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福岡県直方市福智山ろく花公園にて
以下の写真、表記のないものすべて同場所にて撮影
お盆を象徴する花といえば、ハスの花“Nelumbo nucifera” 。
言わずと知れた、レンコンの花。
穴の空いた、あのレンコンはハスの地下茎。
ハスの花はその上品で荘厳な姿から、古くから神秘的なイメージを抱かれ、
釈迦,ラクシュミなど、とくにアジア圏では、仏教,ヒンズー教などにおいて、
宗教にまつわる逸話が数多く、それに伴い、ハスの花をイメージした仏具や宗教用語などが数多く存在する。
仏教国である日本でも、この時期、なんらかの形で必ず目にする花である。
宗教では清楚さと浄化のシンボルとなっているハス
インド原産のハス科の多年草。
おもに池沼など水辺に生える水生植物。
水底の土の中で根塊が育ち、太くてしなやかな茎を伸ばして葉や花を付ける。
茎は太いが、中はレンコン同様に穴が空いていて軽い。
スイレンは水面に葉と花を浮かばせるが、ハスは水面よりもずっと高く茎を伸ばし、
大型種になると、ゆうに人の背丈を越す高さにまで茎を伸ばす。
水中からニョキっと飛び出た、大きくて丸い葉、
そして、これまた大きくてなんともいえない上品な雰囲気を醸し出す花。
こんな見た目からも、宗教の創生話に登場するのも解るような気がする。
つぼみの方が好きってひとも多いかもしれない。
うっそうとした湿地帯で咲くイメージをもっているひとも居るかもしれないが、
実際は、日当りの良い平地の池沼で育つ。
少数の株が、上品に伸びている光景を想像しがちだが、
水面を埋め尽くすほどにびっしりと生え広がり、暑い夏のこの光景は、けっこうむさくるしい。
花や葉を単体で鑑賞すると、それはそれは涼やかな印象。
花は開いたときよりも、つぼみの状態の方がふっくらしていて可愛いらしい。
グラデーションのかかった、薄桃色のカラーリングも可愛いらしさを増幅させる。
葉も大きくて、観葉植物にも負けず、見た目が実に涼やか。
ハスの葉は撥水性質があるので、トトロが傘に使っていたフキの葉みたく、
これを傘代わりにできないかとも思うが、実際には茎が弱くて無理なんだろうな。
ハスの葉
ハスの葉は大きくて丈夫なため、料理にも利用されている。
米や具材をくるんで、蒸し炊いたりする料理がある。
竹の皮が一般的だが、中国ではハスの葉を使ったちまき料理もある。
また、お供え物の敷物としても利用されており、
日本ではハスの葉を敷いて、その上にお盆のお供えものを置く風習がある。
最近はハスの葉は本物ではなく、ビニール製のものが売られていて、
菰(こも)や麻ガラと共に、ホームセンターやスーパーなどでセットで販売されていることが多い。
ハスの花が開くと、茶碗のような形状で大きく花咲く。
スイレンと異なり、ほぼ八重咲きで豪華な花を咲かせる。
花びらは、一枚ずつひらひらと落ち、最後に中心部が残る。
これがハスの花托(かたく)で、これもまたお盆の時期に切花としてよく見かける、
ハチの巣を逆さにしたような、あの物体だ。
知らないひとは、なにこれ?って思うんだろうな。
花が終わった後、花托は大きく成長し、その穴の内部には種を実らせる。
この種が熟する頃には、花托はすっかりと枯れてしなびれて茎が折れ曲がり、
種は再び水底にこぼれ落ちるというシステムだ。
ハスの花托
仏教徒の方以外には、あまり気にして見ることはないかもしれないが、
数多くの仏具にハスは大きく関わっている。
仏様が乗っている台座がハスの花だし、
常花,灯籠,瓔珞(ようらく)やロウソク消しまで、仏壇やお寺の、
いろんな場所にハス花をモチーフにした飾りが付いているのが判る。
また、お盆の時期にお供えする、落雁(らくがん)のセットにも、
必ずといっていいほど、花や葉,花托のいずれかの形をしたものが入っている。
子どもの頃、盆が終わって落雁を食べるとき。
花や葉はまだいいが、花托がこれに入っていたとき、
やっぱり、「なんこれ?」ってなって、
皆、ぶどうとか桃とかバナナとか、鮮やかな果物の形したものから取っていき、
この花托だけが最後まで残っていた記憶が・・・。
お堀を埋め尽くしたハス
大分県中津市 中津城にて
今日が“帰り盆”で今年のお盆も終わり。
盆休み最終日を迎えている人も多いのではなかろうか。
盆前激務な自分は、人より遅れての盆休み。
盆は終わっても、ハスの花の見ごろは福岡じゃ9月いっぱいまで続く。
レンコンの産地などでは、今、まさに壮大な景色が楽しめるのではなかろうか。
思った以上に背の高い植物なので、畑などでは鑑賞しづらい。
低品種が植えられた池や、鑑賞用の台なんかが設置されている場所へ行くと、よく鑑賞できるかも。
沼地であることが多いので、撮影に夢中になって、畦で足を取られたりしないように注意。
先日、畦に決壊している場所があるのに気付かず、そこへ踏み行って片足グシャグシャになったさね・・・。
以下、ちょうどいい咲き具合の写真がないけれど、ハスの花ギャラリー。
ハスのつぼみの上に止まったトンボ。
シオカラトンボのメスかな?
ハスの花のなかで、クモがハエを捕食していた。
虫にゃ殺生を禁じる仏教の花だとか関係ないからね。
ドラゴンクエストⅩの道具鍛冶で作ることができる家具、ハス花のランプ。
きれいなんだけど、全然売れないのよ。
カミハルムイ領などの水辺に咲く謎の花。
つぼみはハスっぽいんだけど、咲いた姿は全然ハスじゃないし、葉っぱはスイレンだし・・・。
その他、ブーナー熱帯雨林やミュルエルの森など、
ハスとスイレンが合体したような植物は見かけるのだけど、
ちゃんとしたハスは見つけられなかった・・・。
イナミノ街道などに生えているハスっぽい植物。
この生え方はハスなんだけど、葉の形が楕円で完全にサトイモだ。
※お盆の風習や仏具の名称などは、宗派や地域によって異なります。
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