小沢氏が要職に就くことを求めない国民が七割だと言う。
世論調査の結果ということだ。
メディアは我が意を得たりとこのことを流し続けている。どうしても小沢を葬り去りたいという勢力が未だ気を許してないということなのだろうが、政治家個人をこれだけ執拗に名指しで世論調査の対象に取り上げるというのももう既におかしなことだ。
「誰が」ではなく「何を」政治に求めているのかを詳らかにすることの方が世論調査の本旨だと思うのだが、何もかもが下品な思惑で運用されているようで聞く度に気分が悪くなる。
あれだけ悪役のレッテルを貼り続けてきたのだから、大部分の庶民がそう思い込むのも無理はないのだが、もう二年も続いているのだからそのことの不自然さに気付く人々がもっと増えてきてもいい頃だ。
しかし小沢氏も靡かないものだと感心する。
まるで不動だ。揺るぎが無いというのもここまでくるともう充分に異端者ということにもなる。
小沢が訴え続けているのは政治主導の原理原則なのだから、彼の改革の焦点は官僚機構とそこと結託したメディアということになる。
これは日本の全権力と対立しているということになるのだから、彼の揺るぎのない信念の強さは次に途方もない抵抗を誘い込んでしまうのだろう。
菅氏のように処世をやり遂げることばかりの人間はあちこちに迎合してしまうから、敵対勢力も一息入れることができる。
おかげで財務官僚の意を汲んで増税を口にして誠意と柔軟を示したつもりが、選挙で負けるという羽目に陥ってしまった。
彼の場合は会社の管理部門の長、例えば総務部長や人事部長が社長になってしまったようなもので、売上げを上げる術など元から持ち合わせていないのだから、国の運営など官僚と組まない限りは果たせるものではない。
言わされたのか言ってしまったのか、小沢と距離を置くという表明自体が今は命取りになろうとしていると感じる。
官僚機構の傀儡政権では民主の看板からして自ずと潰れてしまうだろう。
最後には再編、大連立という有名無実に逃げて延命に汲々とすることになるのは素人目にも読めることだ。
根っからの事務屋に経営は無理なのだよ。
政治的解決の課題ばかりが残ってしまった現状でどちらが政治的に価値を持っているのかは明らかだと思うのだが、激動を嫌う日本の庶民が真綿で首が絞まってきているから、暫くは面白い展開が続くように思う。
心配なのは小沢氏にはもうあまり時間が残されてないということ。主なき形だけの政治機構はいつの時代も誰かに利用されて食い物にされてきている。
日本の将来など、どうにかなってしまった方がいいのではとも思えるから、それが多数の無言の意思となりそっちの方に行ってしまうのだろう。