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一辺1mの短縮50MHz用ヘンテナ

2013-01-14 17:34:48 | Ham(RX,TX,Ant)
1985年2月発行の「アンテナハンドブック」(CQ出版社)にヘンテナが紹介されていますので、ヘンテナはかなりの歴史があります。そして、バリエーションも色々と考えてられているようです。
一般的なヘンテナの形状は縦に長い長方形のループ状アンテナで、0.1~0.2λ長の水平エレメントが上辺と下辺、そして下辺から約0.1λ上に1本と計3本あり、その3本の水平エレメントの両端に0.5λ長の垂直エレメントが接続されています。そして、中央の水平エレメントから給電し、形は縦長の長方形ですが水平偏波のアンテナとなります。
ただ、垂直部分が0.5λ長なので、50MHzでも3mとなります。水平偏波ということは3本の水平エレメントが重要で、垂直エレメントを短縮しても良さそうです。
そこで、以下のような一辺1mの短縮50MHzヘンテナを考えてみました。



水平エレメントの上辺と下辺は両側のエレメントを支持するため、アルミパイプを二重にして強度を上げています。垂直エレメントは線長を稼ぐためプラスチックパイプにホルマル線をコイル状に巻いてあります。ただ、中央の水平エレメントとの接続位置を調整する必要があるため、垂直エレメントの下部(40cm)はコイル状でなく網線で直線状としています。上辺と下辺のエレメントは中央部で支柱にクロス金具で固定してあり、給電部のエレメントだけは中央部を浮かしてバラン(BALUN)に接続します。このバランの部分は以下のようになっています。



給電部はプラスチックパイプに添わせた網線をアクリル板で受け、バランに接続しています。バランはインピーダンス比が4対1で、50Ωの同軸に接続しています。実はアンテナのインピーダンスは50~75Ωと考えていたのですが、実際に測定器(MFJ-259B)で測定してみるとリアクタンス(X)がゼロとなるところでは抵抗分(R)が150~160Ωとなったので、4対1のバランを入れることにしました。その結果、同軸を接続する側では50Ωよりやや低いインピーダンスとなっていますが、MFJ-259Bをバランのごく近くに置いて測定したところSWRが1.5の範囲は50.44~50.98MHzとほぼ500kHz幅となりました。SWRが2.0以下であれば1MHz程のバンド幅となります。

比較のため、ダイポールアンテナ(DP)を作り(注1)、ローカル局の協力を得て飛び具合を調べたところ、残念ながらあまり差がありませんでした(注2)。

<参考資料、検討事項>
1.アンテナ・ハンドブック(CQ出版社)
2.スイスクワッドアンテナとヘンテナの放射特性(電子通信学会、アンテナ・伝搬研究技術報告資料)
3.垂直エレメントの短縮方法

(注1)DPアンテナ:アルミパイプでエレメントを作り中央部を支柱に直結するためガンマ・マッチにしたのですが、エレメント長をほぼλ/2(296cm)としたもののどうしても高めの周波数でしかリアクタンスがゼロとなってくれません。当初理由が分からずショートバーの位置を何度も変えてトリマ(VC)で調整を行ないましたが、やはりうまく行きませんでした。その後、高い方にリアクタンスがゼロのところがあるのだから、エレメント長を長くしてみようと左右5cmずつ長くして306cmとしたところ、やっと50.8MHzでリアクタンスがゼロとなりました。DPは短かめにしてリアクタンス分をゼロとする、という先入観があり、全くの盲点でした。
(注2)水平エレメントが3本あり、3本とも中心部分に電流腹があります。つまり、電波の放射が多いところが3ヵ所もあるのでヘンテナの性能が良いと考えられます。このため、短縮ヘンテナでも3本の水平部による電波の放射の合計がDPよりも多くなると考えた訳ですが、もう少し検討の余地がありそうです。

過放電(前)アラーム装置

2013-01-12 22:10:47 | 電子工作
鉛バッテリの充電に太陽電池を使っており、"phocos"(充電コントローラ)を経由しています。ただ、使い続けていて過放電になってしまう可能性があるので、一定電圧以下になるとアラームが鳴動する装置を考えてみました。以前、6Vと12V兼用のものを作ったのですが、今回は12V専用として回路も簡単にし、そして低消費電力のものを製作してみました。
回路図は以下のようになっています(UM66T:メロディIC、圧電式サウンダを使用)。



トランジスタ(Tr)はNPN型(2SC945)を2個使っています。Trのベース(B)とエミッタ(E)間の電圧(V-BE)がほぼ0.6Vと一定であり、V-BEが0.6Vを超えるとTrは"ON"(コレクタ電流が流れる)となり、0.6Vより下がるとTrは"OFF"(コレクタ電流が流れない)ことを利用しています。

通常のバッテリ電圧(12V前後)の場合、左側のTrのV-BEは0.6Vより高くなるようにしておくとコレクタ電流(I-C)が流れるため(上側の)100kΩの抵抗で電圧降下を生じ、右側のTrのV-BEは0.6V以下となるので右側のTrは"OFF"となります。この場合、右側のTrにはI-Cが流れないため40kΩの抵抗の両端には電圧が生じません。つまり、圧電サウンダからメロディは出ないことになります。
バッテリを使い続けて行くと電圧が下がって行きますが、左側にある200kΩとVR(50kΩ)とで左側TrのV-BEが決まりますので、(例えば)10.8Vになった時にV-BEが0.6Vより低くなるようにVRを調整しておきます。
そうすると、左側のTrが"OFF"となるのでI-Cが流れず、右側のTrのV-BEは200kΩ(=100kΩ+100kΩ)と26kΩで決まることになります。バッテリ電圧が10.8Vとなった場合は約1.2Vとなるので右側のTrが"ON"となり、I-Cが流れるのでメロディICが接続されている40kΩの両端に電圧を生じます。この電圧を利用してメロディICを作動させて、圧電サウンダから音が出るわけです。

つまり、50kΩのVRでメロディが鳴動する電圧を設定しておき、バッテリ電圧がその設定電圧を下回った時にメロディICが動作し圧電サウンダから音が出ることになります。
常にバッテリに接続しておくことになるので、今回はなるべく消費電力を少なくしようとして大きめの抵抗(値)としました。鳴動電圧を10.8Vに設定した場合、消費電力はバッテリ電圧が13.0V(鳴動なし)で約185μA、10.7V(鳴動あり)で約230μAとなり、たまたまですがどちらも約2.5mWという極わずかの電力で動作させることができました。なお、"phocos"の消費電力が約15.6mW(=13.0Vx1.2mA)なので、それの約6分の1と言うことになります。

以下の写真のように組んでいますが、メロディICと圧電サウンダ以外は手持ちのものを使ったので抵抗は大きさもばらばらです。ケースは100円ショップで売っている最っとも小さい60x35x35mmのポリプロピレン製のものを使いました。



Desulfater(鉛バッテリ用)の製作

2013-01-04 00:30:30 | 電子工作
鉛バッテリは長い間放って置くと自己放電してしまい、負電極板上に硫酸鉛(サルフェーション)が付き充電しようとしても充電ができなくなってしまいます。2年程前に友人から6Vのバッテリを2個もらったのですが、1個が充電しようとしても電池容量が増えてくれず、また数年前に手に入れた12Vのバッテリも使わず放っておいたので、同様に充電することができませんでした。
捨てるのは簡単ですが回復させる方法がないかと探したところ、パルスを与えてサルフェーションを除去できる可能性があることが分かりました。"Desulfater"と呼ばれており、発生したパルスをバッテリに与えてサルフェーションを極板から除去するというものです。

さっそくいくつかの回路図を見てみましたが動作が良く分からず、書き直してみてやっとおぼろげながら理解することができました。製作した回路図は以下の通りで、理解するため書きなおした回路、あるいは発振で使うNE555の内部も付記してあります。



NE555で2500Hz程のパルスを発振させ、FETのゲートを"ON"、"OFF"させることでコイルに誘起電圧を発生させます。誘起電圧(逆起電力)e=-L(di/dt)なので結構高い電圧が発生することが予想されますが、実際は抵抗分があるので100V程度の耐圧で間に合うだろうと考えました。また、充電器を接続した上でDesulfaterも接続することになるので、発生したパルスで充電器側に影響を与えないようにパルスを減衰するためのコイルとコンデンサを入れる必要がありそうです。なお、コイルの定格電流は充電電流に耐えられるものが必要となります。

利用する場合、バッテリの劣化度合いにもよりますが、このDesulfaterは数日から数週間接続しておく必要があるようです。バッテリの両端をオシロで見ると最初は20Vを越す高いパルス電圧が見えますが、充電が進むと徐々にパルス電圧が下がって行きます。これはバッテリの内部抵抗が減っていくからだと考えられます。使用した結果ですが、6Vのバッテリは回復しなかったものの、数年放置した12Vのバッテリは定格の1/3程ですが回復しましたので、多少は有効であることが分かりました。

[参考資料、検討事項]
1.HP上のDesulfater回路
2.タイマIC555応用回路集、トラ技2011年1月号別冊付録
3.パワーMOS-FET(2SK2232)のデータシート
4.バッテリへのパルス供給回路

DC 5-6V→13V (DC-DC Conv)の製作

2013-01-02 17:47:42 | 電子工作
7MHz用のQRP送信機とSS-40受信機の電源は12Vのバッテリや12~13VのACアダプタを利用すれば問題ありません。ただ、手元に友人からもらった6Vのバッテリが1個あるし、USB端子から5V1A程の電源が取り出せるので、これらを12~13Vに昇圧してやればQRP用には使えそうです。
探してみたところ"PSS3-5-12"という小型のDC-DCコンバータが見つかりました。Vin=5~9V、Vout=12~15Vで最大3Wとのことなので、15V出力としても200mAの出力がとれそうです。
バッテリ(6V)とUSB端子(5V)の両方を利用できるようにするためには、間違って両方接続した時にUSBへ逆流しないようにしないとUSB側の機器を壊してしまう等問題がありそうです。ダイオードを入れれば簡単なのですが、SBD(ショットキーバリアダイオード)でも順方向電圧が0.3~0.4V降下するので、DC-DCコンバータの入力電圧5Vに届かないことになってしまいます。
やむを得ず、USBからDC-DCコンバータに直結することを考えて、以下のような回路(写真付)にしました(バッテリ端子とUSB端子は、回路図と写真では上下逆になっています)。



つまり、USBケーブルを接続してもUSBの5Vを利用する時は、バッテリ側のコネクタをUSB用(内部にジャンパあり)に変える必要がある訳です。これで、間違ってUSB側の機器を壊すことはなくなりますが、若干の手間がかかることになります。

[参考資料、検討事項]
1.昇圧DC-DCコンバータ(PSS3-5-12)のデータシート
2.USBコネクタのピン配置資料

7MHz-CW(QRP)送信機の製作

2013-01-02 14:05:16 | Ham(RX,TX,Ant)
3年程前のCQ誌(2009年7月号)に、JF1RNR(今井さん)の「オリジナルの7MHz CW送信機を作ろう」という記事が紹介されており、付録としてプリント基板が付いていました。(まだ、マルツパーツ館でプリント基板と部品のセットが手に入るようです。)
さっそく作りましたが、若干手直しをしました。まず、送信周波数がX-talでスポットだったことから、VXOにしてほぼ7000~7030kHzまで出力できるようにしました。そして、発振段と終段の間は同調回路とパッドを入れ、アンテナの切り替えにリレーでなくダイオードを使ってみました。
アンテナの切り替えにダイオードを使ってみたものの、受信機とアンテナを直結すれば何とか聞こえる弱い信号が聞こえなくなってしまうことが分かったので、リレーでアンテナを切り替えるように戻してあります。



VXOのところは、7030kHzのX-talを購入し、コイルはFCZ1R9とミニインダクタ(33μH)を直列に接続、バリコンは昔使ったジャンクの150pFを使っています。多少の調整は必要ですが、これで7000.4~7028.0kHzまでカバーできています。また、段間にFCZ7を入れて同調をとり、その後に3dB強のパッドを入れて発振段と終段との間の影響を少なくしています。
ケースは、バリコンが大きかったのでタカチのYM-150(150x40x130mm)を使っており、以下の写真のように組みこんでいます。



上側がフロントパネルで、左からVXO用バリコン、Opr-Cal切り替えSW、パイロットランプです。リアパネルは、左から受信機用BNC、キー(電鍵)、受信機用電源出力、入力電源、アンテナ用BNCの各コネクタです。
プリント基板上は、左側にX-talとFCZ1R9及びミニインダクタがあり、段間のコイル(FCZ7)はプリントパターンの都合から斜めに置いています。なお、追加の穴あけは1mmΦのドリル歯を使い、パターンのカットはカッターナイフで行ないました。
発振周波数の安定度を上げるため電圧レギュレータを使っていますが、7810と大きめのものを使っているので放熱板は付けていません。

[参考資料、検討事項]
1.「オリジナルの7MHz CW送信機を作ろう」CQ誌2009年7月号(JF1RNR)
2.VXO回路
3.ダイオードによるアンテナ切り替え回路(不採用)、回路図は以下を参照