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SUNNY 強い気持ち・強い愛

2018-10-09 11:06:01 | 映画

先日の休みに映画を観てきた。

篠原涼子広瀬すず主演のドラマ、“SUNNY 強い気持ち・強い愛”だ。

原作は世界中でヒットした2011年公開の韓国映画、“サニー 永遠の仲間たち”。

それを元にした日本版リメイク映画。

監督はモテキ大根仁氏。

音楽担当は小室哲哉氏。

昨年引退を表明した小室氏の映画音楽での最後の仕事となってしまった。

キャッチコピーは、“大人になって、青春と再会した。”

 

 

予告編を観て衝撃を受けた。

BGMで使用されていたのが、安室奈美恵の SWEET 19 BLUES。

画面に登場するのは、懐かしいルーズソックスに茶髪、細眉毛のコギャルたち!

当時のコギャルたちも、現在では30代中後半から40のアラフォーだ。

自分も当時は二十歳前後で、90年代が青春時代だった自分。

懐かしさのあまり、公開されてすぐに観に行った。

 

 

 

専業主婦の奈美(篠原涼子)は、入院している母の見舞いで病院を訪れていた。

ドクターやナースがせわしく走っていく。

その先の個室の病室で、苦しみ叫ぶ患者を目の当たりにする。

その部屋の患者名の書かれたプレート。

それは懐かしい名前だった。

 

 

高校時代の親友、芹香(板谷由夏)と二十数年ぶりに再会する。

当時、仲間内でリーダー格だった芹香。

転校生で馴染めなかった奈美を目にかけてくれ、最初に友達になったのも芹香だった。

そんな芹夏は、持ち前のカリスマ性で、

女性ながら若くして成功を収め、複数の会社を経営する実業家になっていた。

しかし・・・病魔に侵され余命一ヶ月だという。

 

 

病室で当時の思い出を語る、奈美と芹夏。

90年代後半・・・バブル崩壊後であっても、震災やテロ事件が起こっていても、

それでも当時の女子高生たちは華やかで活気にあふれ、

いわゆる“コギャル”が街中を闊歩し、社会の中心だったあの頃。

そのまっただ中で青春を過ごした奈美と芹夏。

当時を懐かしみながら、芹夏がつぶやく。

「もういちど会いたいな~・・・サニーズのバカどもに!」

 

 

サニーズ・・・芹夏を中心とした、高校時代の仲良し6人組。

休み時間や放課後はいつも一緒で、つるんで遊んで、

毎日バカをやって騒いで、賑やかに楽しく過ごした日々。

しかし、高校卒業後、それぞれ離ればなれになり、皆 音信不通になっていた。

 

病院からの帰り道、奈美は余命一ヶ月の芹夏のために、他のメンバーを探すことを決意する。

唯一連絡先が判り、再会することができた梅(渡辺直美)。

奈美から芹夏の話を聞いた梅は、芹夏とも再会し号泣する。

あんなに頼れる存在だった芹夏が余命一ヶ月と知り、

梅も奈美のメンバー探しに協力することに。

 

探偵事務所を訪ねるふたり。

うさんくさくて頼りなさそうな探偵の中川(リリー・フランキー)に、

他のメンバー三人の捜索を依頼する。

 

 

すぐにひとり見つかった。

メンバーいち口が悪くて素行も悪かった裕子(小池栄子)。

美容外科医と結婚し、見違えるようなセレブとなっていた!

奈美と梅は裕子に芹夏のことを伝えるものの、

素行の悪かった過去を封印して医者と結婚した裕子。

芹夏との再会を拒み、奈美と梅の元から立ち去ってしまう。

 

残る二人の捜索は難航する。

ようやく見つかった、心(ともさかりえ)。

当時はブルセラショップに下着を売って、ブランド品で身を包んでいた心。

現在はワケ有りでスナックのママをやっているものの、

愛娘と離ればなれになり、アルコール依存症に陥って荒みきっていた。

心もまた、奈美に冷たく当たり、芹夏に会いに来てくれるような雰囲気ではなかった・・・。

 

 

最後のひとり、奈々(池田エライザ)だけはどうしても見つからない。

奈々はある事件がきっかけで行方不明になっていた。

会うたびに病状が悪化してゆき、刻々と迫る芹夏の死期。

はたして、SUNNYSのメンバーは再集結することができるのか?

 

 

 

面白かった。

ストーリーうんぬん以前に、時代背景がどストライクだったため、

90年代カルチャーの描写にクギ付けになってしまい、それらを懐かしむだけで楽しめてしまった。

世代が異なるひとが観ると、評価が下がってしまうだろう。

 

安室奈美恵をはじめ、久保田利伸TRFPUFFYJUDY AND MARYChara など、

BGMとして、劇中に当時のヒットナンバーが散りばめられていて、

どれもこれもCD持ってるわ~何べんも聴いたわ~とその都度感動する。

挿入するシーンもこれまた絶妙で、たまらなかった。

当時からずっとファンの、hitomiの曲もかかってビックリした。

ただ、サブタイトルにもなっている、小沢健二だけは知らない曲だった。

オザケンは聴いてなかったんだ・・・。

 

 

携帯電話ではなく、ポケベルやPHS。

デジカメもスマフォもなく、使い捨てカメラ。

シールがちっちゃい出始めの頃のプリクラ。

電話ボックスにべたべた貼られたテレクラのシール。

援助交際にブルセラショップ。

エヴァンゲリオンに熱狂する引きこもり。

ペットボトルではなく、まだまだ缶ジュースが主流。

コギャルにアムラー、パラパラ、ターンテーブルを回すDJ。

モテ男はキムタクファッション。

ダンスナンバーはTRF・・・etc.

当時の様々なカルチャーが詰め込まれていて楽しかった。

 

 

90年代の高校生時と、2018年の現在とで、

同じキャラクターを、それぞれ二人の女優さんが演じている。

篠原涼子演じる奈美は、広瀬すず。

板谷由香演じる芹夏は、山本舞香

渡辺直美演じる梅は、富田望生

小池栄子演じる裕子は、野田美桜

ともさかりえ演じる心は、田辺桃子

メイクで寄せられているのだろうが、それぞれ よく似ていてびっくりした。

篠原涼子と広瀬すずは似てないんだけれど、やっぱり女優魂だろうか?

同一人物に見えてしまうから凄い。

小池栄子と野田美桜ちゃんは、そっくり。

渡辺直美と富田望生は体型だけだけど、コミカルな演技でカバー。

 

 

広瀬すずと小池栄子、富田望生は、コメディアンヌぶりを如何なく発揮してくれる。

小池栄子は汚い言葉づかいと素行の悪さで本領発揮。

山本舞香ちゃんは多才ぶりを見せつけてくれた。

ほんのちょっとだけど、得意の空手を生かした?アクションシーンもある。

荒んだ演技がなぜだか格好良かった、ともさかりえ。

若い頃、どちらかといえば清純な役が多かったので新鮮だった。

 

篠原涼子はこれまでそんなふうに思っていなかったけれど、なるほど巧い女優さんだなと思った。

音楽プロデュースが小室哲哉で主演が彼女。

最後の最後に、自身のヒットナンバーでデビュー曲でもある、

“愛しさとせつなさと心強さと”が、かかると期待していたが、けっきょく流れなかった。

女子高生のファッションをして、安室奈美恵のDon't wanna cryを熱唱するシーンは必見。

それを娘役の松本穂香ちゃんに見られ、固まるシーンは笑えた。

 

 

脇役陣も豪華。

奈美の家族に、橋本じゅんキムラ緑子

震災をきっかけに淡路島から越してきた、関西の賑やか一家。

芹香たちと同じ、ルーズソックスなど、コギャルファッショが欲しくて、

お小遣いをねだる奈美とのかけ合いがいちいち面白い。

弁当に、ご飯の上にお好み焼きをそのまま乗っけていたが、

関西じゃ本当にあんな弁当つくるのかね?

 

奈美の恋の相手に三浦春馬

さらさらロン毛にキムタクファッションに身を包んだ、クラブDJ。

今でこそダサく感じてしまうが、当時は確かにこんなやつが多かった。

自分はキムタクが好きでなく、久保田利伸をマネて、ハードモヒカンのチョンマゲにしていた。

若い頃って、やっぱりムーブメントに合わせてしまうものだなあ。

 

 

モテキのときと同じく、ミュージカルなダンスシーンがある。

冒頭の、登校中のコギャルたちが、

久保田利伸のLA・LA・LA LOVE SONGに合わせ、リレー式にダンスするシーン、

ラストのオザケンの、強い気持ち・強い愛に合わせ、体育館で一斉にダンスするシーン、

それぞれ圧巻のシーンになっているので目を離せない。

 

 

アラフォー世代だと、男女関係なく間違いなく楽しめる映画。

当時のカルチャー、ヒットナンバーを思い出しながら、鑑賞して欲しい。

 

しかし、小室哲哉の引退はとても残念でもったいないなあという気持ち。

本人の好ましくない行為がきっかけだとしても、

しょうもないゴシップ誌にその才能をつぶされたとしか思えない。

90年代から2000年代初頭の音楽シーンを築いた彼の才華は、

ファンにとってずっと色あせることはないだろう。

 

 



2 コメント

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Unknown (Max)
2020-03-01 01:27:41
ともさかりえさんって確か中学生の時にブルセラでパンツとか体液とか売ってましたよね?FRIDAYかなんかで見た気がする。間違いだったのかなぁ。だってこの映画存在すらも知らなかったけど、そんな過去があったらこんな役するはずないよね?うーん
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ブルセラショップって何だったんでしょうね ()
2020-03-10 18:24:05
Maxさんこんばんは、コメントありがとうございます。
返事が遅くなり申し訳ありません。
 
うーん自分はそのゴシップ情報知らないですね。
ともさかりえさんって、デビュー当時あまり注目してなかったんですよね。
 
そんな過去があったとしても、女優魂で受けちゃうかもしれませんね。
それにそれをやってる高校時代の役は別の若い子が演じていて、
ともさかりえさんは現代の荒んだスナックのママ役だったので、
直接そんなセリフも描写もなかったので特に気にならなかったのかもしれません。
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