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ホテイアオイ

2012-09-14 01:02:06 | フラワー・園芸

夏期に水辺に群生する植物、ホテイアオイ(Eichhornia crassipes Solms-Laubach)

明治時代に観賞用として持ち込まれ、睡蓮鉢などで栽培され楽しまれてきた。

深い緑色した光沢のある、ロゼッタ状の葉を水面に広げ、

春から夏にかけて、株元から四方にランナーを伸ばして子株を増やし、

ときに河川や池沼の水面を覆い尽くすくらいに増殖し、一大群生を形成する。

 

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ホテイアオイ

 

この植物の特徴は、なんといっても、ぷくっと丸く膨らんだ葉柄の形。

葉柄の内部に空気を取り込んで膨らみ、水面に浮かぶようになっている。

この形状が七福神の布袋の腹に見立てられ、ホテイアオイ(布袋葵)と名付けられた。

 

ふだん目にする個体は水面に浮かぶ、“浮き草”の状態で、

水中に、黒くて固いヒゲのような根をわさわさと伸ばす。

このヒゲ状の根は、水中の養分吸収のみならず、

水面に浮かぶ株の姿勢制御の役割も担っているという。

 

Photo

ぷっくりと膨らんだ、ホテイアオイの葉柄

 

水深がごく浅い場所などで、ヒゲ状の根の先端が底まで到達して地面に触れると、

今度は株の中心から白く太い根を伸ばし、土に活着しようとする。

土に活着すると、今度は水中よりも豊富な養分を土中から吸収し、

株は背丈もグンと伸び、大きく成長する。

この際、浮き袋の役割をしていた葉柄はだんだんとしぼみ、

うちわのような丸みを帯びた葉は細長く形を変えて、

完全に根が土に活着すると、やがて膨らみはしぼんで無くなってしまう。

 

こうなると鑑賞価値がなくなるように思えるが、

この状態の葉は、サラセニアのようにスッと上に伸び、

生き生きとしていて力強く美しく、これはこれで観葉植物としてアリだと思う。

現に土に植えられ、鉢上げされたものが市場に出回ることもある。

当然、葉柄の膨らみはないが、鉢上げしていれば、室内に取り込んでの冬越しも可能だ。

 

夏にはブルーの美しい花も咲かせる。

株の中心からいびつに伸びた花柄から、段々に淡いブルーの花が咲く。

その花姿は、春の花壇花としておなじみの、ヒヤシンスに似ており、

ホテイアオイの英名は、“ウォーターヒヤシンス”となっている。

 

Photo

ホテイアオイの花

 

冬の寒さには弱く、夏に群生していたホテイアオイも、

冬の到来と共に、枯死して姿を消してしまう。

だが、わずかでも株の一部が生きて冬越しをすれば、翌年また大繁殖してしまう。

この繁殖力の旺盛さから、野生化した一部地域では、

大量に増えたホテイアオイが河川の流れを塞き止め、ダムや堰に溜まったりして、

農業用水の供給を滞らせたり、漁業被害を及ぼしたりしている。

 

水面を覆い尽くしてしまうため、水中へ日光を遮断してしまい、

それによって在来種の水草や水棲生物への影響も懸念されており、

環境省から要注意外来生物として指定されている。

今後の調査で在来種を排除していたり、自然環境への影響が大きいと判れば、

特定外来生物として指定されかねない。

数年前に特定外来生物に指定された、

同じ浮き草の、ウォーターレタス(ボタンウキクサ)の二の舞になってしまう。

 

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ホテイアオイの群生

 

だが近年は、屋上緑化やビオトープなどにも活用され、

また、水の浄化能力が高いといわれており、

水質の芳しくない河川やため池などに、投入されることもある。

メダカやタナゴなどの小型魚類には、

群生したホテイアオイの根が、格好の棲み家となり、

隠れ場所や産卵場所として利用されている。

邪魔者扱いされる面もあれば重宝がられる面もある、二面性を持つ植物だ。

 

これから涼しくなり、花期も終わりを迎える。

美しく生い茂っていた葉も、だんだんとつやがなくなり、

バッタやヨトウムシに食い荒らされたのち、

木枯らしが吹く頃には、完全に枯死する。

その枯れた株が水面をただよい、沈み、これがまた大量に溜まって、

生い茂っていたときと同じくらいに、河川や池沼をよどませる。

 

ため池や調整池などで、作業員らがボートに乗り、

必死にこれをすくい取っている光景を見ることがある。

野生化したものは、やはり邪魔者なのかもしれない。

栽培する際は、増えた株を安易に自然に投棄しないよう心がけたい。

 

 

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YouTube: CHANGE YOURSELF!

CHANGE YOURSELF!/布袋寅秦

“ホテイ”ということで、布袋寅秦・・・。

彼の曲で一番好きなのがこの曲でシングルCDも購入した。

探し回ったけれど、PVが見つからなかったのでこれで・・。

演奏は4分30秒辺りから。

昔は滑稽にしか見えなかった彼のパフォーマンスが、

今ではすごく格好良く感じてしまう不思議。

 

 

 

 

 

 



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