先月から始めたガンダム記事企画、“宇宙世紀に散ったキャラクターたち”。
第二回は、前回の文末で予告していたとおり、恋に散った武骨な男、
「機動戦士Zガンダム」より、ヘンケン・ベッケナー。
反地球連邦組織、A.E.U.G.(エゥーゴ)所属の軍人、階級は中佐。
身長190cmほどの大柄で強面の男。
屈強な体格とその人相とは裏腹に、面倒見がよく温和な性格である。
一年戦争時は地球連邦軍所属でサラミス改級巡洋艦スルガの艦長うんぬん・・・と設定があるが、
某テーマパークのアトラクションでの後付け設定なので、自分はこの辺は関知しない。
部下からの信頼も厚く、またエゥーゴの指導者、ブレックス・フォーラ准将や、
クワトロ・バジーナ大尉こと、シャア・アズナブルからも頼りにされている存在。
反面、不器用でがさつな面もあり、とくに恋愛事情にひどく疎い。
なお小説版では、バツイチである。
当初エゥーゴの旗艦、アーガマの艦長を務めるが、
一年戦争時、ホワイトベースの艦長を務めていた伝説の人物、
ブライト・ノアがエゥーゴに参加したことにより、アーガマ艦長の座をブライトに譲り、
自身は新造戦艦、二番艦のラーディッシュの艦長に就く。
ブライトからも厚い信頼を得、アーガマとラーディッシュが艦隊の中心となり、
ティターンズ,ネオ・ジオンとの厳しい戦闘をくぐりぬけてゆく。
エゥーゴの主要人物として、ブレックスやクワトロ,ブライト、
出資者である、ウォン・リーらと共に、作戦会議や外交取引などにも参加。
とくに、ネオ・ジオンの摂政、ハマーン・カーンと接触して取引する際には、
クワトロですら頭を下げて、対ティターンズ共闘を懇願するなか、
こちらの足元を見て上から物言うハマーンに対し、苛立ちを隠さずに意見する場面も。
ティターンズから寝返って、エゥーゴに参加した女性パイロット、エマ・シーン中尉。
ヘンケンはパイロットの腕は一流で、実直で凛としたエマ中尉に惹かれる。
何かとエマ中尉に近づき、お茶に誘ってみたりと、彼なりに口説こうとするも、
タイミングが悪かったり、選ぶ言葉を誤っていたりと、どうにも不器用でうまくいかない。
コロニー落とし阻止のため、核パルスエンジンを攻撃する作戦では、
その作戦に参加するエマを気遣い、出撃前に呼びとめて思わず発する名台詞がある。
「放射能汚染で君が赤ちゃんを産めんようになったら・・・。」
本人はエマを気遣い、必死に発したのだろうが、あまりに露骨で空気の読めない求愛表現。
「私、結婚は考えていませんから・・・。」たまらずその場から逃げるエマ。
失言だったと気付き、バツが悪そうなヘンケン・・・。
グリプス戦役終盤には、アーガマ所属だったエマを、
自身の艦、ラーディッシュへ配置転換するほど。
このとき、ヘンケンとエマは一緒に居ることが多かったものの、
相変わらず不器用なヘンケン、なにかとはぐらかして逃げるエマ。
けっきょくそれ以上の関係になることはなかった。
ブリッジのクルーは情けないヘンケンに、いつも笑うのだった。
劇場版では少しだけ、ふたりがいい関係になっている描写もある。
戦争の最終局面、ティターンズの切り札であるコロニーレーザー、グリプス2をめぐる戦いが始まる。
その戦い、メールシュトローム作戦のさなか、エマ中尉の駆るガンダムMk-Ⅱが、
ジュピトリス所属のパイロット、ヤザン・ゲーブル駆るハンブラビから集中攻撃を受ける。
被弾して戦闘不能になり、小惑星の隙間に隠れるエマ中尉のガンダムMk-Ⅱ。
同じ宙域に居た、ラーディッシュはエマ機の危機を確認。
エゥーゴ艦隊の先鋒として、グリプス2奪取作戦の任務を遂行中だったが、
エマ中尉を見捨てるわけにはいかない!
クルーの後押しもあって、ヘンケンはエマ救出を決断。
「ラーディッシュを盾にしろ!」
MA形態で小惑星に突撃し、今まさにエマ中尉のガンダムMk-Ⅱへ、
とどめを刺そうとしていたヤザンのハンブラビ。
不意に大型艦が射撃しながら横から突っ込んできた。
標的をガンダムMk-Ⅱから、ラーディッシュに変更するヤザン。
大きく反転し、ラーディッシュへ突撃する。
その頃、ラーディッシュのモニタに、エマ中尉からの画像通信が入る。
「ヘンケン艦長!無茶です!!撃沈されます!!」
エマ中尉は自分をかばい、ラーディッシュが盾になってくれているのを悟っていた。
次の瞬間、ラーディッシュはブリッジに直撃を受ける。
その爆風で全身に傷を負って、壁に叩きつけられるヘンケン。
「エマ中尉・・・。」
エマ機が無事であることを確認し、ヘンケンは絶命する。
最後の最後まで恋に不器用だったが、その想いは命を投げ出すほど熱いものだった。
彼のおかげで命拾いしたエマ中尉だが、
この直後、エゥーゴからティターンズに寝返ったレコア・ロンド駆る、パラス・アテネと交戦し、
さらにその後ヤザンの攻撃によって致命傷を負い、カミーユに見届けられながら息絶えることになる。
Zガンダムの主要キャラとして、一話から登場。
カミーユやファ,レコア,カツなど、若いパイロット達を指導し、
クワトロやブライトらとともに、幹部として常に作戦の中枢に居た。
エマとのやりとりで、時折見せる滑稽なシーンは、彼の強面キャラにミスマッチで、
暗い部分の多いZのストーリーのなかで、ひときわ印象に残る。
このグラサンとうすらヒゲのラーディッシュのオペレーターコンビ、好きだったな~。
アーガマのトーレスやキースロンと異なり、毎回登場したのに名前の設定がないんだよな~。
想い人とはいえ、たったひとりのパイロットを守るために、
作戦を放棄して貴重な艦と多くのクルーを巻き添えにしてしまう、
無能としか言いようがない行動だと思っていたが、
よくよく観直してみると、彼は直前まで悩み苦しんでいたが、
周りの部下たちの後押しがあって、エマ機救出に向かった描写になっていた。
とくに劇場版だと、ヘンケンがまだ悩んでいるうちに、
命令なしに、ブリッジクルーたちが独断でエマ機を救出せんと行動していた。
ラーディッシュのクルーがこう動いたのも、
エマ中尉がクルー達から大事に思われていたのもあるだろうが、
ヘンケンが部下に慕われていたからこそだろう。
また今回記事を書くにあたって、当時映画館で一度観たきりだった、
劇場版ZガンダムⅢ~星の鼓動は愛~を観直した。
ブライト中佐から、カツをラーディッシュで預かってくれないか?と相談された際、
交換条件として、エマ中尉も一緒にラーディッシュに転属させることを要求する。
その場に居たクワトロも、ヘンケンがエマ中尉に好意を抱いていたのを知っていたから、
ため息をついて呆れながら、「脈は保障できんぞ。」とポツリ。
それに対して退室しながらヘンケンの返した言葉。
「脈を作るのが男の甲斐性ってモンだろ!?」
こんなカッコイイ台詞発してたんだな~。
ちょっとテリーマン入ってるな。
不器用だけど、最後はちょっとぶざまだったかもしれないけれど、
愛のために死す男、なかなかに粋なキャラクターだ。
次回は、建前で若き上官に従うも、それを踏み台に のし上ろうとしていた運のなかった野心家。
コスモフリートコレクション、グリプス戦役編のラーディッシュ・ダメージVer.。
ブラインド(どれが入っているか判らない)にも関わらず定価880円!
精巧にできたノンスケールの戦艦がラインナップされていた。
ちっちゃなガンダムMk-Ⅱが付いていた。
当然、エマ機だろうな。
カタパルト等、被弾した跡がリアルに再現されている。
これはヤザンに撃沈される直前だろうか。
SDガンダム カードダスのラーディッシュ。
SDガンダム外伝では、軍事国家アルガス王国所属の戦士として登場。
戦士部隊を率いているのは、闘士ダブルゼータガンダム。
キラカードだ!
そしてそのアルガス騎士団を率いているのが、国王のブレックス。
その息子が、カミーユ王子で・・・。
王子の恋人が敵国、ムンゾ帝国の姫君、ユィリィ姫。
ユィリィ姫の父親、すなわち敵国の王が、コンスコン・・・。
SDガンダム外伝の、この原作とまったく脈絡のない相関が実に魅力的だった。
おお、第二回はヘンケン艦長ですか~!
恋に散った武骨な男・・納得です!
メインキャラとして出場回数は多いですが、
前回「マチルダ」さんの程に、キャラの名前がすぐ出る人はどの程度か?
ヘンケン艦長、多少はエマさんと進展してほしかったですね~。
恋に関しては可愛らしいキャラでしたし、結構長く続いてましたから。
富野作品に出演してしまったが為に、残念に終わったと言う事か?
最後の壮絶なシーンとエマさんの叫びは、リアルに見ていた時から
結構頭に残っていたシーンでしたね。
そのヘンケン艦長のラーディッシュも好きな艦でした。
アーガマが目立ちすぎるのは仕方なく、地味な存在でしたが、
私は地味な方が良い!!
(ガディ艦長に交代した以降のアレキサンドリアも好きだったり・・)
で・・上で、ヘンケン艦長の名前が出るかと書きましたが、
中の人が「小杉十郎太」氏で、Zのナレーターも兼ねていたと知る人は
さらに少ないのではないか?(いや、"ガノタ"なら常識か?)
「小杉十郎太」氏も今ではかなり名の知れたベテラン声優さんですが、
今回Wikiで改めて調べると、
声優デビュー作は、まさしくこのZのヘンケン艦長だったんですね~!
これは、私も今回始めて知りました!!
ちなにみ、結構ガンダムコレクション持ってられるのですね!
※これ、武さんのコレクションですよね!
プラモなら有りそうですが、この手の商品やカードに
ラーディッシュが有るとは・・
次回・・何人か候補は居るのですが・・あの人かな?
ではでは~♪
マチルダさんに続き、ヘンケン艦長にもコメントありがとうございます。
男キャラだからコメントもらえるとは思っていませんでした。
ヘンケン艦長は割とメジャーなキャラで、
マチルダさん並に認知度もあると思っています。
名前も特徴あるので、ガンダム好きならば、
パッと出てくるのではないでしょうか?
あそこでエマ機を見捨てていれば、
ラーディッシュは最終戦を生き延びたかもしれません。
だけど、やはり見捨てるわけにはいきませんよね。
ヘンケンでなくても、どうにかしようと行動したかもしれません。
ラーディッシュはヤザンによって落とされるわけですが、
そのまま爆発せずに、ちょっと間をおいて、
ジェリドのバウンド・ドックを道連れにするんですよね、
あの辺の執念のようなものが好きです。
モトラッド艦隊を全滅させたVガンダムのジャンヌ・ダルクとかも。
ラーディッシュは自分も好きな艦です。
やはりどことなくホワイトベースみたくアニメデザインなアーガマよりも、
スタイリッシュで渋いカラーリングのあのデザインが好きです。
ティターンズのアレキサンドリアもいいですね。
あとハマーンの乗艦サダラーンも好きです。
ジュピトリスはカッコ悪・・・そもそも輸送艦だからしょうがないか。
小杉十郎太さんの名前は洋画の吹き替えや、
バラエティのナレーションなどでよくそのクレジットを見かけます。
ただヘンケン館長およびZのナレーションのひとだという、
認識はありませんでした。
自分実はあまり声優さんに詳しくないんですよね。
この辺、“ガノタ”であっても“アニヲタ”に非ずってとこでしょうか。
というかZのナレーションがピンとこない・・・。
ファーストの波平・・じゃなくてドレンや、
Vのシャクティ、0083のデラーズ閣下は印象に残っているのですが。
グッズはすべて自分のコレクションです。
カードやプラモ、ガシャポンなど中学のときから集めていました。
それを未だにずっと大切に保管しているんですね。
ちなみに戦艦ってほとんどプラモになっていません。
ファーストはそこそこキット化されましたが、
Zではアーガマのみ。
それ以外では0083のアルビオン、ラビアンローズくらいかな。
次回のキャラはたぶん想像している人とは違うと思います。
この予告文だと別の有名なキャラと被ってますんで・・・。
ヒントは“運のない”というくだり。
これで判れば相当なマニア。
その後の
ヘンケン「中尉が無事なら良い!」
このヘンケンの台詞↑も載っけて欲しいな。。。
コメントありがとうございます。
最期の印象的なやり取りのシーンですね。
この記事書いた頃は、このシリーズを始めてまだ二回目で、
あまり細やかにストーリー詳細を記事にしていなかったんですね。
ヘンケン艦長みたく、長期間レギュラー出演していたキャラになると、
とんでもなく膨大な文章になると思い、
わざと端折って大まかにしか記事にしませんでした。
とはいえ、その台詞は入れるべきでしたね。
あと個人的に入れるべきだったと後悔したのが、
アンマンでハンバーガーショップの店長やってたやつ。
あれを載せ忘れたのは失態でした。
>師子乃さん
自分が後からアニメに入ったクチですが、
カードダスやガシャポンを集めていた頃から、
キャラクターの登場作品や相関などは把握していたので、とくに混乱はしませんでした。
カミーユとブレックス准将なんか、
フランクリン・ビダンが登場するまで、
父子だと勘違いしてしまうひとが居るかもしれませんね。