こんにちは。2016年も9日経ちましたが、みなさん年始いかがお過ごしですか。ぼくは5年目となる浅草寺初詣を終え、寿司初めも映画初めも美術館初めも楽器初め仕事初めも済ましそこそこ充実した年始を過ごしています。※あとは映画館初めが待っている!
ということで(?)2016年始まりましたね。みなさんも色々と初めまくっていることでしょう。今回は映画初めとなりました、吉田大八監督による朝井リョウ原作『桐島、部活やめるってよ』です。吉田大八監督と言えば『紙の月』という作品が個人的2014年映画ランキングの2位にランクインしていたので、桐島はずっと気になってたんですよね。今回観れて良かったです。

<Story>
ありふれた時間が校舎に流れる「金曜日」の放課後。
1つだけ昨日までと違ったのは、学校内の誰もが認める“スター”桐島の退部のニュースが校内を駆け巡ったこと。
彼女さえも連絡がとれずその理由を知らされぬまま、退部に大きな影響を受けるバレーボール部の部員たちはもちろんのこと、桐島と同様に学校内ヒエラルキーの“上”に属する生徒たち、そして直接的には桐島と関係のない“下”に属する生徒まで、あらゆる部活、クラスの人間関係が静かに変化していく。
校内の人間関係に緊張感が張りつめる中、桐島に一番遠い存在だった“下”に属する映画部前田が動きだし、物語は思わぬ方向へ展開していく。
スクールカーストの最上位グループで起こるイベントがカースト方々に影響を与えていく青春群像劇です。主人公の所属する映画部や桐島の親友(ヒロキ)に片想いする吹奏楽部の部長(アヤ)、桐島が所属していたバレー部のチームメイト(クボ、コイズミ)など、多様な視点から物語は語られていきます。そして、それぞれの物語が吹奏楽部の演奏(学校という空間での文化部を代表するアイコン)をバックに最後屋上で収斂していく展開が非常に素晴らしかった。

屋上という舞台でそれぞれの物語が収斂していく
しかし、肝心の桐島くんはほとんど出てきません。(原作を知らなかったので個人的にはここが割と驚きだったかも?)本当に桐島退部騒動の周辺しか描いていないのです。いやあ、しかし退部するだけでこんなに騒がれる桐島くんって本当に何者なの~?一瞬チラリと出てきただけのミステリアスな男よ。と、思ってしまうのは「退部」という言葉の重みを感じなくなってるからでしょうね。高校生活って部活の占める割合が多くて、本当に今思えば閉鎖的で特殊な空間だったなあと思います。だからカーストなんかも出来やすいんだと思うけど。簡単に校内でそれなりのポジションを獲得できるというか。
ぼくは男子校だったし、スクールカーストの中に入ってなかった(お昼は音楽室で食べるぼっちだった)から、正直この物語を本質的には理解できないんですよね。でも、確かにぼくの高校生活は部活がほとんどでした。毎日放課後にサックスの練習をして、家に帰って宿題をして、ドラマを見て、寝て、起きて、通学する。その繰り返し。
部活の同じパートの先輩と喧嘩して部活を辞めさせたのも、今となっては大したことないなと思えるけど、その当時はぼくの中ではものすごい大きいことだった。レジスタンスが成功した!って同期と喜んでたっけ。
まあ、ちょっと思い出話入ってしまいましたが、それほど高校生にとっての部活は大きいものなんです。ちょっとやそっとじゃ休めないような、そういう組織。会社よりも休みづらい、というのは大袈裟かな?
作品は、スクールカーストの上位グループの視点がメインで語られます。グループの中立を保とうとするカスミと、帰宅部で友人の部活が終わるのを待つリュウタ、トモヒロ、部活に打ち込むミカ、部活をバカにするサナ、部活に所属しても練習に行かないヒロキと、部活に対する立ち位置はさまざま。最終的にはそうした「部活」を通じた不協和音によって、彼らのグループが崩壊していきます。

スクールカーストの最上位グループ
クライマックスは冒頭でも書きましたが、桐島を追って関係者一同が屋上に集まるシーン。バレー部の桐島のチームメイトや親友のヒロキ、偶然撮影で立ち会った映画部の面々、そして背景で鳴り響く吹奏楽部の合奏。それまで平行線を辿っていた物語が、屋上という場に収斂されていくカットはまさに見事としか言いようがありません。チープなCGによるゾンビ化はちょっとうーんって感じでしたけど。
ミカ(部活に打ち込むアイコン)の代わりに、ミカと親しいカスミ(中立のアイコン)がサナ(部活を見下すアイコン)を殴る瞬間が個人的な白眉です。
そして、屋上での騒動を終えて、野球部の練習風景を眺めるヒロキ。野球場の環境音楽をバックに物語は幕を閉じます。練習に休みがちだったヒロキは屋上での騒動と練習風景を通じて何を思ったのか。
青春ですね~。いやはや、改めて共学の高校に通ってみたかったな~と思ってしまいました。
ということで(?)2016年始まりましたね。みなさんも色々と初めまくっていることでしょう。今回は映画初めとなりました、吉田大八監督による朝井リョウ原作『桐島、部活やめるってよ』です。吉田大八監督と言えば『紙の月』という作品が個人的2014年映画ランキングの2位にランクインしていたので、桐島はずっと気になってたんですよね。今回観れて良かったです。

<Story>
ありふれた時間が校舎に流れる「金曜日」の放課後。
1つだけ昨日までと違ったのは、学校内の誰もが認める“スター”桐島の退部のニュースが校内を駆け巡ったこと。
彼女さえも連絡がとれずその理由を知らされぬまま、退部に大きな影響を受けるバレーボール部の部員たちはもちろんのこと、桐島と同様に学校内ヒエラルキーの“上”に属する生徒たち、そして直接的には桐島と関係のない“下”に属する生徒まで、あらゆる部活、クラスの人間関係が静かに変化していく。
校内の人間関係に緊張感が張りつめる中、桐島に一番遠い存在だった“下”に属する映画部前田が動きだし、物語は思わぬ方向へ展開していく。
スクールカーストの最上位グループで起こるイベントがカースト方々に影響を与えていく青春群像劇です。主人公の所属する映画部や桐島の親友(ヒロキ)に片想いする吹奏楽部の部長(アヤ)、桐島が所属していたバレー部のチームメイト(クボ、コイズミ)など、多様な視点から物語は語られていきます。そして、それぞれの物語が吹奏楽部の演奏(学校という空間での文化部を代表するアイコン)をバックに最後屋上で収斂していく展開が非常に素晴らしかった。

屋上という舞台でそれぞれの物語が収斂していく
しかし、肝心の桐島くんはほとんど出てきません。(原作を知らなかったので個人的にはここが割と驚きだったかも?)本当に桐島退部騒動の周辺しか描いていないのです。いやあ、しかし退部するだけでこんなに騒がれる桐島くんって本当に何者なの~?一瞬チラリと出てきただけのミステリアスな男よ。と、思ってしまうのは「退部」という言葉の重みを感じなくなってるからでしょうね。高校生活って部活の占める割合が多くて、本当に今思えば閉鎖的で特殊な空間だったなあと思います。だからカーストなんかも出来やすいんだと思うけど。簡単に校内でそれなりのポジションを獲得できるというか。
ぼくは男子校だったし、スクールカーストの中に入ってなかった(お昼は音楽室で食べるぼっちだった)から、正直この物語を本質的には理解できないんですよね。でも、確かにぼくの高校生活は部活がほとんどでした。毎日放課後にサックスの練習をして、家に帰って宿題をして、ドラマを見て、寝て、起きて、通学する。その繰り返し。
部活の同じパートの先輩と喧嘩して部活を辞めさせたのも、今となっては大したことないなと思えるけど、その当時はぼくの中ではものすごい大きいことだった。レジスタンスが成功した!って同期と喜んでたっけ。
まあ、ちょっと思い出話入ってしまいましたが、それほど高校生にとっての部活は大きいものなんです。ちょっとやそっとじゃ休めないような、そういう組織。会社よりも休みづらい、というのは大袈裟かな?
作品は、スクールカーストの上位グループの視点がメインで語られます。グループの中立を保とうとするカスミと、帰宅部で友人の部活が終わるのを待つリュウタ、トモヒロ、部活に打ち込むミカ、部活をバカにするサナ、部活に所属しても練習に行かないヒロキと、部活に対する立ち位置はさまざま。最終的にはそうした「部活」を通じた不協和音によって、彼らのグループが崩壊していきます。

スクールカーストの最上位グループ
クライマックスは冒頭でも書きましたが、桐島を追って関係者一同が屋上に集まるシーン。バレー部の桐島のチームメイトや親友のヒロキ、偶然撮影で立ち会った映画部の面々、そして背景で鳴り響く吹奏楽部の合奏。それまで平行線を辿っていた物語が、屋上という場に収斂されていくカットはまさに見事としか言いようがありません。チープなCGによるゾンビ化はちょっとうーんって感じでしたけど。
ミカ(部活に打ち込むアイコン)の代わりに、ミカと親しいカスミ(中立のアイコン)がサナ(部活を見下すアイコン)を殴る瞬間が個人的な白眉です。
そして、屋上での騒動を終えて、野球部の練習風景を眺めるヒロキ。野球場の環境音楽をバックに物語は幕を閉じます。練習に休みがちだったヒロキは屋上での騒動と練習風景を通じて何を思ったのか。
青春ですね~。いやはや、改めて共学の高校に通ってみたかったな~と思ってしまいました。
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