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マッドマックス:フュリオサ

2024-07-19 15:51:54 | 映画

 

先月末の休みに映画を観に行った。

アニャ・テイラー=ジョイ主演のバイオレンス・アクション、“マッドマックス:フュリオサ”だ。

2015年に公開された、“マッドマックス 怒りのデス・ロード”。

その作品内の主要キャラクターのひとり、フュリオサに焦点を当てたスピンオフ作品。

監督はマッドマックスシリーズを手掛ける、巨匠、ジョージ・ミラー。

英題は“FURIOSA A MAD MAX SAGA”。

キャッチコピーは、“怒りを解放しろ”。

 

 

9年前に観た映画、マッドマックス 怒りのデス・ロード。

そのときの記事にも書いたけれど、マッドマックスシリーズは大好きな映画。

幼い頃 観た、マッドマックス,マッドマックス2に興奮し、

30年ぶりに公開された、怒りのデス・ロードも存分に楽しんだ。

 

以前からこのサイトを読んでくれている方なら知っているだろうが、

以前、多いときには月4~5本鑑賞するくらい、たくさん映画を観ていた。

コロナ禍をきっかけに映画から離れてしまい、

それが明けたのちも、家庭の事情などで映画館へ足を運ぶ気にならず、

さらにフィギュア収集や、Vチューバーにハマってしまうなど、

お金も時間も別の趣味に費やすようになり、数年映画から離れてしまっていた。

 

テレビやネットのCMや広告で知って、「面白そうだな・・・。」

と思う映画公開を知っても、映画館まで足を運ぶのが面倒で、

鑑賞料金も高いし、時間も もったいないな・・・そんなふうに思えてしまい、

ここ最近はもう、映画を鑑賞すること自体 億劫になってしまっていた。

 

ところが、今回のこの“マッドマックス:フュリオサ”の公開ですよ。

大好きなマッドマックスシリーズの最新作。

しかも9年前に観て大興奮した、あの怒りのデスロードに登場した、

かっこいい女戦士のキャラクター、フュリオサにスポットを当てた、

彼女の出自を知ることのできる、前日譚ともいうべき物語。

こんなもの観ないわけにはいかない。

 

公開されてひと月ほど経って、いい加減 観に行こうと、

およそ2年ぶりに映画館へと足を運んだ。

所有していた映画館のメンバーズカードは有効期限が切れてしまい、

退会扱いになってしまっていた。

貯めていたポイントもマイルも失効。

これは もったいないことをしてしまった・・・。

 

 

 

最終戦争(ハルマゲドン)での世界崩壊から45年経った荒廃した世界。

核兵器で自然と文明と秩序が失われ、

生き延びたわずかな人々は、枯渇してゆく食料と生活資源を奪い合いながら、

荒れ果てた地で細々と暮らす。

武器と権力を手に入れた、強いもののみがわずかな富を独占でき、

ならず者たちが跋扈する世界。

 

荒廃した世界で、貴重な緑が生い茂る肥沃な地、“緑の地”。

そこでひっそりと暮らす女性だけの集団、“鉄馬の女”。

鉄馬の女の少女、フュリオサ(アリーラ・ブラウン)は、

ある日、緑の地へと侵入してきた、ならず者のバイカー集団に捕まってしまう。

すぐにフュリオサの母で鉄馬の女の戦士、メリー(チャーリー・フレイザー)が救出に向かう。

 

 

フュリオサが連れて行かれた場所には、無数のバイカー集団が野営していた。

荒廃した地をバイクで駆け巡り、対抗組織や集落を襲い、組織を拡大していた、

ディメンタス(クリス・ヘムズワース)が総長を務めるバイカー集団の野営地だった。

フュリオサが“緑の地”から来たと知ると、ディメンタスはその場所を探ろうとする。

 

メリーが単身でフュリオサを救出しに来るも、あえなく追手に捕まってしまい、

先に逃がされていたフュリオサも、メリーの危険を察知して引き返してしまい、

母娘ともども捕まってしまう。

メリーはディメンタス達によって、幼いフュリオサの目の前で惨殺されてしまう。

 

ディメンタスはフュリオサに、かつて殺されて亡くなった愛娘を重ねたのか、

フュリオサを“リトルD”と名付け、髪を自身と同じ赤色に染め、いつも傍に置いて寵愛していた。

 

 

日々、集団を率いて居場所を転々とし、

襲撃や略奪を繰り返しては、勢力をじわじわと拡大させてゆくディメンタス。

ある日、水や食料が潤沢にあるという場所にたどり着く。

三つの巨大な岩盤がそそり立つ、異様な場所。

イモータン・ジョー(ラッキー・ヒューム)が支配する、巨大な要塞、“砦(シタデル)”だった。

 

ディメンタスはいつものように、砦を襲って支配しようとする。

全勢力で砦に乗り込み、マイクパフォーマンスでジョーを屈服させようとするも、

ジョーのためならば躊躇なく命も捨てて戦う、ウォー・ボーイ達が襲いかかり、

ディメンタスは返り討ちに遭ってしまう。

 

 

砦を諦めきれないディメンタスは、砦と交易をしている石油精製所(ガスタウン)を襲う。

ガスタウンの支配者を人質にとり、再びジョーの砦に向かい、

ガスタウンの爆破を脅し文句にして、ジョーとの取引の席に着く。

取引の結果、ディメンタスが新たなガスタウンの支配者となったが、

代わりにフュリオサがジョーの元へ移ることになった。

 

ジョーは優秀な跡取り男児が欲しく、

健康体で美麗な女性を集めて、“子産み女”として拘束していた。

フュリオサも美麗で健康体であったため、

未来の子産み女として、ジョーの元に留め置かれることになった。

 

 

だが、フュリオサはジョーの元から脱走。

自ら髪を剃り、声で女だとバレぬよう、口がきけないふりをして一切 言葉を発することなく、

ウォー・ボーイの中に紛れて潜伏する。

“鉄馬の女”として生まれ、徹底的に訓練された戦闘能力とサバイバル能力を駆使し、

ウォー・ボーイのなかでも、順調に出世し頭角を現してゆくフュリオサ。

 

「何があろうと、どれだけ時間がかかろうと、必ず家に戻り、種を植え、緑の地を守って――。」

母との最後の約束を守るため、ただただ耐え忍ぶ。

そして、母を殺したディメンタスへの復讐心が、フュリオサを駆り立たせる。

 

 

 

クッソ面白かった。

実に2年ぶりの劇場での映画鑑賞。

映画鑑賞復活にこれほど最適だった映画もなかった。

やっぱマッドマックスは最高だ。

 

ハルマゲドン後の荒廃した世界ってのが最高。

狂った世界観と、魅力的なキャラクター群がたまらない。

文明崩壊後の世界、残った文明の遺品で衣服や装飾品、生活用品を作る。

紙や筆記用具すら喪失した世界で、地図やメモは己の血や皮膚を使う。

食料が枯渇した世界で、カニバリズムも当たり前。

死者の血肉骨はもちろん、それに集るウジ虫すら貴重なタンパク原。

こんな狂った世界の狂った描写、それを映像にするジョージ・ミラーは天才過ぎる。

 

 

前作、怒りのデス・ロードに比べ、確かにアクションシーンは控えめだったけれど、

それでも じゅうぶんにバイオレンスで手に汗握るアクションシーンがあり、楽しめた。

セリフやドラマパートが増えたものの、

フュリオサという人物像を構成するのに必要だったろうし、より深く感情移入することができた。

それでも他の映画より、ずっとセリフもドラマパートも少ないっちゃ少ないと思う。

 

怒りのデス・ロードを観ていなくても楽しめるとは思うが、

あらかじめ観ていた方が、絶対に面白いはず。

前作では謎めいていた、フュリオサの過去がしっかりと描写されていて倍以上に楽しめるはず。

人食い男爵や武器将軍、脳筋息子のリクタス,オーガニックドクターなど、

前作に登場したキャラが登場したときには、思わずニヤニヤしてしまった。

 

 

本作でジョーの息子に、スクロータスという三男が登場したが、

怒りのデス・ロードには居なかったので、前作との間に死んだのかな?

ザビ家兄弟のサスロ・ザビみたいな感じ?

代わりに、前作に登場していた、

奇形だが頭脳明晰なリクタスの兄(長男?次男?)コーパスは登場していなかった。

なにか倫理的,コンプラ的に登場がマズかったのか? 

でもシャム双生児とおぼしき胎児とか登場したし、

ジョージ・ミラー監督はそういうのクソくらえ!的な人だろうし、登場しなかったのが謎。

 

 

中盤から登場する、フュリオサが唯一心を開いた相手、ジョン(トム・バーク)。

ジョーのかつての戦友であり、警備隊長を務める男。

フュリオサを見出し、彼女に生きる術(戦い方)を指南し、

最後はフュリオサと共に緑の地への逃亡をはかる。

黙々と任務を遂行する朴訥(ぼくとつ)な男で、そのキャラクターはマックスと重なる。

本作には、1カットだけしか登場しないマックス。

ジョンの存在が、マックス不足を解消してくれた。

  

 

ジョーとの因縁が思ったよりも希薄で、そこは期待外れだった。

前作のラスト、あんなバトルを繰り広げたうえ、「私を覚えてる?」のセリフも、

あんまり重みが感じられなかった。

ディメンタスという、もっとも憎むべきキャラクターが新たに登場したこと。

フュリオサの失った左腕も、「かつてジョーの怒りを買って切り落とされた」という、

前作の設定が消えてしまい、ジョーの存在がかすれてしまったのが原因か?

 

 

ジョーのフュリオサへの仕打ちが、子産み女として拘束した程度。

結果的に母の敵だったディメンタスから解放されたわけだし、

子産み女とはいえ、フュリオサはまだ犯されていなかったろうし、

一緒に逃走を図った、他の子産み女たちの憎しみの代弁なのか?

単に執拗に追われたから、マックスと共闘して結果的に殺したって感じなのかな?

母を殺したのも、左腕を失ったのも、緑の地が失われたのも、

前作の設定だとジョーの仕業だったはずだけど、

設定が変わってしまったので、ジョーへのフュリオサの怒りがあまり感じられなかった。

 

 

ディメンタス役のクリス・ヘムズワースが良かった。

飄々とした大悪党。

残忍で身勝手でノープランだが、どこかひょうきんなエンターテイナー的なところもある。

完全恐怖で民衆を支配するジョーとは対照的だったかもしれない。

実はリアル夫婦で共演を果たしていたらしく、

クリス・ヘムズワースの奥さんのエルサ・パタキーは本作で二役 演じている。

割と目立つ役柄だったので、後から夫婦だったと知ってびっくりした。

 

前作の宿敵だった、異形の支配者、イモータン・ジョー。

役者さんが、前作のヒュー・キース・バーンから、ラッキー・ヒュームという役者さんに代わっていた。

物語の年代が少し遡るので、より若い役者さんがキャスティングされたのかな?って思ったら、

なんと、ヒュー・キース・バーンさん、残念ながら4年前に他界してしまっていた。

存命していたら、ジョージ・ミラー監督のことだから、

高齢であっても、また彼にジョー役をオファーしたかもしれない。

 

 

映画にしろゲームにしろ、バイオレンスな描写はあまり好きじゃないけれど、

マッドマックスだけは、なぜか受け容れられる。

逆にバイオレンズじゃなきゃ、マッドマックスじゃない。

映画サイトのレビューで、自身はマッドマックスシリーズの熱烈ファンだとしながらも、

「残酷なシーンが多すぎる」とか、「四肢欠損やウジ虫の描写が気持ち悪い」

などと訴えているひとが散見されるが、いや、それでこそマッドマックスやん?

なにをいまさら・・・。

女子供も老人も妊婦にも容赦しない、それがマッドマックスの世界。

 

一昨年~昨年テレビで放映された、機動戦士ガンダム 水星の魔女の最終回で、

主人公がガンダムの手のひらで生身の人間を叩き潰して血まみれになり、

「残酷だ!」「子供の観るアニメで!」などと、視聴者から苦情があがったそうだが、

往年のガンダムファンからすれば、なにをいまさら・・・なんだよな、あれと同じだ。

「ミンチよりひでえや!」「これ・・・母さんです・・・。」に比べりゃ。

 

マッドマックス フュリオサ。

十二分に楽しめた傑作。

早くもDVD発売が待ち遠しい。

また視聴して、今度は細部をもういちど見直したい

 

鑑賞特典でもらえたステッカー。

フュリオサとディメンタス、2種類あったらしい。

 

 



4 コメント

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Unknown (れいな)
2024-07-20 10:56:44
こんにちは。
期待を裏切らない作品でしたね。
9年後に撮った作品なのに舞台は前作よりも過去。
なので役者たちも当然歳をとっているはずなのに違和感なく前とほとんど変わってないのがすごいなと思って、
てっきりイモータンも同じ人がやっていると思って観ていました。
確かに居るはずの人が居なかったり、その逆もあったので何か事情があるのでしょうね。

私も普段はバイオレンス系のゲームも映画も興味無いのですが、これはハマりました。
きっかけは前作の武さんの記事なのでそれよりも前の2作は観ていないのですが。

フュリオサは賢いのかと思いきや軽率な行動が多くてイラッとさせてくれました。
冒頭からサッサと大人の戦士に報告すれば良かったのにバイクに嫌がらせしようとして捕まる、せっかく母親が逃げるチャンスを作ってくれたのに無策で戻ってきて事態を悪化させる、などなど。

残酷な描写とかはむしろ好きですね。強く脳裏に焼き付きますので。
最後、バッサリやってしまうのかと思いきや連れて帰って樹木の養分にして飼い殺ししていたシーンには「いやいや、そんなの無理でしょw」とちょっと笑いました。
ディメンタスの顔が冒頭から終演まで少しずつ、しかし確実に変化していくところに惹かれました。
最初は周りの部下がみんな汚らしくて醜い風貌ばかりの中、一人整った顔立ちで肌艶も良くて「もしかして良い人?」と思ってしまいそうな理知的な表情。
物語が進むに連れて徐々に老けていき髪の毛もパサパサになっていき、表情にも余裕がなくなっていく様が非常に上手くて。

私の所ではなぜか吹き替え版しかやっていなかったので、DVDやBlu-rayが出たらちゃんと字幕版で観たいと思っています。
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洋画は字幕版で観なきゃ! ()
2024-07-20 17:29:36
れいなさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
 
レビューサイト等では、前作と比較して軒並み低評価だったり、
期待外れだったといわれたりしていますが、
自分は素直に楽しめた作品でした。
 
序盤のフュリオサの短絡的な行動は10歳の少女だから仕方がないかなあと。
母親に逃げろと言われても、自身のために見殺しにはできなかった。
あのまま引き返さなくても、フュリオサ単身で、
無事に緑の地に戻れる可能性も極めて低かったのかも。
 
あの ならず者たちを生きて帰したら、かならず仲間を連れて戻って来て、
“緑の地”が無法者たちに乗っ取られ荒らされてしまう。
だから鉄馬の女たちとしては、絶対に生きて帰してはいけない。
親を呼びに行く前に見つかって殺されるかもしれない。
見つからなくても、呼びに行っている間に逃げられてしまうかもしれない。
だから少しでも足止めするため、時間かせぎするために、
バイクを起動不能にしようと必死だったのではないでしょうか?
 
フュリオサ母娘が必死に場所の秘密を守った緑の地ですが、
けっきょく怒りのデスロードでは消滅して毒の沼地に変わり果て、
生き残った鉄馬の女たちも、砂漠で放浪者
たちを
騙し討ちして生きながらえているというのが、なんとも皮肉な結果ですよね。
必死に母との約束を守ろうとしていたフュリオサが、
現実を知って絶望に打ちひしがれ、座り込んで泣き叫ぶ、あの名シーンが理解できます。
 
ガンダムでもZのカツや、逆襲のシャアのハサウェイらの行動・言動に、
色々と避難の声があがりますが、あの非日常的な環境下で、
それ相応の歳の子供だと考えると、解らなくもないな。
・・・と自分は思ったりするんですけど、
なかなか、そういう考えを持った人には出会えませんね。
 
ディメンタスの最期は、けっきょく謎にされてませんでしたっけ?
あのまま 砂漠でなぶり殺したとか、
或いは樹木の養分にしたとかなんとか・・・。
菌類が体の一部に生えるとかなら解るけれど、
ヒトが生きたまま樹木の栄養とか、マンイーターとか、
人食い系の植物でも存在しない限り、有り得んだろ・・・って、ツッ込みましたけどね。
冬虫夏草みたいだ。
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Unknown (まり♪まり)
2024-07-21 10:22:33
武さん、こんにちわ~~~♪♪♪

マッドマックス、1とティナ・ターナーが出演していたやつは、テレビで観た事あります。
トム・ハーディが大好きなので、トム・ハーディが出演したやつも観ました。
それが、怒りのデス・ロードでしたっけ?
私も、バイオレンスは得意分野ではないのですが、何故か観ました。(笑)

武さんは、映画好きなんですね。
私もそんなに沢山は観ていませんが、映画好きです。
でも、映画館に行くのは大変だし、映画代、高いですよね。(^^:)
返信する
地上波でもっと映画やってくれればいいんですけどね ()
2024-07-22 00:29:59
>まり♪まりさん
こんばんは、コメントありがとうございます。
 
ティナ・ターナーが出演していたのは、マッドマックス3サンダードームですね。
でもって、トム・ハーディが主演していたのは、
4作目にあたる、怒りのデスロードです。
 
一番人気の2を観ていないのが意外です。
1から直接ストーリーが続いているので、
機会があれば、1と共に観ていただきたいです。
 
映画好きっていっても、人なみですよ。
洋画はあまり観なくって、ほとんど邦画で、
皆がよく見るハリウッドや、ディズニーなんかは、
毛嫌いしてあまり観ないくらいです。
ハリー・ポッターとかマーベル系とか、まったく観ていないです。
 
映画鑑賞料金、すごく高くなったのですが、
映画館の会員になると、以前よりずいぶんサービスが向上していて、
かなり安く観れるようになっていたので、
年に複数回観るのであれば、会員になるのがオススメです。
 
それでも時間の余裕が必要ですけどね。
映画鑑賞はなんだかんだ半日つぶれちゃうので、
休みが少ないと躊躇します。
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