モーセは、アロンの杖の力を借りてエジプトに10の災厄をもたらしファラオの心をへし折ることで、迫害を受けたエジプトを脱出することに成功した。
しかし、時間がたつと人の心は回復するものである。
ファラオの中でモーセに対する怒りがどんどん膨れ上がっていく。
「あいつらを皆殺しにするんや!兵を出せ!」
エジプト兵達は猛烈な勢いでモーセに迫る。
それを見たイスラエルの民は動揺する。
目の前は海で進めない。
「おい、モーセ!どこがファラオ納得してんねん!なんで俺たちをエジプトから出したんや!」
めちゃくちゃ文句を言い始める。
モーセは民に言った。
「恐れるな。この海に向かって逃げろ。」
モーセは海に向かって杖を高くかかげた。
すると、海は2つに割れ、向こう岸へ行くための道が現れた。
追ってきたエジプト人たちも「すごすぎ!」と驚きつつ、イスラエル人を追い続けた。
民が海を渡り終えたところで、モーセが杖をおろすと海は元に戻り、エジプト兵たちは海に飲まれた。
エジプト兵たちから逃れることはできたが、約束の地への旅はなんと40年も続くのであった。
食糧も水も不足してくる。
「おなかすいたーエジプト帰りたいー」
民の不平不満は多く、大変な40年だった。
モーセは奇跡を起こす。
天から食べ物をおろした。
白くて甘いせんべいみたいな食べ物、マナ。
「おいしい!これはなんだ?」
マナには「これはなんだ?」という意味がある。
安息日以外は毎日天からマナが降り注いだ。
マナは気温が上がると溶け、次の日には腐っていた。
「マナはおいしいんだけど、40年間はあきるなぁ…」
モーセたちはシナイに到着した。
モーセはヤハウェに呼ばれシナイ山に登る。
シナイ山に何十日かこもり、神から十戒が刻まれた石板を授かる。
十戒には神様のルールが文字通り10個刻まれているのだが、実は613個の細かいルールがあって、十戒はその要約である。
十戒のルールを聞いた民は「絶対約束守ります!」と固く誓った。
モーセは山のふもとに、イスラエル12氏族の12本の石柱を立て、祭壇を作り雄牛を捧げて神の言葉を読み上げた。
そして、雄牛の血を民に振りかけた。
シナイの契約。
モーセはヨシュアを連れて再びシナイ山へ登り40日間こもった。
ヨシュアは信仰心熱く、モーセの後継者的存在。
二人は山から戻ってくると、イスラエルの民たちはなんだか騒がしい。
歌声が聞こえてくる。
実は、民たちはモーセのいない間、不安になり金の雄牛の像を作って宴をして不安を紛らわしていた。
偶像崇拝は十戒にて戒められている。
シナイの契約をしてから40日すら守ることができなかった。
モーセはブちぎれた。
偶像崇拝をしてしまった3000人がここで殺される。
モーセは金の雄牛を粉々にし、石板も叩き割った。
えっ割っちゃうの?!
「イスラエルの民をお許しください!許されないのであれば、私の記録をあなたの書からけしてください!」
神様はモーセの願いを聞き入れ、イスラエルの民は許された。
そして、叩き割った二枚の石板をもう一回授かる。
今度は簡単に割られないように(?)十戒の石板は、契約の箱に納められた。
モーセ一行はアークを担ぎ、カナンの地を目指す。
しかし、カナンへの道のりは40年、長い!
モーセの寿命はカナンまでは持たなかった。
モーセは、後継者のヨシュアを呼び出した。
「もうすぐ我々は約束の地につくだろう。
私はその地に足を踏み入れることはない。
主が入ったらあかんとおっしゃるのだ
わたしは何度も自分の感情に流され、そのたびにヤハウェを敬う心を忘れてしまったのだよ
ヨシュアよ、お前が代わりに民を導いてくれ」
そして、モーセはモアブの地で最期を迎えた。
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