Taga_castillo

アマ無線、電子工作、歴史(古代)、ゴルフ、スペイン語、他

3.5MHz受信機の製作(6)

2013-02-27 23:54:03 | Ham(RX,TX,Ant)
(2.各ブロックの回路の検討)
E.検波(DET) 及び F.ビート発振(BFO)
今回は"IF-Amp"を後回しにして、DETとBFO、それにMute回路を考えてみました。回路図は以下の通りです。



[a]は"SS-40"のDET,BFO及び,Mute回路で、AGCとAF-Ampも一緒に書いてあります。
DET&BFOは、DBMに発振回路も入っている"SA612"を使っていて、差動出力からMute回路を経てAF-Amp(差動入力)へとつながっています。

[b]は、プロダクト検波とMute回路、そしてBFOです。"SA612"が入手できれば[a]の回路のままでも良かったかも知れませんが、今回はMixerでも使った3SK63でプロダクト検波を行ない、BFOはX-talフィルタの時に選別し発振周波数が一番高かったX-talを使うことにします。

まずBFOですが、"FCZ5"(6.75μH)と80pFのトリマコンデンサを使うと6kHz程周波数を変えることができました。X-talフィルタは、X-talの発振周波数より若干低い周波数が通過(帯域)周波数となりますので、ちょうど良さそうです。また、多少周波数が変わってもビートのピッチが変わるだけですので、L-OSCよりラフに作ることにしATTのみでバッファは付けないことにします。

プロダクトDETは一種のMixerですので、Mixerとほぼ同じ回路にしています。RFやMixerと違って受信信号が増幅されているのでノイズ等にあまり気を使わず、またBFOからの入力をクリップしないようにするため、G2には1V程のバイアスをかけてみようと思います。
そして、Dのすぐ後にはLPFを入れており、入出力インピーダンスが約700Ωであれば約2250Hzより高い周波数が徐々に減衰されることになります。

次がMute回路ですが、最初[a]の回路を見てDからSに電流が流れないので、どのように動作するか分かりませんでした。あれこれ調べてみて、次のようなことが分かりました。
J-FET(Nチャネル)のドレイン(D)とソース(S)間はN型半導体なので、ある程度の抵抗値(数10~数100Ω)を示すものの導通があります。つまりAF信号等は通ることになります。そこに、D(あるいはS)に電圧をかけても導通したままですが、Gをアースに落とすことでバイアスがかかるのでDとS間の抵抗が大きくなりAF信号等は通さなくなるようです。実際にDに電圧をかけて試してみましたが、ダイオード(Di)がない時は約1.5V以下、Diを入れた時が約2.1V以下でAF信号が漏れてくるようです。また、DとSを逆に接続してみましたが、Sに電圧をかけた時よりDに電圧をかけた方が漏れが少ないので、[b]のようにDに電圧をかけることにしたいと思います。


3.5MHz受信機の製作(5)

2013-02-20 16:41:02 | Ham(RX,TX,Ant)
(2.各ブロックの回路の検討)
D.中間周波増幅(IF-Amp)_その1
中間周波増幅(IF-Amp)ではX-talフィルタを使おうと思います。また、"SS-40"ではOP-Ampを使って増幅していますので私もOP-Ampを使ったみようと思いますが、今まで自分で使ったことがないので全くのゼロから始めなければなりません。
そこで、今回は"IF-Amp_その1"としてX-talフィルタについて考えることにしました。



[a]は"SS-40"のIF-Ampですが、X-talフィルタを挟んでOP-Ampが入っています。X-talフィルタ部分を見てみると、入出力には100Ωが入っていますが、コンデンサの値が入出力側が420pF、中央が370pF、他の2ヵ所が270pFとなっています。
X-talフィルタについては以前1度利用したことがありますが、ラダー(はしご)型がコンデンサの値が分かりやすかったので、今回もOMの方々のHPを覗いてみました。色々な製作記事がありましたが、ラダー型なら多少ラフに作っても程々の性能が得られているのではないかと思います。

私の場合、X-talの手持ちは6,400kHzが6個あるので、それぞれの周波数を測定して使用するX-talを決めたいと思います。昔から持っているGDM(Grid Dip Meter)で発振させ、受信機(JST-245)で周波数を読んだところ、以下のようになりました。
#1:6401.39kHz
#2:6401.52kHz
#3:6400.89kHz
#4:6401.46kHz
#5:6401.41kHz
#6:6401.59kHz
X-talフィルタは、"SS-40"と同じように4個のX-talで作ろうと思いますので、そうすると周波数が最低と最高の#3と#6を外せば差が0.13kHzと一番少ないところに収まるようです。そして、#6のX-talはBFOに使えそうです。
"SS-40"と同じようにX-talフィルタの入出力を100Ωとして、リアクタンスがほぼ100Ωになるコンデンサを計算してみると以下のようになります。
Xc=100Ω=1/(2・π・f・C)
∴ C=1/(2・π・f・Xc)=1/(2x3.14x6.4x10^6x100)≒248.7pF
入出力端以外はこの値がパラ(並列)になるので、497.4pFとなりますが、コンデンサの値で470pFがあるのでこれを使うことにします。そうすると両端のコンデンサの値は235pFとなりますが、抵抗やコイルに接続するので若干少なめにして230pFにしたいと思います。

さて、OP-Ampによる増幅回路ですが、"SS-40"で使われている"LT1263"を探したものの購入できるところが見つからなかったので、別のOP-Ampを探さなければなりません。また、OP-Ampの使い方が良く分からないので、"IF-Amp_その2"については後回しにし、次回は別のブロックをアップすることになると思います。

3.5MHz受信機の製作(4)

2013-02-17 23:45:13 | Ham(RX,TX,Ant)
(2.各ブロックの回路の検討)
B.周波数混合(Mixer)
周波数混合(Mixer)は、ダイオード(Di)、FET、Tr で作ることができます。高周波(RF)と局部発振(L-OSC)を混合し中間周波(IF)にするので、入力が2ヵ所となります。相互の干渉をなるべく少なくしたいと考えると、DBM(Double Blanced Mixer)あるいはDual Gate MOS-FETを使った方が良さそうなので、以下のような回路が考えられます。



[a]はDBMの回路で、トランス(T1,T2)とダイオード(Di)が組み合わされたものが市販されていて、"SS-40"では"ADE-1"というものが使われています。自分で作ろうと思うと、トランスの製作と特性が揃っているDiが必要となります。
[b]はDual Gate MOS-FETを使って、2つのゲート(G1,G2)にそれぞれRF-AmpからとL-OSCからの信号を入力することになります。
DBMは回路がシンプルでMixer性能も良いとのことですが、トランスやDiを揃えるのが難しそうです。また、MOS-FETを使った回路はGバイアスをどのように決めるか迷いそうですが、すぐ試験ができるので今回はMOS-FETを使ってMixerを作ることにしました。
MOS-FETも種類が多くどれを使うか迷いますが、昔々に手に入れて手元に多数残っている"3SK63"を使うことにしたいと思います。もっとも、既にメーカのHPからデータシートが削られているので、データシートはコピーして手元に残っているものを使うことにします。特徴はMOS-FETにもかかわらず「低入力インピーダンス:Ri=400Ω(f=200MHz)」と記載されていることです。
さて、バイアスですが、データシートには「ピンチオフ電圧:Vp1,Vp2=-0.3Vmin~-2.5Vmax」と書かれているので、ゼロバイアスでも動作するようです。ただ、Mixerの場合は単なる「増幅」ではないので、A級動作でなく、B級動作に近くても良いのかも知れません。
7MHz帯用ですが、とりあえず[b]の回路を組んでみて、バイアスを色々変えて実際にCWを受信してみました。(1)はゲインがありますが、最も部品点数が少ない(2)でも良さそうです。ただ、(3)の方が(耳で聞いて)ノイズが少ないような気もしたので、実際に組んでみる時にどちらでも選択できるようにしておきたいと思っています。

3.5MHz受信機の製作(3)

2013-02-14 17:51:17 | Ham(RX,TX,Ant)
(2.各ブロックの回路の検討)
C.局部発振(OSC)
「B.周波数混合(Mixer)」は次以降に考えることにして、今回は局部発振(Local-OSC)について考えてみます。OSC回路は色々と方式がありますが、何度か作った経験があるコルピッツ発振回路を使うことにしたいと思います。
最初に書きましたが、手持ちの水晶(X-tal)は6,400kHzで、これでフィルタを作ることからL-OSCは9,900kHzとなりますが、受信する分の周波数幅を可変できるようにする必要があります。また、近くのパーツ店には9,930kHz付近のX-talの在庫がなく、最も近い周波数が10,000kHz(10MHz)だったので100kHz程下げなければなりません。汎用的な周波数のX-talで価格が安かったこともあり、10,000kHzのX-talを並列(パラ)に接続して試してみることにしました。
周波数の可変は適当なバリコン(Vc)があればそれを使えばよいのですが、手持ちがないこともあり"SS-40"で使われているバラクタ(パリキャップ)を利用することにしました。それにバッファも1段付けた方が良さそうなので、以下のような回路を考えてみました。



[a]は"SS-40"のL-OSCの回路でバッファが2段となっています。安定化のためか、VXO用のコイルとパラに22kΩが入っていたり、バッファ2段目のベース電圧はダイオード(1N4148x2)で約1.2Vから動かないようになっています。また、Mixerに行く前にC(47pF)とL(1.8μH)でLPF(ローパスフィルタ)を構成しているようです。
[b]が今回使おうとする回路で、バラクタの使い方等は上記[a]を参考にしており、また発振段のコレクタに同調回路を入れています。その後、アッテネータ(ATT)を入れ、そしてバッファ段はエミッタフォロアとしています。
この回路をブレッドボード上に結線してチェックしてみました。VXOのところでは、X-talを3個パラにすると周波数変化も大きくとれ、コイルにFCZ1R9(18.0μH)を使用したところ9,900kHz迄発振周波数を下げることができました。バラクタ(1SV101)での周波数変化も数十kHzは大丈夫なようです。当初、バラクタへの電圧供給にチョークコイル(2mH)を使ってみたのですが、ボリューム(VR)を回して電圧を上げて行くと、電流が極端に増えてしまいました。1SV101のデータシートには、VR=15VでIR=10nA(max)という記載があり、100kΩを使っても電圧降下は1mVなので、抵抗を使った方が良さそうです。
この後、330Ωx2と18Ωの抵抗でATTを入れており、両端のインピーダンス(Z)が50Ωであれば約-3dBとなります。50Ωで終端されていませんが、負荷が変わっても発振段への影響は少なくなるはずです。そして、エミッタフォロアのバッファ段になりますが、この回路に330Ωの負荷を接続した場合の出力は約1.2Vppとなりました。
各部品の値は図中の通りですが、実際に組んだ後に若干の調整が必要かも知れません。

3.5MHz受信機の製作(2)

2013-02-13 17:41:12 | Ham(RX,TX,Ant)
2.各ブロックの回路の検討
A.高周波増幅(RF-Amp)
最初はRF-Ampから考えてみたいと思います。トランジスタ(Tr)やFETを使った以下のような回路が考えられます。



それぞれ、[a]"SS-40"で使用、[b]J-FET使用、[c]MOS-FET使用、[d]NPN-Tr使用の回路です。
[a]はゲート(G)共通回路で面白そうですが、3.5MHzという低い周波数ではなくもっと高い周波数で真価が発揮できそうです。[c]と[d]はゲートあるいはベースにバイアス電圧をかける必要があり、一番シンプルな[b]の回路を選択したいと思います。
回路の概略ですが、TC1はアンテナとのインピーダンスマッチング用のトリマーコンデンサです。L1とL2は製造が中止となったようですが、FCZ3R5を使いたいと思っています。J-FETは手持ちがある2SK168を考えています。
AGCを掛けるためには、FETのゲート(G)とソース(S)間の電圧(Vgs)を変化させることが必要なので、Gにマイナス電圧を掛けるかS電圧を変化させる必要があります。"SS-40"で使われているFETのSにTrを入れてみる方法もありそうですが、別途検討したいと思います。
現時点での各部品の値は以下のように考えています。
TC1:50pF, L1=L2:FCZ3R5, TC2=TC3:220pF, R1:47Ω, C1=C2:0.01μF