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3.5MHz受信機の製作(1)

2013-02-07 21:22:36 | Ham(RX,TX,Ant)
7MHzの受信機(SS-40)と送信機(CW)については、既にBlogに掲載していますが、"SS-40"についてはキットを購入して作ったのでうまく動作して当然でした。ただ、"SS-40"を作ったものの回路図や各パーツの動作を良く理解できておらず、製作手順書通りに作っただけという感じでした。
そこで、自分なりにある程度納得できる3.5MHzのCW受信機を作ってみようと考えました。ただ、真空管式の高1中2(高周波増幅1段、中間周波増幅2段)受信機の回路図は頭の中にありますが、これを単にトランジスタ(Tr)に置き換えただけでは面白くないので、"SS-40"や他の受信機の回路図も参考にしながら進めて行きたいと考えています。性能は程々でも、(私にとっては)未知の技術にチャレンジし、できればその技術を身につけたいと思っています。

1.ブロック図
受信機のブロック図は一般的な構成になると思いますが、なるべく手持ちのパーツを活用することとし、何ヵ所かは(私にとって)始めての技術にチャレンジしたいと思っています。今考えているブロックの構成は以下の通りです。
A.高周波増幅(RF-Amp)
B.周波数混合(Mixer)
C.局部発振(OSC)
D.中間周波増幅(IF-Amp)
E.検波(DET)
F.ビート発振(BFO)
G.低周波増幅(AF-Amp)
H.自動利得調整(AGC)及びミュート回路(Mute)
I.電源(PS)
J.その他(ケース等)

また、中間周波数ですが、手持ちに6,400kHzの水晶(X-tal)が複数個あるのでこれでX-talフィルタを作ることとし、そうすると局発(OSC)は自動的に9,900kHz(←3,500+6,400)からバンド幅(25kHz以上)となります。

以降、各ブロック毎に検討内容をアップして行きたいと思います。

一辺1mの短縮50MHz用ヘンテナ

2013-01-14 17:34:48 | Ham(RX,TX,Ant)
1985年2月発行の「アンテナハンドブック」(CQ出版社)にヘンテナが紹介されていますので、ヘンテナはかなりの歴史があります。そして、バリエーションも色々と考えてられているようです。
一般的なヘンテナの形状は縦に長い長方形のループ状アンテナで、0.1~0.2λ長の水平エレメントが上辺と下辺、そして下辺から約0.1λ上に1本と計3本あり、その3本の水平エレメントの両端に0.5λ長の垂直エレメントが接続されています。そして、中央の水平エレメントから給電し、形は縦長の長方形ですが水平偏波のアンテナとなります。
ただ、垂直部分が0.5λ長なので、50MHzでも3mとなります。水平偏波ということは3本の水平エレメントが重要で、垂直エレメントを短縮しても良さそうです。
そこで、以下のような一辺1mの短縮50MHzヘンテナを考えてみました。



水平エレメントの上辺と下辺は両側のエレメントを支持するため、アルミパイプを二重にして強度を上げています。垂直エレメントは線長を稼ぐためプラスチックパイプにホルマル線をコイル状に巻いてあります。ただ、中央の水平エレメントとの接続位置を調整する必要があるため、垂直エレメントの下部(40cm)はコイル状でなく網線で直線状としています。上辺と下辺のエレメントは中央部で支柱にクロス金具で固定してあり、給電部のエレメントだけは中央部を浮かしてバラン(BALUN)に接続します。このバランの部分は以下のようになっています。



給電部はプラスチックパイプに添わせた網線をアクリル板で受け、バランに接続しています。バランはインピーダンス比が4対1で、50Ωの同軸に接続しています。実はアンテナのインピーダンスは50~75Ωと考えていたのですが、実際に測定器(MFJ-259B)で測定してみるとリアクタンス(X)がゼロとなるところでは抵抗分(R)が150~160Ωとなったので、4対1のバランを入れることにしました。その結果、同軸を接続する側では50Ωよりやや低いインピーダンスとなっていますが、MFJ-259Bをバランのごく近くに置いて測定したところSWRが1.5の範囲は50.44~50.98MHzとほぼ500kHz幅となりました。SWRが2.0以下であれば1MHz程のバンド幅となります。

比較のため、ダイポールアンテナ(DP)を作り(注1)、ローカル局の協力を得て飛び具合を調べたところ、残念ながらあまり差がありませんでした(注2)。

<参考資料、検討事項>
1.アンテナ・ハンドブック(CQ出版社)
2.スイスクワッドアンテナとヘンテナの放射特性(電子通信学会、アンテナ・伝搬研究技術報告資料)
3.垂直エレメントの短縮方法

(注1)DPアンテナ:アルミパイプでエレメントを作り中央部を支柱に直結するためガンマ・マッチにしたのですが、エレメント長をほぼλ/2(296cm)としたもののどうしても高めの周波数でしかリアクタンスがゼロとなってくれません。当初理由が分からずショートバーの位置を何度も変えてトリマ(VC)で調整を行ないましたが、やはりうまく行きませんでした。その後、高い方にリアクタンスがゼロのところがあるのだから、エレメント長を長くしてみようと左右5cmずつ長くして306cmとしたところ、やっと50.8MHzでリアクタンスがゼロとなりました。DPは短かめにしてリアクタンス分をゼロとする、という先入観があり、全くの盲点でした。
(注2)水平エレメントが3本あり、3本とも中心部分に電流腹があります。つまり、電波の放射が多いところが3ヵ所もあるのでヘンテナの性能が良いと考えられます。このため、短縮ヘンテナでも3本の水平部による電波の放射の合計がDPよりも多くなると考えた訳ですが、もう少し検討の余地がありそうです。

7MHz-CW(QRP)送信機の製作

2013-01-02 14:05:16 | Ham(RX,TX,Ant)
3年程前のCQ誌(2009年7月号)に、JF1RNR(今井さん)の「オリジナルの7MHz CW送信機を作ろう」という記事が紹介されており、付録としてプリント基板が付いていました。(まだ、マルツパーツ館でプリント基板と部品のセットが手に入るようです。)
さっそく作りましたが、若干手直しをしました。まず、送信周波数がX-talでスポットだったことから、VXOにしてほぼ7000~7030kHzまで出力できるようにしました。そして、発振段と終段の間は同調回路とパッドを入れ、アンテナの切り替えにリレーでなくダイオードを使ってみました。
アンテナの切り替えにダイオードを使ってみたものの、受信機とアンテナを直結すれば何とか聞こえる弱い信号が聞こえなくなってしまうことが分かったので、リレーでアンテナを切り替えるように戻してあります。



VXOのところは、7030kHzのX-talを購入し、コイルはFCZ1R9とミニインダクタ(33μH)を直列に接続、バリコンは昔使ったジャンクの150pFを使っています。多少の調整は必要ですが、これで7000.4~7028.0kHzまでカバーできています。また、段間にFCZ7を入れて同調をとり、その後に3dB強のパッドを入れて発振段と終段との間の影響を少なくしています。
ケースは、バリコンが大きかったのでタカチのYM-150(150x40x130mm)を使っており、以下の写真のように組みこんでいます。



上側がフロントパネルで、左からVXO用バリコン、Opr-Cal切り替えSW、パイロットランプです。リアパネルは、左から受信機用BNC、キー(電鍵)、受信機用電源出力、入力電源、アンテナ用BNCの各コネクタです。
プリント基板上は、左側にX-talとFCZ1R9及びミニインダクタがあり、段間のコイル(FCZ7)はプリントパターンの都合から斜めに置いています。なお、追加の穴あけは1mmΦのドリル歯を使い、パターンのカットはカッターナイフで行ないました。
発振周波数の安定度を上げるため電圧レギュレータを使っていますが、7810と大きめのものを使っているので放熱板は付けていません。

[参考資料、検討事項]
1.「オリジナルの7MHz CW送信機を作ろう」CQ誌2009年7月号(JF1RNR)
2.VXO回路
3.ダイオードによるアンテナ切り替え回路(不採用)、回路図は以下を参照


SS-40(7MHz受信機)の製作

2012-12-29 17:29:05 | Ham(RX,TX,Ant)
CQ誌の2012年3月号に、JH0CCKの広井さんの記事「7MHz-CW受信機キット『SS-40』の製作」が掲載されていました。おもしろそうだったので、以下のHPよりさっそく注文しました。
http://www.wa0itp.com
http://www.4sqrp.com/SS40.php

HPには広井さんの翻訳による日本文の組立説明書もあり、製作もそう難しくなさそうです。ただ、ケースは自分で選択する必要があり、広井さんはリードの"PS-3"を使っています。大きさが160x70x130mmと若干高さがあるのが気になったので、もう少し高さが抑えられないか考えてみました。
上記HPに掲載されているオリジナルを見てみると、以下のようにVXO用とAF用のVR、そしてアンテナ用のBNCコネクタ、ミュート用とイアホン用のジャックがプリント基板に直結されフロントパネルに出ており、リアパネルには電源ジャックがあります。



プリント基板の下側にBNCコネクタ、そしてミュート用とイアホン用のジャックを直接半田付けする構造となっているので、どうしても高さが必要なようです。この基板の下側にあるコネクタ類を基板の上側に置くようにすれば解決することが分かったので、Sメータ回路を付加することも考えタカチの"YM-180" (180x40x130mm)を選びました。BNCコネクタ、ミュート用ジャックをリアパネルに置き、Sメータ、PLランプ、電源SWをフロントパネルに追加し、以下のような配置になっています。



製作してうまく行かなかった点が1つあります。VXOはX-talが3個並列に接続されていてバラクタ(パリキャップ)への供給電圧の変化で周波数を変化させますが、X-talのケースをアースに落とすためリード線を半田付けしたところ発振しなくなってしまいました。あれこれとやってみて、X-talを2個にしたところ発振はしたものの受信周波数範囲が高くなっていました。VXO用のコイルL9(5.6μH)を別に巻き直すことで受信周波数範囲を6998~7030kHzとすることができましたが、VRの回転角に対する周波数変化の直線性は実現できませんでした。低い方と高い方の周波数で、回転角の変化に対する周波数変化が少なくなっています。
実際に7MHzをワッチしてみると、ノイズが極めて少なく弱い信号でも明瞭に入感しています。

[参考資料、検討事項]
1.SS-40受信機組立説明書
2.SS-40ReceiverV1.0H-Routed
3.ケースの高さを抑える方法と配置