TAKAYAN'S ROOM

主にゲームブックを楽しんでいます

《バルサスの要塞》 第1話 到着

2023年06月01日 17時00分00秒 | バルサスの要塞(完結)
日が沈み、薄暮が闇へと変わっていく。
俺は夜空に浮かび上がっている物々しい形を目指して丘を登っていく。

TAKAYAN(もう一時間ほどで砦に着くだろう)











砦の外壁の少し手前で俺は小休止する。しかし、これは失敗だった。
眺めていると、砦が幽鬼のように見えてくる。
全身に悪寒が走るようだ。

T(ちっ、何を恐れることがある)

一瞬とはいえ、不安を覚えた自分が恥ずかしくなった。

T(俺は〈太古の魔法使い〉の一番弟子なんだぜ)

覚悟を決めて大きな門へ向かう。きっと見張りの衛兵がいるはずだ。
さて、どんな口実を使って門の中へ入れてもらおうか。
ここへ来るまでの間、俺は様々な手を考えていた。
『熱を出した衛兵に薬を持ってきた薬剤師だ』と言うのが無難だろうか?
また、商人や職人、または要塞の工事をする大工を装うのも悪くない。
もしくは単純に一夜の宿を求める旅人ということにしてもいい。

T(うまく忍び込めるかな…?)

思いを巡らせているうちに、門へと続く本道に出た。
門の落とし格子の両側で明々とランタンが燃えている。俺は門に近づく。

T「…!」

不意に獣が鼻を鳴らすような音がして、二匹の異様な生き物が現れた。




向かって左側に立っているのは、犬の頭と猿の体を持つ醜い妖怪で、
屈強な両腕を屈伸させている。
右側にいるのは、大きな犬の体に猿の頭を乗せた生き物だ。

猿の頭を持つ犬「……」

猿の頭を持つ犬が近づいてくる。
犬は俺の数メートルほど手前で止まると、後ろ足で立ち上がった。
そして俺に話し掛けてくる。

犬「ここに何の用だ?」

驚いた! 化け物のくせに、生意気にも口が利けるのか。
さて、何と答えようか…?

・薬剤師を装う

・『自分は商人だ』と言う

・『一晩だけ泊めてくれ』と言う

最初に思いついた案で…


☆ステータス
技術点 12/12  体力点 22/22  運点 10/10

☆持ち物

革の鎧
ザック
ランタン

☆魔法(原魔法点=15)
〈妖怪写し〉の術×1
〈千里眼〉の術×1
〈火炎〉の術×2
〈愚者の黄金〉の術×1
〈目くらまし〉の術×1
〈浮遊〉の術×1
〈開運〉の術×1
〈防御〉の術×2
〈技術回復〉の術×1
〈体力増強〉の術×1
〈怪力〉の術×1
〈骨抜き〉の術×2
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プロローグ

2023年06月01日 16時00分00秒 | バルサスの要塞(完結)
〈柳谷〉の善良な市民たちは妖術使いのバルサス=ダイアを恐れていた。
彼らは約八年の間、絶望的な毎日を過ごしてきた。
それはバルサス=ダイアの妖術が実に恐ろしい力を持っていたからである。
バルサス=ダイアが世界征服の野望を抱き、手始めに〈柳谷〉に狙いを定めた。
そのことを知った〈柳谷〉の人々は心の底から震え上がった。

サラモン王に忠実な一人のハーフ・エルフがバルサスの要塞へ偵察に向かった。
そして三日前に一刻を争う知らせを持って戻ってきた。
バルサス=ダイアはギザ岩山の洞窟の奥から魑魅魍魎の大軍勢を寄せ集め、
一週間以内に〈柳谷〉を攻める準備を整えている最中だと言うのだ。

サラモン王は明君であり、行動力もある人だった。
その日のうちに谷の隅々まで使者が送られ、守りが固められ、
勇敢な男たちが召集された。
〈太古の森〉にも使者が送られ、そこに住むエルフたちに警告すると共に、
『手を組んで戦おう』と呼び掛けた。
また、サラモン王は賢明な人でもあった。
いつか〈太古の魔法使い〉たちにも話が伝わると気付いていた。
この魔法使いは白魔術の達人であったが、かなりの高齢者で、
激しい戦いに耐えられるとは思えなかった。
しかし、〈太古の魔法使い〉たちは多くの後継者を育てている。
その中に一人ぐらいは勇気と野心を持った弟子がいて、王の期待に応え、
〈柳谷〉を救ってくれるかもしれない。











俺は〈太古の魔法使い〉の一番弟子だ。
師匠が気難しい上、俺自身も気の長いほうではなかったこともあって、
今までも痛い目に遭ってきた。
そして今回も『案ずるより産むが易し』と思って、すぐに宮廷へ向かった。
サラモン王は笑顔で俺を出迎え、計画を打ち明けてくれた。

サラモン王「敵の軍が態勢を整える前に、バルサス=ダイアを暗殺するのじゃ。
     そうすれば、余計な血を流すことなく、全面戦争を避けられる」

俺の任務は極めて危険だ。
バルサス=ダイアは自身の砦の中で、無数の化け物に守られている。
俺の一番の武器は魔法だが、生き延びるためには剣に頼ることもあるだろう。

王は任務を説明した後、前途に横たわる危険について警告してくれた。
砦の中を通り抜け、バルサス=ダイアを捜し出す…
真の道を見つければ、最小限の危険を冒すだけで使命を果たせるかもしれない。
しかし、一回の挑戦で最善の道を見つけることができるだろうか。
俺は〈柳谷〉を離れ、〈黒い塔〉を目指して歩き始める。











やがてギザ岩山の麓に着いた。暗い空に塔の輪郭が浮かび上がる…
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出発時の持ち物

2023年06月01日 15時00分00秒 | バルサスの要塞(完結)
マーテル「TAKAYANが出発時に持っている物は以下の通りよ」



革の鎧

ザック

ランタン

TAKAYAN「本当に最低限の装備だな。食料や薬も無いのか…」

マ「だからこそ魔法を駆使して苦難を乗り越えるの!」

T「わ、わかったよ。おや? そろそろ出発の時間か…」

マ「待って! その前に自己紹介をしてちょうだい」

T「おっと、忘れていた」

・名前 TAKAYAN

・年齢 内緒

・血液型 秘密

・職業 登録販売者

・趣味 ゲームブック


マ「TAKAYAN、決して油断しないで」

T「君に言われるまでもないさ。じゃあ、行ってくる」

マ「そうだわ! 帰りにチーズケーキを買ってきてくれない?」

T「蛇なら持って帰ってやるぞ♪(。-∀-)」

マ「嫌────!!(((*≧○≦;*)))」

さあ、プロローグへ進もう。
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原魔法点と魔法

2023年06月01日 14時00分00秒 | バルサスの要塞(完結)
マーテル「TAKAYAN、サイコロを二つ振ってちょうだい。
    出目の合計に6を足した数があなたの原魔法点よ」

TAKAYAN「それ! 3と6の目が出たぞ」

TAKAYANの原魔法点は『3+6+6』=15となった。

マ「というわけで、TAKAYANは15個の魔法を使うことができるわ。
 以下のリストから好きな魔法を選んでちょうだい」

T「さて、どれにしようか…」

《バルサスの要塞》の主人公が使える魔法は全部で12種類ある。

・〈妖怪写し〉の術
この術は主人公の前に現れた怪物と瓜二つの複製を作り出すことができる。
複製の技術点体力点、特殊能力などは全て本物と同じである。
本物と違うのは、主人公の思い通りに動かせるということだ。
主人公は複製を本物と戦わせて、見守っているだけでいい。

・〈千里眼〉の術
この術を使えば、脳の波長を様々な対象に同調させることができる。
妖怪の考えていることを読み取ったりすることもできるし、
鍵の掛かった扉の先に何があるかを知ることもできる。
但し、二つ以上の対象があって、それらが近接している場合、
混線して謝った情報が伝えられることもある。

・〈火炎〉の術
火を恐れない生き物はいない。
この術は好きなときに火を作り出すことができる。
地面に小さな爆発を起こして、数秒間ほど燃やし続けることもできるし、
炎を壁を作って怪物が近づけないようにすることもできる。

・〈愚者の黄金〉の術
この術を使えば、ただの石や岩を金塊に見せかけることができる。
しかし、所詮は幻に過ぎず、効果が持続する時間も短い。
賄賂などに使ったら、見破られないうちに次の行動を決めなくてはならない。

・〈目くらまし〉の術
強力な術なのだが、少しばかり信頼性に欠ける。
自分の姿を蛇に変えるとか、床が燃え盛る石炭に覆われるという具合に、
説得力のある幻影を生み出すことが蛇できる。
しかし、不自然な行動(蛇になった自分が剣を振り回すとか)をすると、
その場で術は解けてしまうのだ。
相手の知能が高ければ、なかなか効果的な術ではある。

・〈浮遊〉の術
この術は対象を重力から解放して宙へ浮かび上がらせて、
思いのままに動かすことができる。
自分自身に掛けてもいいし、怪物や物などに掛けることもできる。

・〈開運〉の術
この術は戦闘中以外なら、いつでも使うことができる。
使うと原運点の半分の値だけ運点が回復する。
(原運点が奇数の場合は端数を切り上げる)
当然だが、原運点の値を超えて運点を回復することはできない。

・〈防御〉の術
目の前に見えない盾を作り出して、実体を持つ物から身を守ることができる。
物理的な攻撃(剣、矢、怪物の攻撃など)には有効だが、
魔法を遮断する力は無い。
また、盾の外にいる者に指一本触れられることはないが、
術者自身も盾の外にいる者に触れることはできない。

・〈技術回復〉の術
この術は戦闘中以外なら、いつでも使うことができる。
使うと原技術点の半分の値だけ技術点が回復する。
(原技術点が奇数の場合は端数を切り上げる)
当然だが、原技術点の値を超えて技術点を回復することはできない。

・〈体力増強〉の術
この術は戦闘中以外なら、いつでも使うことができる。
使うと原体力点の半分の値だけ体力点が回復する。
(原体力点が奇数の場合は端数を切り上げる)
当然だが、原体力点の値を超えて体力点を回復することはできない。

・〈怪力〉の術
この術を使うと、腕力を著しく増強することができる。
危機に陥ったときや強敵と戦うときに役立つ。
但し、急に力が強くなると、自分で自分の力を調節できなくなる恐れもある。

・〈骨抜き〉の術
相手を弱体化させることができる。
この術が効果を発揮すれば、戦いは非常に楽になる。
しかし、全ての怪物に効くというわけではない。

マ「よくわかったかしら?」

T「俺の原魔法点は15だから、全ての魔法を一つずつ持って行けるな」

マ「すると、残りは三個ってことになるわ」

T「よし、決めた!」

管理人が選んだ術と回数は以下の通りだ。

〈妖怪写し〉の術×1

〈千里眼〉の術×1

〈火炎〉の術×2

〈愚者の黄金〉の術×1

〈目くらまし〉の術×1

〈浮遊〉の術×1

strong>〈開運〉の術×1

strong>〈防御〉の術×2

strong>〈技術回復〉の術×1

strong>〈体力増強〉の術×1

strong>〈怪力〉の術×1

strong>〈骨抜き〉の術×2

マ「〈火炎〉の術〈防御〉の術〈骨抜き〉の術は二回ずつ使えるってわけね」

T「何となくだが、役に立つ場面が多いような気がしたのさ」

マ「それにしても、優れたキャラクターになったわ。
 これで任務に失敗したら、恥ずかしくて表を歩けないわよ」

T「そこまで言うか? しかし、確かに恵まれているとは思う…」

さあ、次は出発時の持ち物のチェックだ。
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ステータスを決めよう

2023年06月01日 13時00分00秒 | バルサスの要塞(完結)
マーテル「TAKAYAN、あなたのステータスを決めるわよ」

ステータスについては↓を参考にしてくれ。

https://blog.goo.ne.jp/takayan1974/e/250c47832b1520f818352aaa04133a5f

TAKAYAN「出目に恵まれますように…」

マ「オール1とか?(*^.^*)」

T「縁起でもないっ!(;`◇´)」

マ「さあ、心の準備ができたら、サイコロを振ってちょうだい」

T「まずは技術点からだな。それっ!」

マ「うわっ、6の目が出たわ!(*゜◇゜*)」

T「次は体力点か。それっ!」

マ「げげっ、5と5ですって!?(*゜○゜*)」

T「最後は運点だ。それっ!」

マ「4だわ。まずまずの値じゃないの」

というわけで、管理人のステータスは以下のようになった。

 技術点 『6+6』=12

 体力点 『5+5+12』=22

 運点  『6+4』=10

マ「かなり優秀ね。まさかサイコロに仕掛けでも…?」

T「日頃の行いが良いからさ」

マ「あら? 私と同じことを言っているわ」

T「これでステータスは決まったが…」

マ「すぐに冒険を始められるわけじゃないのよね」

T「ああ、魔法の説明が残っている」

《バルサスの要塞》の主人公は魔法を使うことができる。
どんな魔法が用意されているのだろうか?
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