K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

アントニオ・ロペス展

2013年05月13日 | 美術
おはようございまー!
お久しぶりです。
社畜真っ最中のただけーまです。
季節の変わり目と言うことで若干体調が悪いです……

昨日は部屋で安静にしてたのですが、あまりにも暇すぎたので、シアタールームで「アウトレイジ」観ました※1人
あと、ついでに1時間くらい楽器吹きました。
久しぶりに吹くとかなり劣化してるけど、その分すごい楽しいですな^^
地元の吹奏楽団体とかにも入ってみたい。
とりあえず、今日吹奏楽の定期演奏会を聞いてきます※1人

GWに割と文化的な活動をしてきたので、今更ながら更新します笑
いやあ、東京は美術館が本当に充実していて嬉しいですね。
映画は地方でも観れるし、レンタルしても十分に観れるから良いんですけど。

えーと、まずアントニオ・ロペス展なのですが。
マドリード・リアリズムの巨匠として名高いアントニオ・ロペスが渋谷の文化村で日本初の個展を開いていました!!
練馬区美術館で以前やっていたグスタホ・イソエ(磯江毅)の展示でマドリード・リアリズムについて知り、中でも巨匠と名高いアントニオ・ロペスにはずっと関心があったんですよねー。
なので、彼の個展が開かれると知った瞬間、狂喜乱舞でした笑
しかし、その直後に名古屋勤務の事実を知らされ……アボーン
GWと被ってて本当に良かったですわ!

で、肝心の内容なんですけれども。
彼の特徴としては、様々なツールでリアリズムを体現していた点にあります。
彼は絵画だけでなく、彫刻でもリアリズムの追求に努めました。
彫刻では特に人体におけるリアリズムを追求しており『男と女』という木像はまるで今にも動き出しそうなリアリティを備えています。
「男」と「女」というアダム・イヴ性は、まるで人間の本質に迫るかのようです。
『横たわる男』という題のブロンズ像は、筋骨隆々とした男の像なのですが、その男の体に刻まれた生の証をリアリズムの対象としているようでもありました。

また、ロペスは絵画において素描をかなり重視した作家でもあります。
娘を描いた素描の『マリアの肖像』では、彼女の着ているフェルト生地のコートが立体感に描かれています。
フェルト生地の質感を鉛筆だけでここまで細密に再現できるロペスに、抜群のセンスを感じます。
彼自身「絵画、素描、彫刻の三つが結合して一つになる」という言葉を残しており、複数のメディアを止揚したところにある「リアリズム」を追求しています。

彼のリアリズム理念は「現実の瑞々しい一瞬を切り取る」というもの。
その理念はビクトル・エリセ監督の「マルメロの陽光」というロペスのドキュメンタリー映画にも現れています。
この映画は『マルメロの木』というロペスの作品を焦点にあてたドキュメンタリー番組で、ロペスが植物の持つ最も美しい瞬間を切り取ろうと奮闘するシーンを撮影した映画です。
(まだその映画観てないのでゆくゆくは観なければですが……)

現在では、リアリズムは現実を写すものでは在り得ない。
私の卒論のテーマの一つでもあったんですけど。
リアリズムとは、単純に現実をなぞったものではなく、そこに作家の主体性が現れることがとても大事なのです。

これはロペスにも当てはまっていて、彼自身「最初に受ける感動を表現する能力は、現実の世界を正確にコピーする技量や正確さとは別のものなのです。」と述べている。
ここで彼は自身のリアリズムについて写実の技術的側面と「リアリズム」たるべきアウラ的なものを明確に区別しています。

また、彼の風景画は空の割合が高く、彼の風景に対する主体的な選択がなされているものだと考えられます。
スペインの街並みを観た際に、ロペスが感じたのは「空が大きい」ということだったのかもしれないですね。
現在のリアリズムは、現実を一新してくれる効果がある気がしますね。

では~。

hona-☆

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