺めた。
犬の散歩をしていた人も、見上げながら、「きれいだねえ」とわんこと会話していた。
遊歩道に入ってから、昨日見つけた豊平川の鳥の巣が気になって、川へ向かう。
ミュンヘン大橋に着いて、欄干にもたれて眺める。
昨日もこの橋の欄干にもたれながら、ボンヤリと考えていた。
このヤドリギのある周辺は住み心地が良いと見えて、冬場に小動物の足跡が密集していた。何か居ないだろうかと周辺を眺めていて、ヤドリギの向こうに鳥の巣を見つけたのだった。
今日は巣の中に住人がいた。カラスだった。抱卵しているようだった。
護岸工事が終わった川をしげしげと見てみた。中洲が小さくなって、川幅も広がったように見える。
明日は双眼鏡を持って、カラスの巣をまた見てみようかな。
信号を渡り、ふと向こうからやってくる人を見た。
黒いラブラドールを散歩させている、その飼い主さんの服装が今日の私の組み合わせと同じ。
ジップアップのフード付きのグレーのスエットにストレートジーンズ、背格好も髪型もほぼ同じ。ドッペルゲンガーじゃん！
真面目な顔をしながら、心の中でクスクス笑いながら帰宅した。
