K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

【2019年】個人的映画ランキング

2020年04月05日 | 映画
お久しぶりです。コロナ旋風の最中強制帰国となりました、ただけーまです。
日本でも外出自粛で気が滅入りそうですが、映画を消化するにはもってこいですね。
最近はもっぱらAmazon Prime Videoでアラン・ロブ=グリエ監督の作品を消化しています。
 
というわけで?在宅で時間を持て余している方もいらっしゃるかもしれませんので、2020年も4分の1が終わる中今更ながら2019年のランキングを改めてここで発表しておこうかと思います。
お時間に余裕のある方はぜひご覧ください。
 
【第1位】ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
マイケル・ドハティ監督
製作国:アメリカ
日本公開日:2019年5月30日


初期の予告編でドビュッシーの『月の光(Clear de Lune)』を巧みに使っていた時から期待値高い作品ではありましたが、怪獣ファンの求める映画がまさにこれです。
庵野監督の『シン・ゴジラ』や虚淵脚本のアニメゴジラシリーズはもう個人的には全然ダメでしたが、本作には終始興奮しっぱなしでしたね。
キングギドラとモスラ、しかもラドンまでこんなクオリティの高いCGで拝むことが出来るとは……監督の怪獣愛がめちゃめちゃ伝わってきます……クライマックスで我らがバーニングゴジラ出してくるあたりもツボです。
あと、BGMの作り込みが素晴らしい。昨年の個人的ベストアルバムは本作のサウンドトラックです。怪獣映画のBGMにお経を取り入れるという変態っぷりを見せながらこの完成度。お経と和太鼓がポリリズムを織りなす「Gidorah Theme」は必聴です。
 
 
作品の詳しい感想はこちら


【第2位】ヒューマン・フロー 大地漂流
アイ・ウェイウェイ監督
製作国:ドイツ
日本公開日:2019年1月11日



中国を代表する現代アーティストのアイ・ウェイウェイが難民問題に焦点を当てたドキュメンタリー映画。
遠くの国で起きている難民問題を少しでも知るきっかけになってほしい、去年最も多くの人に観てもらいたい映画でした。
私自身もトルコに行く前にトルコの世界最大規模の難民キャンプの存在を知り、より深く少数民族に関心を持つきっかけとなった作品でもあります。
監督が現代アーティスト故か、「美しく捉えた地獄」とも形容できる異常な映像美があります。

作品の詳しい感想はこちら


【第3位】COLD WAR あの歌、二つの心
パヴェウ・パヴリコフスキ監督
製作国:ポーランド
日本公開日:2019年6月27日



パヴリコフスキのモノクロの世界観で奏でられる、冷戦下引き裂かれた二人の切ない物語。
非常に詩的な映画ですが、個人的には前作の『イーダ』の方が好きでしたね。冒頭の素朴な民謡が、時代を経る(女の成長)につれて徐々に変化していくのがたまらない。
観た後に改めて感じる「一緒にいたいだけ」というキャッチコピーの痛烈さ。二人は最終的に一緒にいるためにどういう選択肢を取るのでしょうか。


【第4位】サスペリア
ルカ・グァダニーノ監督
製作国:アメリカ・イタリア
日本公開日:2019年1月24日



あの美しいBL映画『君の名前で僕を呼んで』のグァダニーノ監督が次に挑んだのがまさかの古典ホラーリメイク。
原典は1977年にダリオ・アルジェント監督による制作。大変恥ずかしながら未見です。
ダコタ・ジョンソン演じるスージーの肉体美・舞踊が素晴らしい、が、とにかく怖い!怖くて目を背けたいけど映像が美しくて目が離せないという体験は初めてでした。
 

【第5位】女王陛下のお気に入り
ヨルゴス・ランティモス監督
製作国:アイルランド・アメリカ・イギリス
日本公開日:2019年2月15日



敬愛するヨルゴス・ランティモス監督と愛しのエマ・ストーンの共演となれば見逃す手はありません!
と、息巻いて鑑賞したものの前作・前々作の方が好きでしたね。やはり脚本もランティモスが手がけねばと感じた作品です。
イギリス王室のクラシカルな雰囲気で繰り広げられる英国版大奥。勝気なエマ・ストーンの演技と淑女衣装のギャップがたまりません。
 
 
 
【第6位】バジュランギおじさんと、小さな迷子
カビール・カーン監督
製作国:インド
日本公開日:2019年1月18日
 


タイトルの「バジュランギおじさん」というパワーワードに全部持っていかれちゃいますね。
インドに迷い込んだパキスタン人の少女をインド人のバジュランギおじさんが命も惜しまずパキスタンまで送り返す話。
インド・パキスタン問題を正面から扱うインド映画の力技。ラストシーンはあざとすぎるんですがどうしても涙が……
 
 
【第7位】ちいさな独裁者
ロベルト・シュヴェンケ監督
製作国:ドイツ・フランス・ポルトガル・ポーランド・中国
日本公開日:2019年2月8日



大尉の軍服を手に入れてしまった脱走兵ヴィリー・ヘロルトが「エムスラントの処刑人」と呼ばれるまでの物語。
権力が人を変えるのか、それとも人間の本質は悪なのか、観客の倫理観が試されるような作品でもあります。
なお、原題は「Der Haupmann (大尉)」のみ。作中も肩書きで呼ばれ続けるのが味噌。
 
 
【第8位】トイ・ストーリー4
ジョッシュ・クーリー監督
製作国:アメリカ
日本公開日:2019年7月12日



誰しもが名作として認める『トイ・ストーリー3』の続編。
「玩具としての使命を全うする」か「自分の本能に従う」か、ウッディのこれからの人生に選択が迫られます。
ディズニーファン曰くイマイチな結末のようですが、個人的には最後の勇気あるウッディの選択に拍手を送りたいですね。
 
 
【第9位】ウトヤ島、7月22日
エリック・ポッペ監督
製作国:ノルウェー
日本公開日:2019年3月8日



実際のテロ事件を扱った映画。これが現実にあったというだけでも心が痛む作品です。
ウトヤ島に集まった学生たち。そこに武装した男が乗り込んでくる。牧場に狼が放たれるかのごとく。
犯人の姿は見えない、ただ銃声と悲鳴が島に響き渡る。ウトヤ島の一員としてこの事件をワンカットで追体感することになります。
 
 
【第10位】ファースト・マン
デイミアン・チャゼル監督
製作国:アメリカ
日本公開日:2019年2月8日
 


デイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングが再び組んだルイ・アームストロングの伝記的作品。『ラ・ラ・ランド』ファンとしては当然期待値が高まります。
映像も音楽も素晴らしいのですが、なんとなく劣化版クリストファー・ノーランのような印象でしたね。
娘の死をきっかけに希死念慮を強め、最後に月面で心を解放するアームストロングの精神描写が素晴らしい作品です。
 
 
以上、完全な主観による2019年映画ランキングベスト10でした。
2020年はコロナ騒動でどこまで映画観られるかわかりませんが、今は自宅で旧作をじっくり楽しみたいと思います。
それでは、皆さんも楽しい「おうち時間」をお過ごしくださいませ!


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2 Comments

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Unknown (iinna)
2020-05-13 05:37:24
「ゴジラ」は共通でしたが、観賞傾向はちがっている風でした。

https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/34594e6c2e392c3bff5e37fe34788fe0

ことしに見た「スターウォーズ」や「ナイブズ・アウト」、「パラサイト」などは、遠い昔に見たように色あせてしまいました。

近くにできたシネコンは、ウィルス騒動でオープンが延び、どうにか漕ぎつけたオープン初日の翌日は自粛というカタチで閉まってしまいました。

そんなわけで、この映画館ではまだ一度も観賞できていません。
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Unknown (tadakeima)
2020-05-13 10:38:15
@iinna コメントありがとうございます✨大作系がお好きなんですね。『Once upon a Time』は見逃してしまったので観ようと思います。
映画館早く再開すると良いですね😂
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