TAKAYAN'S ROOM

主にゲームブックを楽しんでいます

《魔法使いの丘》 第1話 旅立ちの朝

2023年01月01日 17時00分00秒 | 魔法使いの丘(完結)
私は日の出と共に目を覚ました。
服を着て、パンとヤギの乳で朝食を済ませると、持ち物を確かめる。

外では前哨部隊の居留地が騒がしくなり始めた。
警備兵の早番と遅番の交代が行われる頃、女の人たちは外へ出て、
洗濯や食事の支度をする。

私は小屋を出て、居留地の外に通じる門へ向かって歩いていく。
たくさんの目が私の姿を見つめている。

居留地の人々は私の任務のことを知っている。
成功を祈る何人かが一団となって、後ろから私を追ってきている。











私はカントパーニの門の前で立ち止まった。
この門はアナランドとカクハバードの世界を隔てる巨大な扉であり、
遠くを見通す能力に優れたサイトマスターの戦士たちによって、
常に守られている。

さあ、念のために持ち物をチェックしよう。

・剣
・背負い袋
・金貨20枚
・食料2食分

準備は万全ね。私はサイトマスターの軍曹に軽く頷いた。
軍曹は門の上にいる見張りに目を向けて、全て安全という合図を確認すると、
大きな声で命令を下す。

軍曹「門を開けろ!」

大きな閂が引き抜かれ、ゆっくりと門が開いていく。













門が完全に開くと、目の前にはシャムタンティの丘が広がっていた。
実際に見るのは初めてだわ。ここから私の長い旅が始まるのね。

サイトマスターの軍曹が歩み寄り、私の手を強く握った。

軍曹「旅の無事を祈っても仕方あるまい。これから先は安全とは無縁の道だ。
  カクハバードが悪魔共の棲む恐ろしい土地だということは、
  お主も十分に承知の上だろう。
  まずは小さな居留地のあるカントパーニを目指して進むといい。
  一時間も掛からないうちに着くはずだ。
  もっとも、居留地とはいっても、そこにいるのは商人たちではなく、
  ほとんどが盗賊ではあるが…
  カントパーニから先は、ジャバジ河畔の街カーレまで、
  ビリタンティを抜けて三本の道が続いている。
  カーレを抜けたら、バクランドを横断しなければならないが、
  この土地に関しては何一つわかっていない。
  聞いた話では、バクランドの昼と夜は太陽の代わりに、
  超自然の力が支配しているらしい。
  一つだけ忘れてはならんのは、カーレから先、
  お主は常に見張られているということだ」

軍曹の警告を聞いても、私の気持ちは揺るがなかった。
それどころか、ますます内なる自信が強まった。軍曹は話を続ける。

軍曹「だが、お主の訓練を見ていて、この任務に相応しい勇士だと確信した。
  幸運を祈っている。どうか《王たちの冠》を取り戻してくれ。
  私も、アナランドの人々も、お主の成功を願っている。
  女神リーブラが常にアナランドの勇士を見守らんことを。
  そして王国を苦しめている呪いと憂鬱が消え去らんことを…」

私は軍曹の手を握り、忠告に感謝の意を表した後、門へ足を運ぶと、
決然とした態度で門を潜り抜ける。
後ろを振り返ると、大勢の人たちが私の旅立ちを見つめていた。
人々の顔から私の成功と無事を祈る気持ちが伝わってくる。

私は大きく手を振りながら、体の向きを変えて広大な丘と向かい合った。
早朝の空気は清々しく、昇りかけた太陽が丘を美しい自然の色に染めている。
その光景は、これから出会う悪しき存在を覆い隠しているようにも見えた。

しっかりと第一歩を踏み出して、私は道を歩き始める。
アナランドを救う旅が始まったのよ。


★ステータス
技量ポイント 10/10  体力ポイント 20/20  運勢ポイント 11/11

★リーブラ召還=可能

★持ち物

背負い袋
金貨20枚
食料2食分
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《王たちの冠》の伝説

2023年01月01日 16時00分00秒 | スティーブ=ジャクソンのソーサリー
数世紀も前… まだ世に知られていない世界が多かった時代……
それは《暗黒時代》という名で呼ばれていた…

至る所に独自の種族と文化を持ち、文明の開けた土地が存在していた。
地の果てにあるカクハバードという暗黒の土地も、そんな場所の一つだった。
カクハバードを手中に収めようと、幾多の征服者が試みてきたが、
そんな野望は虚しく潰え去るばかりだった。

そして時は流れ…

ザンズム連峰の奥にある文明の開けた国々から追放された邪悪な生き物、
ならず者、無法者たちが次第に潜り込んでいった。
やがてカクハバードは地の果ての吹き溜まりとして知られるようになった。

フェンフリーの改革王であるシャランナが《王たちの冠》を発見して以来、
カクハバード以外の土地には文明と秩序が行き渡り始めた。
シャランナは《冠》の力によって、東の世界では最大の帝国の皇帝となった。
この魔法の《冠》には所有者に優れた統率力と判断力を与えるという、
不思議な力が秘められていたのだ。
だが、シャランナ王は世界征服などに野心を燃やすような人ではなかった。
彼が望んだのは、フェンフリーとの友好関係を保てる民族国家を作ることだった。
賢明なる王は隣り合った王国の王たちに、この伝説の《冠》を貸し出した。
それらの国々は《冠》の魔力によって、いずれもが平和国家として栄えていった。

そして約束事が定められた。

・各国の王は四年を期限として《王たちの冠》を所有する。

・その四年の間に自身の王国を秩序のある国にする。

・広がりつつあるフェンフリー同盟に加わる。

という内容である。
ラドルストーン、レンドルランド、ギャランタリア、そしてブライスの諸国は、
約束事に沿って《冠》を順に授かった。
その恩恵は目に見えて現れ、それらの国々では戦いや争い事が起こらなくなった。

アナランドの王も荘厳な儀式の後、滞りなく《王たちの冠》を授かり、
その日からアナランドの繁栄は約束された。
これほどまでに国中を高揚させる魔力を《王たちの冠》が有している理由は…?
それを知る者はいない。神通力と言う者がいれば、一重に精神力と言う者もいる。
ただ、一つだけ確かなのは、その効果が疑う余地すら無いということだった。
アナランドでは全てが順調だった。ブラック・ムーンの夜までは…

《冠》が無くなっていることに最初に気付いたのは王だった。
星一つ見えない前夜、ザメンから来たバードマン共に盗まれてしまったのだ。
《冠》を奪ったバードマンたちは今、カクハバードの無法地帯を渡り、
マンパン砦へ向かっていた。
バクランドからの報告では、《冠》を手に入れようと画策しているのは、
マンパンの大魔王であるらしい。
大魔王はカクハバードを支配すべく、野心を燃やしているのだ。

確かにカクハバードは周辺の国々にとって危険な場所だが、
今の時点では大した脅威ではない。
軍隊は無く、いつ終わるかもわからない内乱が続いているという状態なのだ。
ところが、もし《王たちの冠》の力を借りて統一されることにでもなれば、
フェンフリー同盟の諸国にとって厄介な敵となるだろう。

《冠》を盗まれたアナランドでは、この二年間に授かった恩恵が消え去るという、
不名誉な事態が生じた。
法、秩序、モラルが崩れ始め、臣民は国王に不信感を抱いている。
国境付近では、隣国の動きも怪しくなってきた。侵略の噂も流れ始めた。

この危機を救うのに、たった一つの希望が残されていた。
大掛かりな軍隊などでは、マンパン砦までの道中を生き延びられないだろう。
だが、誰かが一人で旅をするなら砦まで行くことができるかもしれない。
何とか生き延びてマンパンの大魔王から《王たちの冠》を奪い返す…
それこそが呪われたアナランドを救う道なのだ。

この過酷な旅に出ることを一人の勇士が志願した。その使命は明らかだ。
カクハバードを通り抜けて、マンパンの砦を目指すのだ。
そして《王たちの冠》を見つけるのだ!


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ステータスを決めよう

2023年01月01日 15時00分00秒 | スティーブ=ジャクソンのソーサリー
冒険を始める前に、マーテルのステータスを決めなければならない。

TAKAYAN「戦士と魔法使いのどちらにするんだ?」

マーテル「もちろん、魔法使いにするわ♪」

T「《魔法の呪文の書》は熟読したんだろうな?」

マ「た、多分、大丈夫…(σ´・v・`;*)」

T「ところで、サイコロは持ってきたか?」

マ「ちゃんと二つ用意したわよ」

T「じゃあ、技量体力運勢の値を決めよう」

マ「まずは技量ポイントね。それっ!」

T「おおっ、6じゃないか!」

マ「やったわ! さあ、次は体力ポイントよ。それっ!」

T「5と3だって!?」

マ「最後は運勢ポイントね。それっ! 出た目は5だわ」

というわけで、マーテルのステータスは以下のようになった。

 技量ポイント 『6+4』=10

 体力ポイント 『5+3+12』=20

 運勢ポイント 『5+6』=11

T「かなり優秀だな。まさかサイコロに仕掛けでも…?」

マ「失礼ね!(* `□´*) 日頃の行いがいいからよ」

T「もっとも、ステータスに恵まれていても一筋縄ではいかないぜ」

マ「必ず《王たちの冠》を取り戻してみせるわ!」

T「それじゃ、改めて自己紹介をしてくれ」

マ「皆様、初めまして♪」

・名前 マーテル=リゼール

・年齢 29歳

・血液型 B

・職業 スーパーマーケットの従業員

・趣味 ドライブ


マ「スリーサイズは内緒♪」

T「無理に言わなくてもいい…(どうせ胸は小さいんだから)」

マ「何ですって?( *→_→*)」

T「そ、そろそろ出発の時間だぞ…(;・∀・)」

さあ、壮大な冒険の始まりだ!
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誰がプレイするの?

2023年01月01日 14時00分00秒 | スティーブ=ジャクソンのソーサリー
TAKAYAN「以上で《ソーサリー》のルールの説明は終わりだ」

マーテル「頭が痛くなってきたわ…(*×_×;*)」

T「文章にすると長いけど、実際にやってみると簡単だよ」

マ「全四巻にも渡る冒険なのね」

T「俺は学生の頃、全ての巻をクリアした。48種類の魔法も全て覚えている。
 そうだ! このブログでプレイの記録でも書こうかな」

マ「だったら、私がプレイしてみようかしら」

T「本気か?」

マ「冒険は大好きなの。もちろん、ゲームも♪」

T「かなり長い旅になるぜ?」

マ「うげっ… か、覚悟の上よ」

T「よし、お手並み拝見といこう」

マ「TAKAYAN、骨は拾ってくれるわよね?」

果たしてマーテルはアナランドを救えるのか?
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装備と食料

2023年01月01日 13時00分00秒 | スティーブ=ジャクソンのソーサリー
プレイヤーが旅立つ際に持って行く物は僅かな必需品だけです。
チュニックを着て、を武器として携えています。
また、様々な品物や宝物を入れるための背負い袋を背負って行きます。
アナランドの魔法使いは《魔法の呪文の書》を持って行くことはできません。
もし《魔法の呪文の書》がカクハバードの邪悪な者たちの手に渡ったら、
魔法の秘密を知られてしまいます。
そんな危険を冒すわけにはいかないのです。
冒険の旅に出たら、もう《魔法の呪文の書》を読むことはできないのです。
プレイヤーが腰に巻いた財布には20枚の金貨が入っています。
冒険の途中、買い物、食事、宿屋、賄賂などと、お金が掛かるので、
20枚の金貨は長くは持ちません。
旅先で金貨を手に入れる必要があるでしょう。
また、プレイヤーは二食分の食料と水を持っています。
旅をするうちにわかってくると思いますが、食料は大切です。
決して粗末にしないでください。食料が尽きてはおしまいです。
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