50年以上前になるけれど、私も中学1年生の時に習ったのだろうか。
国語は5教科の中で最も得意な教科だった。特に漢字を書くのが好きだったので自信があったのだが…。
先日描いた絵に「65歳の壁」と書いた。「歳」の字を途中まで書いていて、ふと気になって調べてみると、書き間違っていた。我が目を疑った。絶対的自信をもっていたので、まさかそんなはずはないと、ネットの漢字辞典を見た。いやいやこれじゃない、いつ変えられたのか。文部科学省は、また勝手に漢字を変えて…などといちゃもんをつけながら、自宅にある旺文社の古い漢字辞典も確認した。
結局自分の誤りであることを認めざるを得なくなった。恥ずかしい。
その誤りとは…。
「歳」この漢字の「がんだれ」部分(この漢字の部首は正しくは『とめる』『とめへん』)の左側に書かれている“形”をずっと「示」で書いていた。
50年以上も誤字を書き続け、平気な顔をしていた自分が恥ずかしい。
友人や親戚に当てて書いた手紙の中に、懸賞応募ハガキに、幾たびとなく書いてきた「歳」の字。
大人になってからは、間違いに気づいても、他人は誰も教えてはくれない。気を使って、恥をかかせることになるという配慮があるからかも知れない。
自分で気付くまで、間違い続けていく。知らずに生涯を終えていくこともあるかも知れない。
葬儀の会食で、故人のエピソードとして「あの人は漢字が得意と言ってたけれど、よく漢字を間違えてましたよねえ」なんて話してほしくない。まさか、こんなことまでは無いと思うけれど。
「旅の恥は掻き捨て」…旅じゃないけど、これまでの恥は“書き捨て”、これからは気をつけよう。
それでも、気付いて良かった。
実は、この他にも間違っていた漢字がある。
「戻」という漢字。
この漢字では、長いこと漢字の右上に点を付けていたのだ。
確か5~6年前だったと思うが、たまたま私が書いた漢字を目にした息子が「戻に点はいらないよ」と指摘してくれたのだ。
漢字には自信を持っていた自分だったから、まさか!とやっぱり自分の目で辞書で漢字を確認して、その指摘が正しいことを知ったのだった。息子に感謝
曖昧にも程がある漢字、それがこれ。
例 「改」
以前別のブログにも書いたのだが、このフォントでは「己」部分が最後ハネで終わっている。私が学校で習った時も、跳ねるよう教わった。
私の子供が小学生の時の事。漢字のテストを持ち帰った時、「改」と子供が書いた漢字にバツが付いていてた。「合ってるのに、なんでバツ?」と思い子供に聞いたら、小学校では「己」の最後はハネではなくトメと教えているそうだ。
「改」はよく使われる漢字だから、あちこちで目にするが、新聞や雑誌でも「己」部分が跳ねている漢字がほとんどだ。
おかしな話だ。
子供たちが社会に出たら、困惑することだろう。
文化庁の見解は「はねる、とめる」どっちの書き方でも良いという。実に日本らしい曖昧さだ。ただし、学校のテストだけは「トメ」にしないと、バッテンをもらうことになる。
時代とともに言葉が生まれたり変わったりするように、漢字も少しずつ変わっているようだ。でも、変えるときは周知してほしいし、曖昧なことは避けてほしい。そうしないと一番迷惑を被るのは子供達なのだから。
日本語の漢字は読みも何通りもあり、場合によっては同じ漢字表現であっても、使用されるシーンによって読みが違うなど複雑だ。それが日本語は難しいと言われる所以なのだろう。
そう言えば、読み方を間違っていたこともあった。恥ずかしいけれど、中学生の時「足しげく」という言葉を「たしげく」と言い間違っていて、確かクラスの頭の良い男の子に、「あししげく」じゃない?とサラリと訂正された。今思えばありがたいことだった。サラリと言ってくれたのも良かった。
国会の議員が時折、答弁の中で、多くの人が正しい読みを知っている漢字や熟語を読み間違えたりするシーンをニュース映像で見かける。有名大学を出た人だってそういうことがある。そんな事を知るにつけ、自分だけではないと少し安堵するのだ。
読み間違いにしろ書き間違いにしろ、もしかしたらまだあるかも知れない。
特に書くことは、最近スマホに頼ることが多いから、漢字の細部に注意を払うことも、気付くこともあまり無い。字も小さいし、老眼では細かい部分がよく見えていないので、しょうが無いとも言えるが。
ブログにはポジティブな出来事を(時々例外ありですが…)書いているが、実はネガティブな出来事など、他人が聞いても楽しくない事柄に関しては、手書きのノートにたまに秘めやかに綴っている。ネガティブノートは滅多に開かないけど、開く時が手書きの漢字を書く機会となる。そんな時には今後、より一層漢字に注意を払うことが大切だ。
娘が不要だと言って私にくれた「漢検2級」の本がある。読み書きを学習する為のもので、いつか本を開こうと思いながら、まだ手を付けていない。これを機に、少しずつ読み書きの練習をしてみようかな。