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『3 ナツ』 事・・奇・・・

2010-01-08 23:17:49 | 日記
かれこれ10年前
暑い夏の日が続いていた

お盆の頃・・・8月中ごろだ



の裏のおばさんが箒で白い犬を追い立てている
この白い犬は1週間前頃からこの辺をうろうろしている迷い犬

その家には「テツ」という茶色のオスの犬がいた
おばさんは犬好きのはず

「どうしたん?」

「テツにえさをやっても牛乳をやってもあの白い犬を呼ぶねん。
        もう3日も続いてテツは何にも飲まへんし食べてへん。
        うちのテツが死んでしまう。この年では2匹買えへんしかわいそうやけどどっかいってほしいねん。」

「そうやったん・・」

といってその場を離れた

その夜我が家にすでに家族の一員になっている茶色いムクとラクが裏の駐車場にむかって吠えまくる

昼間暑かったのか白い犬は死んだように車の影で身体を横たえている
何日かそんなことが続いた

白い犬はビッコをひきだした
次の日には血が流れていた
そして死んだように倒れていた

私は意を決して我が家の軒下で見取ってやろうと思うが
野犬のような怖い顔をしているので
ムクを拾ってきた近所のおじさんに首輪をつけて貰って医者に連れて行くことにした。

実はそのおじさんはムクを拾ったときは4匹
うちと私の友達が1匹づつ引き受けた
そのおじさんが前の日にその白い犬を家に連れて帰ったが前の2匹と大喧嘩になったので顔中についているノミやダニを取って外に返したということだった

医者に行き手当して貰い庭に繋いだ


当時私には夫がいて
そんな犬はかえないぞ! 
       一切迷惑をかけるな、わしは知らん

そんなことをいうまでもなく足を引っ張りこそすれ
大概私のする事には反対で協力もなかった

そういう流れで我が家にやってきた白い犬は
夏に着たのでナツと名づけた
呼び名はナッチャン

拾ったときにご近所さんは妊娠しているのではないか?と言っていたが
医者聴いたら「2ヶ月で生まれるから一月ほどしたらわかるんちゃいますか? 今はわかりませんねえ」と。

2ヵ月後
4匹の可愛い子犬が産まれた
どうやら裏のテツとだったようだ

テツは自分の責任においてナツを食べさせようとがんばっていたんだね

外で繋いでいたが出産の為にごっそり庭に穴を堀りガス管が飛び出してきた

部屋に入れ枠を作り新聞を沢山ちぎってやっておいて置くと
砂を掘るようにすり鉢型にして巣を作っていった

祭りの朝
妙に静か
大丈夫かと覗いてみると
可愛い子犬が3匹
しばらくして真っ黒なのが1匹
めでたく元気に生まれてきた

生まれた4匹は中学の本部役員を決める時期に離乳食が始まり
本部を辞退した人に
「犬欲しい方が折られたら声をかけてくださいね」とお願いすると3人の方が
「子供が欲しいといっていたのでボチボチ探すところでした」とおっしゃってくださり貰われていった。残る1匹も無事貰い手が見つかった

このナツは一杯恩返しをしてくれた

急に起こりちらかす夫
するとなぜかナツが散歩に行こうと大声で吠え立てる

息子達が連れて行こうとしても足を踏ん張って動かない
息子が「おかんでないとあかんわ」というので
私が散歩に出ることになる

すると・・・・いつもより遠くに引っ張っていくの
そう・・・1時間以上ウロウロする
その間に夫は酒に酔っているのでに。

なんど恐怖から救われたことか
ナツは私の救世主である
ナツの目は白内障のようでどうやら右は相当見えていないようだ
足もぶるぶる・・している
耳は遠い
人間でならきっと80か90だろう・・・

このナツがいてくれなかったら・・・・
私は恐怖の中で酒に狂った夫に何をされていたのだろうか
私自身何かを起こしたかもしれない
余りの怖さにノイローゼになってたかもしれない・・・・

そこから離してくれたのはナッチャンだ

ありがとうなっちゃん
元気で長生きしていて欲しい
別れが来ると思うだけで涙腺が緩む
貰われた1匹が裏のテツと全く同じ体型
やっぱりナツとテツはやったんや

この犬たちのように人間も相手に優しくあってほしいなあ・・・・
ナツの子育てのようにお母さん方がしてくれるといいなあ・・・
と想うのです










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