先日仕事帰りに映画を観てきた。
新垣結衣 主演の、“くちびるに歌を”だ。
原作は中田永一氏の同タイトルの小説。
監督はソラニン,僕等がいた,アオハライドの三木孝浩氏。
パッと見、ありきたりな学園青春群像劇。
当初あまり注目していなかったのだが、たびたび予告編を観て、
だんだんと興味が沸いてきて気付けば前売チケットを購入していた。
そういえば主演の新垣結衣の映画やドラマなど観たことがなかった。
それに長崎県の五島が舞台。
長崎は自分が住んでいる同じ九州であるし、
母の故郷なので、祖父母や従弟達に会うためよく行く。
自分にとっては広島に次いで馴染みのある県。
馴染みがなくとも、地方が舞台というのは興味が沸く。
離島なのでなおさらだ。
いろいろな要素含め、最終的には公開が待ち遠しい映画になっていた。
長崎県五島列島。
長崎県西部に位置する島嶼群。
文字どおり、五つの大きな島が縦に連なっていて、
大小150もの島々からなる自然あふれるのどかな場所。
そこにある小さな中学校に一人の臨時教師が赴任してくる。
かつてこの中学の生徒でもあった、柏木ユリ(新垣結衣)だ。
産休に入る音楽教師、松山ハルコ(木村文乃)の親友で、
その代理として音楽教師、また合唱部の顧問として赴任した。
ユリはハルコから詳細を聞かされておらず、不本意で赴任した。
東京からやってきた美人の若い先生が赴任したということで、
全校集会で学校中の男子生徒と若い男性教員がどよめく。
合唱部には部長のナズナ(恒松祐里)はじめ部員達が、
全国大会出場へ熱意を燃やして、日々練習に熱を入れていた。
松山先生の代わりに来る柏木先生は、噂によると東京で活躍するプロのピアニスト!
部員達は柏木先生に大きな期待を寄せる。
だが、やってきたのは、ひどく無愛想でやる気のない先生。
指導も投げやり気味で、部員たちはユリに不信感を抱く。
明るく優しく頼りになった松山先生の友達とは思えない。
さらには絶対にピアノを弾こうとはしない。
プロのピアニストだから、そのプライドが許さないのか?
ユリが合唱部の顧問になったことで、
合唱そっちのけ、単なる下心で男子部員が数人入部してきた。
「男子なんか真面目に練習せんし、うるさいし邪魔やし、全国大会行かれんやん!」
納得がいかない、ナズナ。
ナズナは男子に対して異様に嫌悪感を抱いていた。
入部してきた男子の中には幼馴染のケイスケ(佐野勇斗)も含まれていて、
さらにナズナは不満を爆発させる。
一方、不本意ながらも、合唱部を指導するユリ。
合唱コンクールで歌う曲は、アンジェラ・アキの、“手紙~拝啓 十五の君へ~”。
歌詞の意味を理解しないと、感情を込めて歌えない。
「十五年後の自分に宛てた手紙を書きなさい。」
ユリは部員達に宿題を出す。
だが宿題の意図がイマイチ理解できない部員たち。
ナズナには両親が居なかった。
病気で母を亡くし、父は女を作ってナズナを家に置いて出て行った・・・。
男子部員のサトル(下田翔大)には自閉症の兄が居て、
ずっとそばに居て面倒を見ていなければならなかった。
そしてユリには、一年前に悲痛な出来事があった・・・。
そのショックでピアノが弾けなくなっていた。
15歳の部員たちが抱える苦しみ悩み。
そしてユリがずっと心に留め抑えていた苦しみ。
ユリはナズナの不遇な家庭環境を知ったとき、
自分が15歳のとき、卒業文集に書いていたことを思い出した。
「あなたのピアノで、誰かを幸せにしていますか?」
一年前の悲劇を受け容れて、閉ざしていた心を開いて決意し、音楽室のピアノを奏でだす。
その旋律を聴いて、屋上で涙するナズナ。
バラバラになっていた部員達が、それを聴いて再び音楽室に集まって来る。
やる気のなかった男子たちも真剣に練習をはじめる。
兄の面倒のため、退部を余儀なくしていたサトルも戻ってくる。
合唱コンクールまで日数がない!
ユリの的確な指導とピアノ伴奏と、部員たちの努力で合唱部はメキメキと力を付けていく。
そしてコンクール当日を迎える――。
「笑って。 くちびるに歌をもて、ほがらかな調子で。」
いやあ面白かった。
何度もウルっときた。
青春学園モノはいいやね。
ちょっとだけ若返れた気にさせてくれる。
オール長崎ロケで、大部分が五島で撮られたもの。
自然の溢れる景色の美しさにはため息が出る。
機会があれば、ぜひ行ってみたい。
話題のアジ茶漬けも食べてみたい。
終盤までほとんど笑顔なく、ずっと無愛想な新垣結衣演じる、柏木ユリ。
これこのままじゃ話進まねーよ!とか思ったが、
じゅうぶん引っ張ったおかげで、最後の感動が違った。
初めて演技観たけれど、この子いいね!
落ち着いた清楚な雰囲気なのに、子どもっぽいあどけなさも残っていて、
なんだか妙な魅力に惹かれた。
ノースリーブに近い半袖姿が風にあおられて、
そのきれいな二の腕がチラチラしているシーンとか、おおっ!ってなった。
フレフレ少女とか、ちょっと前まで女子高生役していたのに、もう先生役かあ。
この前も未亡人役なんかしてたっけ。
部員を演じた子役たちも良かった。
部長のナズナを演じた、恒松祐里ちゃん。
心に大きな傷を抱えているのに部長として明るく強く、
部員達を引っ張っていく、健気な役を見事に演じていた。
反発するユリとぶつかる演技も、
突然現れた憎むべき父親に動揺する演技も、
幼馴染とふたり無言で帰宅する淡い演技も、どれも良かった。
それから心なしか自分の実の娘によく似ていて、
父親に対して動揺したりするシーンでなんだかシンクロしたのが辛かった。
いやそこまで似てないんだけど、輪郭とか顔立ちとかがそっくりで。
この笑っているとことかそっくりだ。
もう自分の娘も難しい年頃になってしまったんだよなあ・・・。
自閉症の兄を持つ、内気な少年サトルを演じた、下田翔大くん。
この子、染谷将太の弟!?ってくらい、雰囲気よく似てるんですけど。
正統派の美男子ってわけじゃあないけれど、これは絶対人気俳優になる。
最近の女子はこんな色白華奢な男子が好みだろう。
まあ、ルックスはさておき、内気で本音を言えない、おどおどした演技。
兄を守りながらも、ときに疎ましく感じ、でも結局愛おしく感じて、
ずっと兄に寄り添って生きていくだろう―。
15歳にして自身に課せられた運命を悟っている、内面はとても強くしっかりした少年。
その演技がまた涙をさそう。
その自閉症の兄・アキオを演じていたのが、
ロックバンド、黒猫チェルシーのボーカル、渡辺大知。
前に田口トモロヲ監督の映画、“色即ぜねれいしょん”で、
映画初出演で初主演、さらには日本アカデミー賞新人賞を獲得するという快挙を成し遂げた人物。
きっと実際の自閉症の方を見て研究したのだろう。
歩き方や表情、喋り方、パニックのしかた、
実際にそういった方と触れ合ったことのある自分から見ても、
まったく遜色のない演技で見事だった。
サトルとアキオの兄弟が海岸沿いを寄り添って歩くシーンがある。
ナズナの不遇な家庭環境のシーンでもなく、
ユリの一年前の悲痛な出来事でもなく、
実はこの兄弟が寄り添って歩くシーンに最も涙した。
ラストの合唱コンクールのシーンは、実際に部員役の子たちが合唱したもの。
アンジェラ・アキの、手紙~拝啓 十五の君へ~が力強く歌いあげられる。
それまでのシーンが回想のように巡り、本当に感動した。
回想カットなしで、ずっと歌っているシーンを映していた方がよかったのでは?と思ったが、
皆の歌に込めた想いをフラッシュバックさせているという演出として見れば、
あれでよかったのかな?と思ったりする。
それにしても、この曲、よく使われるな。
成海璃子主演の“書道ガールズ!!~わたしたちの甲子園~”でも、
この曲がメインテーマとして使われていた。
あっちは高校生だったけど。
映画館で配布されていたロケ地マップ。
合唱コンクールとユリのリサイタルシーン以外はすべて五島でのロケ。
観終わった後、胸が熱くなる作品。
それにしても、自分はもう歳をとったな・・・。
自分が15のとき、どんな夢抱いていただろう。
15年後の自分をどう想像していただろう。
まさかこんなうだつの上がらない何にもできない、
しょうもないおっさんになるなんて想像しなかっただろう・・・。
映画館で配布されていた、プレゼントキャンペーンの応募はがき。
蜩ノ記のときにもあった、おひとりさまには酷過ぎるキャンペーンだ。
二回観ればどうということはない!・・・か。
ずいぶん凹んでらっしゃるご様子ですが、元気出して下さいね。
世間一般的に見れば武さんだって「若い人」でしょう。
違うというのなら、もう10代ではない私も違います。
下ばかり見ていたら何歳であっても「年食ったなぁ(*´Д`)=з」でキリがありません。
フレボ副管理人のご活躍ぶりを拝見してきた限りでも決して「しょーもないオッサン」なんかじゃありません。
まあ少々アタマが固いなって印象はございますが、それだけ実直な男でもあるという長所にも通じますからね。
とそれはさておき・・・
19~25くらいと見た。の前回のアレですが・・・
親子の間柄でまさか「そんなとこ」をじっと「視る」はずがない。
そう信じたいのです。
「いやしかし、別にそんな目で見ているわけじゃないけど否応なく視界に入ってくるから・・・」
と反論されても、
「視界に入っている」と「視ている」では全く違います。
指摘されたということは「視ていた」わけです。脳がその画像情報をスルーしなかったということです。
でもたぶんどこの父親であってもスルーせず意識してしまう物なのでしょう。
仮にそうであっても、うちのお父さんに限ってはそうじゃない。
そう思いたいのです。
なのに唐突にそんなことを言われたらショックですよ。
理由なんて関係ありません。ただ「視ていた」という事がショックなのです。気持ち悪い!のです。
なので意地でも「無関心」を装うべきでしたね。
正直すぎるというのは時に残酷です。
起こってしまったことは仕方ありませんので善後策ですが・・・
直接申し開きや謝罪などするとよけい火に油だと思いますので、やはりお母さんを通して「なぜそれを指摘したのか」の本心を伝えてもらうのがベターかな~
そうだったんだ。実は単に「気持ち悪い」わけじゃなかったんだ。
という事実を11ではなかなか理解できないかもしれませんが、精神年齢的に男の子の11とは訳が違いますのでお母さんの手腕次第では誤解を解ける可能性は充分に有ると思います。
ま、月並みなコメントですが何かの参考になれば幸いです。
なぜここに!?とか思いましたが、
貴重な御意見としてありがたく賜りたいと思います。
色んな方々から意見をいただきましたが、
ここまで痛烈なのは初めてでしたね。
本気で心配してくださっているのが判りますので、
実際そこまで落ち込んではいませんよ!
・・・と申し訳なく感じたりもします。
元々再会できただけでも自分にとっては夢のようなことでした。
子どもが大きくなれば遅かれ早かれいずれまた
自分の元から離れてしまうであろうことは悟っておりましたので、
それが突然やってきたのだと思っています。
幸い息子の方はまだ慕って会ってくれています。
いつまで続くか判りませんが、その時間を大切にしたいと思っています。
「若い」って表現、唐突に感じられましたか?
自分はしょっちゅう使っていると思うのですが・・・。
マリオカートのフレボ~ドラクエときて、
その交流しているプレイヤーのなかでは、自分は間違いなく年配です。
なにより同世代の方と会話していても、
皆若々しく感じられ、自分はやっぱり物の考え方とか、
居振舞いとか、それこそ“頭の固い”老人だと感じます。
実年齢関係なく、若さをめっきり失ったと実感しているのです。
これは単に他人と比較してではなく、
二十代の頃の自分と比較してのことが多いです。
ここで度々 愚痴や悩みを吐露することがあります。
情けないかなこの歳になって、
リアルでこのようなことを言える友人が居りません。
いや居ないわけではないけれど、
皆それぞれ家庭のこと仕事のことでいっぱいいっぱいで、
そんな人達に自分のしょうもない愚痴を聞いてもらうなんてできやしません。
ここでなら、聞いてもらえなくても相槌がなくても、
ただ文章で吐露するだけで、誰かが目にしてくれるであろう。
そういった意識があって思わず書いてしまいます。
こういう女々しいところが、しょうもないオッサンたる所以です。
建前で己を繕ったりしたくはないから、
みっともないところも含め本音を綴ります。
この性格が無神経さとなって相手を不快な気持ちにしてしまいます。
それくらい配慮できるようになれば、しょうもないオッサンから、
ウザいオッサンにレベルアップできるのではと思っています。