K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

『はちみつ色のユン』

2015年10月09日 | 映画
こんにちは。金曜日に酔い潰れ、土日は季節の変わり目で体調を崩していました。久しぶりの更新です。今日はあまりにもしんどすぎて会社からお休みを頂きました。たまご粥を作って食べているのですが、隠し味のニンニクが全然隠れてなくてよくわからない雑炊になっている次第です。はあ、料理上手男子になりたいですねえ……

まあ、気を取り直しまして(?)今回は『はちみつ色のユン』という作品の感想です。『コングレス未来学会議』を観た日に、同じトリウッドで鑑賞してきました。因みに連休最終日の夜だったこともあり、鑑賞者はぼくひとりという状態でしたが、その分映像に没頭できた気がします。(寂しいとは言わない)

本作品、実は第17回文化庁メディア芸術祭でアニメーション部門の対象を受賞している作品です。幼い頃に国際養子としてベルギーの家庭で育った監督自身の経験を綴った作品で、柔らかなタッチのアニメーションで過去を、現在を実写映像で表現しています。アニメーションと実写映像の混在という点では『コングレス未来会議』と同じですね。母親の愛というテーマもまた、視点は違えどコングレス未来会議に通じるものがあります。

容姿が全く違う家族の中で育つことの若かりし頃の苦悩…まさにアンデルセンの「醜いアヒルの子」を思い出します。個人的には素行の悪いユンが浮いてしまうのは自業自得じゃないかとも思うのですが、確かに容姿が違うだけで悪目立ちしてしまうという事実もありますよね。ハブる側の気持ちもわかるという意味では、素行の悪くない白鳥がハブられるストーリーより現実味を感じました。(容姿だけで差別しているわけではないという意味で)

両親や兄弟と容姿が違うことから、母親の愛情に対する不信感を募らせるユン。「実の父母を知らないと、良いこともあります。好きなように空想できます」と、韓国に居るであろう実母に想いを廻らせ、結局養子先から出て下宿を始めるのですが、家族とのつながりを失ってユンが感じたこととは…

博愛的な愛情の価値というのは、失ってから初めて気づくというのは万国共通なんでしょうね。
ホームビデオの映像に非常にノスタルジックな想いに駆られる映画でした。

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