部長のでっかい声が社内に響く。
NISAとは、2014年1月にスタートした個人投資家の税制優遇制度の事だ。
NISAの事はよく分かっていなかったけれど、日頃ズケズケと歯に絹着せず物を言う部長が言うんだから、“NISA良いんだな”と素直に思う。だけど、当時は先立つものがなかったので、行動を起こす事はできなかった。
そもそも投資というと、儲けるかも知れないが、損をするリスクも高いという認識がある。
「元本割れ」という言葉がすぐさま頭に浮かび、いやいや危ない橋は渡らない方が良い、と言う結論をくだしてしまう。
かつて預金の金利が8%の時代を経験している身としては、元本が保証された預貯金で随分おいしい思いをした。
当時、郵便局に預けておいた100万円の定額貯金が、10年後に元金と利子を合わせて200万円以上になって戻ってきたのだから。金利8%と半年複利の威力は凄い!さらに当時郵便局は非課税だったのだ。
現在はと言うと、一般的に100万円を1年間定額貯金で預けても、利子は100円。非課税ではないので、さらに約20%の税金が引かれるので、80円に満たない。
なんて時代だ!
預貯金で利子、利息が期待できないとなると、やはり部長が「いい!」と叫んだNISAに考えが及ぶ。
ありがたい事に、2018年1月から「つみたてNISA」がスタートした事で、少額の投資が可能となった。
私は、「投資」と言うと、「株の値動きを見ながら買ったり売ったりして利益を得、値動きの予想を誤ると大損する。」と言う認識でいた。
事実、投資のトの字も知らない友人が、知り合いの投資家に勧められるまま株を100万円購入し、そのままにしておいた所、あっという間に10数万に減ってしまったという話を聞いた。
だから何より「元本割れ」という恐怖が投資から、私を遠ざけていたのだ。
ド素人には、運用は難しい。しかし、
「投資信託」という手がある!
投資信託とは、簡単に言うと「投資家のプロにお金を託すこと」で、投資の知識が無い人でも安心して投資をする事ができる。
でも、「元本割れ」はプロでも避けられない場合があるので、不可避として覚悟しなければならないことですが…。
そんな訳で、投資信託をNISAで始めてみました。
NISAの税制優遇を利用して資金を運用すると、利益に税金がかからないというメリットがあるのです。
NISAを利用しなければ、運用利益から約20%の税金が引かれてしまいますからね。NISAを利用しない手はないですよね。
契約にあたり、投資をする商品を選ばなければならないのですが、知識がないのでわかるわけがない。
それで私は、すでにNISAをやっているに違いない銀行の行員さんに、何を選んだか聞き出し1つはそれを、もう一つは商品の字面で選びました。「8資産均等バランス」とか何とか。投資の基本の一つ、“分散”というイメージで。
月々銀行口座からNISAの積立金が引かれ、運用の損益はスマホで確認することができます。
数カ月も経つと、わずか数万円の積立金に3,000円の運用利益がつきました。
100万円預けても、100円の利益しか出ないこのご時世に!
これは売って利益を確定させた方が良いのだろうか…と、先の銀行員さんに電話で問い合わせたりしましたが…。
なにせ、投資開始1年生なもので、今となってはそんなことをした自分が恥ずかしい。
また、行員さんがおすすめの商品が長らくマイナスの損失ばかりだったので、その商品を別の商品にかえてしまおうかと思い、相談の電話をした時も
「利益は3年目から付きますよ。」
と言われ、
「この銘柄は絶対持っていた方が良いです。」
とも力強く説得されました。
実際3年目を迎え、行員さんの言うとおりとなりました。
また2020年のコロナ禍で、株が暴落した際、運用損益をチェックしてみるとなんと
マイナス20万円!!
確かに元本割れがあるということを確認しました。
でも例の行員さんが、契約のときに
「リーマンショックの時も大丈夫でしたよ。」
という言葉を聞いていたので、あまり心配はしていませんでした。
事実、数日後にはすっかり元の状態に戻っていました。
これを読んで、興味を持たれた方へ
積み立ては、都合が悪ければ、一時的に止めて貯まっている分だけ運用する事も可能です。
子供のいる方だと、折々のイベント、例えば入園入学進学の際、必要な分はNISAから引き出す事もできます。
また子供のいる方には、「ジュニアNISA」という商品もあります。
なにより、NISAは
“そのまま放ったらかしておくのが一番”
だと私個人は思っています。
低金利の今こそ、NISAで“長期、積み立て、分散”で投資を行う事が、老後の安心にもつながるのではないでしょうか。
時遅くして始めてしまったので、2,000万円までは到底無理ですが…。
これまで、自分が得た様々な情報を披露しましたが、ある本に
「この長く続く低金利時代には、お金を怠けさせてはだめです。お金に働いてもらって、利益を得るのです。」
という言葉があり、投資信託を始めたことに間違いは無いと確信しました。
詳細を知りたい方、は金融庁のホームページなどをご覧になるといいでしょう。
オチのない長い話にお付き合いいただきありがとうございました。
この話が少しでも何かのお役に立てば幸いです。