例によって、新刊は買わずにブック○フへ、探しに出掛けた。
その頃も、まだまだ人気絶頂の本であったので、何度か探しに行ったが無かった。
娘にそんな話を何気なくしたところ、ネットのフリーマーケット「メル○リにいっぱいあがってるよ」と教えてくれた。
さらに、彼女は自分のiPhoneを操作し、ネットのフリマを開いて見せてくれた。
そこには古本屋では見つけられなかった件の本がよりどりみどり、並んでいた。感動。
値段の安い順にして、最安値も直ぐに探す事ができるし、大抵の場合送料も含まれている(例外もあるので要注意)。
丁度テレビには「パシャ、シュッピーン」というメル○リのCMが流れており、興味が湧いていたところだ。
現実のフリマは過去に参加してみたことがあるが、荷物を現地まで運んだり、セッティングしたり結構大変だし、規模が大きいフリマだと参加料も結構な金額だ。
あの大変さを考えたら、「パシャッと写真をとって、出品する」という手軽さを強調したCMは、テレビで流れるたびに気になっていた。
さらに娘は、私のスマホにメル○リのアプリをダウンロードし、サッサと設定も済ませてくれた。
そこでポチッとタッチして、やっと念願の本を手に入れたのだった。
購入したあとは、やはりやって見たい「パシャ、シュッピーン」
不要な本なら自宅にいっぱいある。
本の出品はバーコードをスマホで読み取るだけで、ほぼ商品説明が自動入力され、後はスマホのカメラで商品を写すだけ。簡単だー。
調子に乗って、どんどん本を出品した。すると、数日後からどんどん売れてゆき、発送に追われることになった。
これに味を占めた私は、要らないものはないかと、室内を物色し始めた。
娘も協力してくれて、「これいらない」と私に提供してくれた物があった。
それは、食玩、リーメントのぷちどうぶつシリーズの「わんこの楽しい生活」の“おいしい!?縁日へ行こう!”だった。
ハッピ姿の小さな柴犬とチワワが、金魚すくいの金魚たちを見ている風景を表現したミニチュアだ。
犬たちの表情も可愛らしく、お祭りの小道具の汚れもなく状態の良いものだった。
参考にアマ○ンで相場を調べた所、2,000円ほどで取引されている事を知り、早速フリマに掲載すべく、商品の撮影をした。
可愛らしく、魅力的に写るよう配置を工夫して、数枚の写真をとって掲載した。
元値は300円程度のものである。それを2,000円で掲載。我ながら悪どい高額設定。まず、買う人はいないだろうと思っていた。そのままずっと売れずにいるような気が、何となくしていたのだ。
ところが意に反して、直ぐに売れた。
私は喜々として、不要品がお金に変わる喜びを感じながら、丁寧に梱包し発送した。
購入者が受け取った事を確認後に、精算される。
2,000円の内、メル○リの取り分は10%で200円。送料は175円。差し引くと1,625円の利益。
私は売上金の大きさにほくそ笑んでいた。メル○リを始めて間もない私の最大の販売収益だった。
しかし、手放してしまってからしばらくして、何だかジワジワと喪失感が湧き始めた。
元々娘が好んで手に入れた物で、自分が気に入って購入したものでは無かった。でも、私もミニチュア大好き人間だ。
あの時は、フリマに掲載する事に夢中になっていて気づかなかったが、失ってみて初めて自分の中にあった愛着に気づいた。手放すべきでは無かった。あんなに可愛いミニチュアには、2度とお目にかかれない。
もうすでに手元にはないわんこのSOLDマークつきの掲載写真を見るたびに、「何で売ってしまったのだろう」と後悔の念にさいなまれるようになった。
馬鹿だなー私。欲に目がくらんで、いちばん大切な事を忘れていた。譲り受けたミニチュアを自分が必要か否か、判断する前に商品として掲載してしまったという“あやまち”。いくら悔いても、もう後の祭り。覆水盆に返らず。後悔先に立たず。あー、何で売っちゃったんだ。
世間の食玩ブームも去り、容易に手に入れる事が難しいリーメントの「わんこの楽しい生活」。
スマホを駆使して、メル○リで何度も検索してみるも、出て来るのはすでに売却済みの物ばかり。何処にも販売中の掲載はない。
こうなったら、食玩を扱っている店でも巡って探すか、と思ってみたり、でもそれは、果てしない捜索の旅になりそうだし、ああ、どうして、どうして安易に売ってしまったのだろうと、後悔は尽きない。
そんなモヤモヤした思いを時折思い出しながら、2年以上が経過した。
昨夜、急に思い立って、もしかしたら売りに出している人がいるかも知れない、と性懲りもなく「メル○リ」を執拗に検索してみた。かなり長い時間探したが、やっぱり無かった。
では、「アマ○ン」は…無し。あー、やっぱりだめか。それじゃ、「ヤフ○ク」は、どうだ。やはり、ない。
もう何処にも無いだろうな、と思いつつ諦めきれずに「楽○市場」ではどうだろうと、にわかに思い立って検索してみる。
と、な、なんと2セットも出て来た!おおーっ!歓喜。
お値段の安い方をチョイス。値段は2,036円。私が設定した値段とほぼ同額。しかし、送料が高かった。本体の半額以上。
しかし、そんなことはどうでも良い。何としても手元に置きたいあの子たちだ。ポチッと購入した。
いやー「楽○市場」が穴場だったとはなー。感謝感激雨あられ。
これからやって来るあの子たちは、娘からもらったものでは無いけれど、取り敢えず「覆水盆に返した」感じになった。間もなくあの子たちが到着する。楽しみ。
きっと、死ぬまで手放す事は無いだろうな。
本日9月12日、来たー