よろず戯言

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本能寺ホテル

2017-02-24 22:00:54 | 映画

先日の休みに映画を観に行った。

綾瀬はるか主演の歴史ミステリー、"本能寺ホテル"だ。

キャッチコピーは、"その日、本能寺で、歴史が変わった。"

 

 

初めてこの映画の予告編を観たときの印象、

綾瀬はるかに堤真一で、歴史モノ・・・?

なんか数年前に公開された映画、"プリンセス・トヨトミ"に雰囲気似てるな。

そう思っていたら、監督・脚本が今作と同一人物だった。

監督、鈴木雅之氏。

その名前を見て、えっ!?鈴木雅之って、あの鈴木雅之?

映画監督なんかやってたんだ!

そう驚いていたら、同姓同名の別人だった・・・。

グラサンに白手袋して顔黒く塗って歌ってた人じゃあなかった。

 

予告編でタイムスリップモノだと判る。

しかも戦国時代、本能寺の変前日!

綾瀬はるかがホテルのエレベーターを通じて、

1582年の本能寺へとタイムスリップし、織田信長に会うというSFモノ。

なんだか面白そうじゃないか。

似たような戦国タイムスリップモノで、

戦国自衛隊や、BALLAD~名もなき恋の歌~なんかがあったが、

どちらも面白かったし、この本能寺ホテルも間違いなく面白そう!

 

日本で最も有名で最も謎に包まれた出来事、"本能寺の変"。

なぜ明智光秀は信長に対し謀反を起こしたのか?

信長の遺体が見つからなかったのはなぜか?

羽柴秀吉の中国大返しは、なぜあんなに速かったのか?

日本史最大のミステリー、本能寺の変の謎が400年の時を越えて今明かされる!

そんな謳い文句に惹かれ、公開されてすぐに観に行った。

 

 

繭子(綾瀬はるか)は、婚約者の親に会うため京都へやって来た。

勤めていた会社が倒産し、突然失業。

特にやりたいことも見つからず、新しい職探しは難航。

「だったら、この機に結婚しよう」と相手に言われ、そのまま結婚することになった。 

婚約者の恭一(平山浩行)は仕事中のため、繭子はひとり京の町をぶらり散策し、

予約していたホテルにチェックイン・・・のつもりが、予約を1ヶ月間違えていた!

急遽、本日泊まれるホテルを探す。

国際的にも有名な観光地、京都。

即日泊まれるホテルなんか見つかるわけがない!

ところが、路地裏にそびえ立つ古びたホテルで部屋を取ることができた。

ホテルの名前は、"本能寺ホテル"。

 

フロントで鍵を受けとり、さっそく部屋へ行こうとエレベーターに乗り込む。

繭子がエレベーターに乗ると、ロビーに飾られている、

壊れて動かないはずの古びたオルゴールが動き出す。

エレベーターのなかで、さっき街中で買った金平糖を取り出して一粒食べる。

エレベーターの扉が開くと・・・!

 

 

見渡すと木造の古い建物のなか。

振り返るとエレベーターのドアがない!?

迷って廊下を歩いていると、髷を結った着物を着た若い男が現れた。

胃痛を訴えるその男に、持っていた胃薬を差し出す。 

胃の痛みが和らいで落ち着いた男は、繭子に一刻も早く立ち去れと言う。

この建物も着物姿の男も、何かの観光アトラクションだとばかり思っている繭子。

 

ここは1582年の京都、本能寺。

繭子を逃がそうとした男の正体は、あの織田信長の近習、森蘭丸(濱田岳)だった。

けっきょく他の者に見つかってしまい、異国の客人として、繭子はそのまま茶会に参加することに。

織田信長(堤真一)主催の京都の公家衆を招いての茶会。

その席で信長は、商人を恫喝して強引に茶器を我が物にしようとする。

その乱暴なふるまいに、繭子は思わず信長の前に出て行き、

異を唱えて茶器を商人に返してしまう。

激怒した信長は抜刀して繭子を追い掛ける。

必死で逃げる繭子、物置に隠れたとき、現代のホテルのオルゴールが再び動いて・・・。 

 

 

気が付くとホテルのエレベーターのなか。

ワケが解らない繭子。

フロントに居たホテルの支配人(風間杜夫)に、エレベーターがおかしいと告げ、

一緒にエレベーターに乗ってみたものの、ちゃんと自分の部屋の階に着く。

あのお寺での武士たちとの出来事は夢だったのか?

しかし、繭子がひとりでエレベーターに乗り、

ロビーでオルゴールが動き、金平糖を口に放り込んだとき、

またも、あのお寺に!

 

ホテルのエレベーターを通じて、繭子は1582年の本能寺へとタイムスリップしてしまう。

信長に追われていた繭子、家来に見つかり捕まってしまい、信長の前へ連れて行かれる。

そこで繭子は、目の前の男が織田信長で、ここが本能寺であると知らされる。

そしてこの日が、あの本能寺の変の前日だと知る。

目の前の人物が、明日の夜、明智光秀の謀反によって死んでしまう!

 

 

繭子は未来の東京・・いや江戸から来たのだと信長に説明する。

信長は繭子が落とした写真付きのチラシや、その言動でそれを疑うことなく信じる。

西洋の高度な文化に触れ、地球が丸かったことや、肌の黒い異国人が居ることを知った信長。

未来から来る人間が居るのも不思議ではなかろう。

そんなふうに器の大きな信長は、繭子の言うことに興味を示す。

 

繭子もまた、暴虐非道なイメージを抱いていた信長が、

「民のために天下統一を果たし、戦のない平和な世を作る。」

町中でそんなことを語ってくれて、親近感を感じていた。

だが、その信長は天下統一目前に横死してしまう!

明日の夜、明智光秀が謀反を起こす・・・。

この史実を信長に伝えなきゃいけない!

しかし、そうすれば歴史が変わってしまう!

 

 

仕事のこと結婚のこと、自分でなにかはっきり主張できず、

だからといって、自分が何をしたいのかも判らず、

そんな繭子だったけれど、信長のために必死になっていくうち、

だんだんと心のなかのもやもやが溶けていく。

 

 

まあまあ面白かったかな。

期待していたほどじゃあなかった。

もっとコメディタッチで笑えるのかと思ったが、

そんなものではなく、割と真面目な話だった。

ただ、予告編やらチラシやらで謳われていた、

本能寺の変の謎が解き明かされる!って、

まるで解明されていないし、その辺りは期待外れ。 

 

 

綾瀬はるかは安定感が抜群だ。

あんな超級の天然なひとが、どうしてこうも真剣にお芝居ができるのだろう?

堤真一の信長も良かった。

凄みのある演技も気さくな演技も、とても巧くて、こちらも安定感抜群だ。

あと濱田岳の森蘭丸は無理があるだろ!

そう思っていたら、劇中でも繭子にしっかりと突っ込まれていた。

「イメージと全然違う!」って。

まあ、森蘭丸自体、麗しい美男子で描かれることが多いけれど、

実際は大柄で毛深い豪快な男だったとも言われてるしな。

あ、どっちにしても濱田岳は森蘭丸のイメージじゃないな・・・。

 

 

ホテル支配人役の、風間杜夫も良かった。

真面目なホテルマン。

たった一人でフロント業務をそつなくこなす。

・・・って、実際 支配人自らがフロント業務に立つことあるの? 

大阪のおばちゃん集団にもみくちゃにされてヘロヘロになるシーンがあるが、

一番疲れたのは、「エレベーターに乗るとタイムスリップする!」と、

意味の解らないことを言う奇妙な客だったろうな。 

ラストはこの支配人が災難に・・・。

 

ホテルのエレベーターを通して、現代パートと戦国パートを往来し、交互に物語が進んでいく。

戦国パートでは、本能寺の変のことで奔走する繭子だが、

現代パートでは、マリッジブルーではないが、恭一との結婚に悩みはじめる。

そんな繭子の心境の変化と最後の決心も見どころ。

 

 

本能寺の変を扱っている割に、物語に壮大さはない。

大仰な謳い文句を並べておきながら、驚きも意外性も特になく、

ミステリー要素も皆無で、その辺りがレビューで厳しく評価されているようだ。

自分はというと、そんな不満はあまりなく、ふつうに楽しめた。

コメディの感覚で鑑賞に臨んでいて、

本格的なミステリーモノだろうと期待していなかったからかな。

綾瀬はるか,堤真一,濱田岳ファンは必見。

歴史ドラマ好きには評価が分かれるか。

ミステリーやSF好きには、物足りないだろうし、つまんないかもしれない。

 

いくら土産物だからって、

ちっちゃい金平糖が一袋500円(800円だったかも?)って、高過ぎだろ京都。

ただの砂糖の結晶だろ?

それから、食べかけのお菓子を赤の他人にあげるなよと。

でもって、それを食うなよと。

本能寺ホテルってホテルはないけれど、ホテル本能寺っていうホテルは実在するらしい。

ぶりぶり~、ぎっちょう!(うろ覚え)ってどういう意味?

 

 



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