Taga_castillo

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144MHz λ/2 アンテナ(中央でなく、端からの給電)

2021-06-01 22:19:17 | Ham(RX,TX,Ant)

0.はじめに

 友人が「錆もだいぶ出てきたので屋根馬ともどもアンテナを降ろした」とのことで、しばらくオン

エアできなくなったようなので、ベランダ等に簡単に設置できるアンテナを作ってみようと考えまし

た。

 

1.144MHz用のアンテナの選択

 簡単な 144MHz用のアンテナということで、すぐ λ/2 の水平あるいは垂直のDPをイメージします

が、センタで左右(上下)に分割しなければなりません。

 そこで、ツエップアンテナのように端から給電できればセンタで分割する必要がないので、この方

式を採用することにしました。

 

2.アンテナの構造

 単純に、1mのエレメント( 144MHz で λ/2 )の端と同軸ケーブルを接続すれば良いのですが、ア

ンテナの方は単極のハイインピーダンスであり、同軸は50Ωですので直結することができません。

何らかの方法でインピーダンス変換をする必要があります。

 色々な方法があると思いますが、簡単にできる方法としては、LとCで共振回路を作り一つの端を

をアンテナに接続し、別の端のLとCを切り離して、この"Lの端"と"Cの端"に同軸を 接続する方法

があります。

 

3.アンテナの製作

 イメージとしては、ポールの先にエレメントを付けて、マッチングボックスを介して同軸に接続す

る、と言うことになります。

 1) 以下のようなものを用意しました。

 ・1m のエレメント:1cmΦ のアルミパイプ

 ・ L:空芯のコイル

 ・ C:同軸ケーブルを利用

 ・ マッチングボックス:LとCを入れ、同軸コネクタ(メス)を固定

 ・ ポール:水道用塩ビ管

 2) エレメントとポールの接続

 ・塩ビ管の内径が 13mm のものに外径が 10mm のアルミパイプを入れますが、隙間を埋めるため

  に手持ちのアルミパイプ 12mmΦ や薄手のアルミ板を使いました。そして、ビスでポールとエレ

  メントを固定します。また、エレメントからリードを出すためにはタッピングビスを使いました。

 3) LとCの作成

 ・まず、Cは同軸ケーブル(5D2V)を数cm の長さに切り、中心線と外被間でコンデンサとします。

  同軸の長さの調整は大変なのでこのCを固定とし、Lを調整することで 145MHz に共振させます。

 4) マッチングボックスは、LとCが入り同軸コネクタ(メス)が固定できるもの(今回は、タカチの

  SW-T75 を使用)を使いました。

 5) エレメントとポールの固定ビスでマッチングボックスを止め、ラグを付けたタッピングビスでエレ

  メントからのリードとします。

 *) アンテナの全景とマッチングボックスの中は以下の写真を参考にしてください。

3.使用感

 以前にも同様なものを製作しましたが、今回はあまり調整もせずに作ったものの 145MHz 前後では

SWRも 1.5 位ですのでローカルとのQSOであれば十分ではないかと思います。

 さらに、エレメント長の調整、そしてLやCの値の調整をすれば、もう少しSWRも良くなるのでは

ないかと思っています。

 


TS-440S の再利用のために

2020-06-19 14:44:34 | Ham(RX,TX,Ant)


0.はじめに
 友人から長い期間使っていないTS-440Sを預かり、動作が可能かどうか確認してみることにしました。
 友人が言うには、電源を入れても周波数等の表示がなされず使えないので、時間があれば見て欲しい、と言
うことでした。
 さっそく電源を入れてみると、ビビッと鳴った後、パネルの周波数表示は点滅して全く読み取れません。
 そこで、TS-440Sの取扱説明書をWeb上で探したところ日本語版が見つかったので、さっそくダウンロードし
ました。「保守と調整」の所を見ると、(A)部品配置図[上面]と[底面]、(B)リチウム電池について、(C)マイコンの
初期設定のしかた、の3項目は参考になりそうです(項番の(A)~(C)は取説には記述なし)。

 ところで、メーカー製無線機器のメンテナンスを手掛けたのは、昔FT-101Eの終段を6JS6パラからシングル
にし、そしてバンド切換えで「10MHzのJJY受信」を10MHz帯の送受ができるように改造したことだけで、
TRIO(KENWOOD)の無線機を扱うのは初めてです。

1.再利用するために実施したこと
1.1 「(C)マイコンの初期設定のしかた」には以下の記述があります。
  (注) なお、取説等の引用時には、これ以降先頭に"⇒"を付すこととします。
 ⇒ [A=B] (ボタン)を押しながら、POWERスイッチを入れると初期設定(リセット)されます。
 さっそく実施してみると、周波数表示等が"14,000.00kHz, USB"と表示されました。
 これは、「(B)リチウム電池について」に記述されている以下に該当するようです。
 ⇒ パワースイッチをON-OFFして周波数の表示が常にリセットされる(14,000.00MHz, USB)場合は、リチウム
  電池の寿命を示していますので、お早目に交換してください。

1.2 ビス類の取り外し
 取説にはビス類の記述がなく、とりあえず分かる範囲で外して行くことにしました。同じビスであれば戻す場
合でも場所を問いませんが、異なるビスの場合はどこに使われているか分かるようにしておく必要があります。
 進めていく中で、メインダイアル(VFOダイアル)を取り外そうとして、立ち往生しました。
ダイアルの側面に通常のツマミに使われるような穴があるのですが、ドライバの+、-、そして手持ちの六角
レンチでも引っかかりがありません。結果として、六角レンチの1.3 という細いもので外すことができました。
 ただ、後で調べたのですが、「サービスマニュアル(英文)」や「アマ無線機メインテナンス・ブック3」
にも記述はありませんでした。

1.3 リチウム電池の設置場所
 取説の「(B)リチウムイオン電池について」には以下の記述があります。
 ⇒ このセットには、メモリーのバックアップ電池としてリチウム電池が内蔵されています。リチウム電池の
  寿命は約5年です。
 ⇒ ご注意 マイコンバックアップ用リチウム電池を交換する場合は、お買い求めいただいた販売店、又は最
  寄りのサービスステーションにご相談ください。
 これを読むと2ヵ所にリチウム電池があるようにも読めますが1ヵ所のようで、マイコンの近くと言うことは
 コントロールユニットの所にあると思われます。

1.4 サービスマニュアルを探す
 取説だけでは詳細が分からないので、さらに詳しく記述されているものがないか探したところ「サービスマニ
ュアル」が存在することが分かりました。Webで探したところ2ヵ所でみつかり、さっそくダウンロードしまし
た。ただし、サービスマニュアルは英文で記述されています。
 サービスマニュアルで確認したところ、やはりコントロールユニットに電池があることが確認できました。
ただ、サービスマニュアルでもリチウム電池については型番等の詳細の記述がありません。
 また、サービスマニュアルの"DISASSEMBLY"のところにビス類の留め方の記述があるので、最初からここを
参考にすべきだったと思います。ただ、項番1.2で述べた、メインダイアル(VFOダイアル)の六角レンチ使用
についての記述はありませんでした。

1.5 リチウム電池の確認と交換
 リチウム電池があると思われるコントロールユニットが見えるところまで、ビスを外して行ったところ、オレ
ンジ色の電池が見つかりました。すぐ下の IC に接着されているリード線付の電池ですが、品名は確認できませ
ん。
 プリント基板からリードが出ており、その先で電池のリードと接続されていますので、プリント基板のリード
をのこしたまま半田鏝で電池を外したところ、電池はリード付の"CR2032"でした。当然のことながら、電池容量
は全くの空となっていました。
 リード線付のCR2032を使わずに済むようにケース(ソケット)を探したところ、タカチの"BCR20V4"が使え
るようなので、プリント基板から出ているリードに半田付けをしCR2032をセットしました。なお、電池ケース
は両面テープで IC に接着させました。
 この状態で電源SWを入れると、すぐ"14,000.00kHz, USB"が表示されました。7MHz帯を受信してみると良く
聞こえます。そして、いったん電源SWを切って、しばらくしてから電源を入れると、電源を切る前の周波数が
受信できるようです。

<リチウム電池の交換後>



 古いリチウム電池は右側に置いています。
 取り替えたリチウム電池はX-tal フィルタ[KENWOODの表示あり]の下方にあるまとまったケーブルの下で、
 セラミックコンデンサの左に白っぽく見えています。

1.6 他の項目の設定(変更)
 取説に記載されている以下の項目について設定(変更)を行ないました。
A) ディスプレイの10Hz表示 : 変更前は100Hz表示
B) CW400Hzシフトへの変更 : 変更前は800Hz
C) 50Wパワーダウン : 変更前は100W

 なお、「標準周波数の校正」(X-tal の基準発振周波数)を行なおうと思いましたが、JJYもないので実施し
ませんでした。なお、私のメインリグのJST-245との比較では、周波数はほぼ一致しているようです。
 そして、送受信関連のLCの微調整ですが、測定器の持ち合わせがなく、これも実施しておりません。

1.7 送信テスト
 一応、受信に関してはOKのようなので、ビスを締めてケースに入れた後に送信のテストを行ないました。
 A) 出力テスト(オートチューニングなし)
  ダミーロード・パワー計を接続し、各バンドで実施したところ30~40Wの出力となっています。
 B) オートチューニングテスト
  ダミーロード・パワー計を接続し、各バンドでSWR1.0近くまで行ってくれました。

2.最後に
 友人からTS-440Sを預かって、リチウム電池の交換等を行ないましたが、取説やサービスマニュアルの他
に「Web で紹介されているメンテの様子」や「アマ無線機メインテナンス・ブック3」を参考にさせて頂き
ました。ありがとうございました。
 ただ、OMの方々には既に分かっていることでも、初めて扱う機種だと勝手が分からずハードルが高く感
じるところがあるようです。今回はたまたまリチウム電池の交換だけで済みましたが、他のところに異常が
あればお手上げではなかったかと思っています。

50MHz-Ant(λ/4 or λ/2 ?)の試作

2018-10-28 10:48:01 | Ham(RX,TX,Ant)
0.はじめに
 友人がTR-1000にLPFを付けて免許を得たと聞いたので、50MHzの簡単なアンテナを設置
することにしました。2階のベランダに垂直系を設置したいのですが、以前作成した144MHz
のλ/2(1m長)は廂ぎりぎりでOKすが、50MHzではλ/4(1.5m長)でも廂が邪魔になりそう
です。

1.設計および製作
 1)(設計と言う程ではありませんが)λ/2長のダブレットを基本とすることにします。
 2)エレメントですが、手持ちの部品の有効活用を図るため、アルミパイプ(1m)を繋いで
  約1.5m(λ/4)を作り、0.5mmΦの被覆線で約1.5mを用意して両方でλ/2長とします。
  実際は、アンテナアナライザ(MFJ-259B)で約50.5MHzで同調するように両方のエレメ
  ント長を調整し 139cm x 2 となりました。計算値 x 93.6% となるようです。
 3)ベランダへの設置ですが、アルミのエレメントをベランダから斜めに出し、被覆線はベ
  ランダの支柱(アルミ)近くに沿わせて垂らしました。
 4)アルミのエレメント長はそのままにし、ベランダの支柱に垂らした被覆線を調整(注)
  し、やはり50.5MHzで同調するようにしました。
 5)アルミのエレメント長は139cmですが、0.5mmΦの被覆線長は125cmでSWR最小(=1.2)
  となり、そこから同軸ケーブル(5D2V)でリグまで引き込んでいます。

3.外観
 正面と側面からの写真は以下の通りです。

 <正面からの写真>


 ベランダの支柱の右わきにある細く赤い線が0.5mmΦの被覆線です。

 <側面からの写真>


 斜めと言っても、ベランダからは水平に近い斜めとなっています。

4.最後に
 今回の表題を"50MHz-Ant(λ/4 or λ/2 ?)"としてありますが、見て頂くと分かるように
被覆線の部分をラジアルと見るか、あるいはダイポールの片側と見るかによって、λ/4ある
いはλ/2となるのではないかと思います。どちらかと言えばλ/4の方でしょうか。

(注)アルミの支柱近くに沿わせた被覆線の長さ(約λ/4)ですが、今までの経験から導体
  (地面等も含む)に被覆線を沿わせると空中に設置した場合より同調周波数が低くな
  るようです。
   今回もアルミ支柱に沿わせているので、λ/4の先端開放として同調周波数を測定して
  行き、ほぼ50.5MHzになるようにカットしました。その結果、被覆線の長さは125cm
  となっています。

SSB-Generator の製作(その2)

2016-03-18 22:30:53 | Ham(RX,TX,Ant)
1.製作

 まず基板ですが、片面アース基板の ICB-88SEG (47x72mm)に入るかどうか部品類を並べ
てみましたが、かなり厳しそうです。それではと言うことで、FCZ9 を"10S"から"07S"に
変更するとともに AF-Amp の回路を簡略化することにしました。
 最終的に配置を決め、組み立てに取りかかりましたが、結構厳しくケミコンも小型のも
のに変えることで、三端子レギュレータ(7808)をなんとか基板上に収めることができまし
た。

 以下が組み上げた回路図とその写真になります。






 そして、電源を接続しましたが、どうもX-tal発振部が発振していないようです。回路
図的には問題がないと思うものの、何か勘違いがあるかも知れないなということで、あれ
これと調べましたが最初は原因が分からず数日を費やしてしまいました。

 基本に戻ろうと思い、FETのドレイン(D)とゲート(G)間に10pFを追加したりしてもうま
くいきません。そして、なにげなくFCZ9の"07S"のデータを見たら、"10S"のデータ(3.13
μH)と異なっているではありませんか。FCZ9 の"07S"はインダクタンスが3.82μHとなって
おり、同調周波数が11,272kHz(11,275kHz)より低い周波数となってしまっていたようです。
 同調点を見つけようとコイルのコアをかなり回してしまったので、コアが割れたりしな
いように固定C(39pF)とトリマ(20pF)をパラにして取り付け、トリマを回してで同調点を
探したところ発振を確認することができ、ほっとしたしだいです。

 まだ最終的な調整等を行なっていませんが、800Hzのシングルトーンを入れるとなんとか
SSB波らしきものは出力されるようです。
 なお、最終的な調整と動作確認はトランスバーターを製作するときに合わせて実施しよ
うと考えています。

SSB-Generator の製作

2016-02-12 20:45:40 | Ham(RX,TX,Ant)
0.はじめに

 1年以上前になりますが、ローカルの友人からSSB-Generator用のX-talとX-tal-Filter
を譲り受けたものの、何もしないまま月日が経ってしまいました。友人には申し訳ない思
いでいっぱいですが、やっと製作に取り掛かろうと思ったしだいです。

 さて、SSB-Genの回路をどうしようかと考えて、諸OMの記事を参考にすべく、書籍や
HPを参照しながら、そして手持ちパーツの利用を考えながら回路図を作りあげました。
机上で作成した回路図なので、必要ならば実際に作りながら回路やパーツを変更して行き
たいと思います。