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"ゴジラ"。
日本が生んだ、世界で最も有名な大怪獣。
先日、ゴジラ映画最新作、"シン・ゴジラ”を観た。
1954年公開の"ゴジラ"から数え、日本製のゴジラ映画としては29作目。
シリーズとして半世紀以上の歴史を持つ特撮映画だ。
自分が過去に観た映画のパンフレットと前売券の半券。
ゴジラVSモスラだけパンフがなかった・・・。
そのゴジラ映画のこれまでの作品に関する、
多数の資料を展示した展覧会が、福岡市美術館で開催された。
その名も、"ゴジラ展 大怪獣、創造の軌跡(あしあと)"。
前々から観に行きたいと思っていたけれど、
息子との映画の約束や、入院などで思うように時間がとれず、
終了も間近となったこの夏最後の日曜日、ようやっと行くことができた。
本当は、九州国立博物館で開催されいてた、東山魁夷展にも行きたかったが、
こっちも今月28日で終了してしまう・・・大宰府市と中央区・・・
両方をハシゴすることも考えたけれど、悩んだ結果、東山魁夷は諦めてゴジラを選んだ。
福岡市美術館
日曜日、いつものように朝6時半には起きて、
ガンダムユニコーン~ポケモンの家あつまるまでテレビを観て、
すぐに出かける用意をすれば、開館時間の9時半には到着できる。
だが、どうも風邪をひいたみたいで体長が芳しくなく、少し横になる。
気付くと、午後1時!
いかん!!
慌てて準備して出かけたが、途中、飯塚市の八木山バイパスで大渋滞。
市内はスムーズに走れ、美術館に到着したのは既に午後4時近くだった・・・。
段ボールで作られたゴジラ。
大抵午後5時くらいで閉館になってしまうが、
夏休み期間中ということもあり、開館時刻は午後5時半まで延長されていた。
それに会期中最後の日曜日ということもあってか、さらに30分延長されていた。
到着が遅くなってしまったけれど、これなら時間を気にせずに鑑賞できるな。
一階のエントランスでは、段ボール製のゴジラがお出迎え。
大中小、3体の精巧に組み立てられたゴジラが並んでいた。
撮影可能だったので写真に収めた。
右が小で左が中。
なんで、大中小並べていたのかは謎。
二階がゴジラ展の会場。
階段を上ると・・・チケット売り場に行列が!
これは・・・ゴッホ展のときと同じくらい並んでいる・・・。
いや、会場の規模が違うし、
チケット売場の窓口の数も圧倒的に違うので単純に比較はできないけれど、
こんな遅い時間に、これほどまでに人が並ぶなんて・・・。
自分の前は若いカップル。
後ろは、自分と同じかちょい上くらいの男ひとり。
「もう4時ですけど、こんなに並んでちゃ観る時間ないですよね?」
そばに居た係員に、ちょっと不満げな口調で訊ねていた。
「6時までなので大丈夫ですよ~。」と言われ、少し安心していたよう。
前のカップルは、楽しげに色々会話しているが何を話しているのかは判らない。
女性の方、真っ黒のシックなワンピースに、パールのネックレス。
これ、どうみてもフォーマルですよね?
法事帰りか何かで、彼氏と合流かしら?
そんなことを考えながら順番を待つ。
細かく描かれたミニチュアセットの設定画。
「ここから博多駅までの時間!」
いきなり後ろの男がつぶやく。
スマフォに向けて喋っている。
「イマカラ16プンゴニ、シュッパツスル・・・」
なんか機械の声が応答している。
ああ、あれだ、CMとかでやってるやつな。
スマフォとは無縁の生活しているから、いきなりやられたらビビるわ。
この男性、どこか遠方から来ているのかな?
制作するミニチュア(国会議事堂)の設計図面と実際の制作現場。
破壊する部分などは使用素材が異なるようで、赤書きされている。
チケットを購入し、会場入り口へと向かう。
だが、そこもまた長い行列。
チケット買っても、すぐに会場へと入れないのだ。
入口の向こう側は、ポールで仕切りがされていて出口になっている。
あっちはグッズ売り場で列ができている。
細かく設計された東京タワーのミニチュア設計図と制作過程。
ライトアップされて、本物と見紛うほどだが、これもミニチュアだ。
まずはゴジラの歴史からスタートする。
1954年の初代ゴジラから、2004年の"ゴジラ FINAL WARS"まで、
その時のゴジラの顔のアップ,映画のポスター,解説文のパネルが並ぶ。
順を追って、ひとつひとつじっくり観て読んで行きたいけれど、
人でごった返していて、それも叶わない。
しかも子ども連れが多いので余計、ゆっくり鑑賞できない。
「ゆうと!」
どっかで子供を叱る母親の声が聞こえる。
おいおい・・・ここ美術館だぜ?
小学生くらいなら判るんだけど、未修学児やら乳飲み子やら連れてきている親が解らない。
ベビィカーで美術館に来る?
ただでさえ狭い順路を、塞いでるんだもの。
アンパンマンとかドラえもんのファミリー向け、幼児向けの展覧会ならそれも許せるんだけど、
どうみても大人向けのこの展覧会に、そりゃないよと・・・。
ミニチュアセットでの撮影シーン。
CG世代では、こんな光景、考えられないのだろうな。
過去最大のミニチュアセットは、ゴジラVSメカゴジラで死闘の舞台となった幕張。
次に現れたのは、アクリルケースに収められた、
古めかしい潜水用のヘルメットと、カプセル状の金属の物体。
ゴジラファンならば、一目見てそれが何だか判るはず。
自分はそれを見た瞬間、興奮して心のなかで叫んだ。
「オキシジェン・デストロイヤーだ!!」
第一作のゴジラで、対ゴジラの切り札として使用されたオキシジェン・デストロイヤー。
劇中で使用された実物が展示されていた。
これを開発した芹沢博士は、自ら潜水服をまとって海中に潜り、
ゴジラの足下でこれを起動させ、見事ゴジラを葬るという超兵器。
だが、自らが開発したオキシジェン・デストロイヤーが戦争利用されることを懸念して、
それを作りだすことができる己自身も、ゴジラと共に海に消える。
子供ながらに、この初代ゴジラを観て、反戦・反核のメッセージを強く感じたものだった。
ゴジラVSキングギドラでは福岡が激戦地となった。
できたばかりの東京新都庁も破壊された。
そして膨大な量の資料が展示される。
絵コンテや怪獣や兵器のデザインイラストから、
方眼紙にびっしりと描かれた、情景模型の設計図、
ゴジラ達が暴れるミニチュアセットのデザインやビルなどの配置図、
東京タワーなどが破壊されるシーンでは、それを倒壊させるシミュレーションまで細かく書かれている。
ポスターの原画や、撮影シーンのパネルまで、往年のゴジラファンにはたまらない内容。
ゴジラVSスペースゴジラでも福岡が激戦地に。
福岡のランドマーク、福岡タワーも木端微塵にされる。
自分と同じか少し若いくらいの父親が、小学5年生くらいの息子に熱心に説明している。
「これがへドラ、水質汚染でヘドロが溜まって、それから生まれた怪獣。」
「これがガイガン、手のカマとお腹のカッターで攻撃してくる。」
「これが・・・あれやね、なんとかロボ・・・ゴジラの仲間だったはず。」
ジェットジャガーじゃ!
ガイガン知っていて、なぜこの名前が出て来ん!?
そんな突っ込みを入れる。
ゴジラVSスペースゴジラに登場する、二代目モゲラ。
基本デザインやシルエットは元祖を踏襲しているが、細部のデザインやディテールはかなり変わっている。
「ヤバァ!!見てこれ、ヤバイ!!」
「うわぁ、ホントやん、マジヤバイ!!」
中学生か高校生くらいの女の子ふたりが興奮してパネルを見ていた。
なにがやばいんだろう?と思ってみてみたら、モゲラ。
初代モゲラのずんぐりとしたデザイン画を見て、「ヤバイ」を連呼してケラケラ笑ってる。
今の十代の子にゃ、あのデザインはアナクロニズム過ぎて滑稽に見えるかもしれないな。
この女の子ふたり、昭和の怪獣や兵器を見ては、
ふたりで突っ込みいれながらケラケラ笑っていた。
箸が転んでも笑う年頃か・・・。
ミニチュアを蹂躙するモスラ。
電柱も植えこみもバイクも、CGでなく、全て精巧に作られたミニチュアだ。
がれきも、倒れた電柱も折れた標識もひっくり返った車も、ぜんぶミニチュア!
しかし、よく見ると来ている人達の世代が幅広い。
70過ぎているであろう年配の方から、新生児まで(連れてくるなよ・・・)。
子供は親が連れてくるから、まあ居ても不思議ではないけれど、
10代,20代の観客が多かったのは意外だった。
観客のメイン層は中年から壮年で、
そのなかでも自分くらいが最低ラインだと思っていたが、シン・ゴジラの影響かしら?
夏休みで子供連れが多かったからか?
若い世代が多かった。
ゴジラ×モスラ×メカゴジラでの、メカゴジラのドック。
CGのように見えるかもしれないが、これも全て模型。
制作風景。
ドック内の重機など細部まで作り込まれている。
20前後のニイちゃん、カバンをかけてリクルートスーツで鑑賞していた。
就活か何かで福岡へ来たついでに、寄ったみたいな雰囲気を醸し出していた。
熱心にひとつひとつ、解説文を読んでまわっていた。
そんな好青年を見ていたら、また遠くで怒鳴る声。
「ゆうと!」
また、ゆうと怒られてるよ・・・。
人が多いので、ゆうとが、どんなガキなのか確認はできない。
モスラ飛行シーンの撮影風景。
雨や霧、煙や爆発、それらも全て実際に効果演出して映像に収める。
ゴジラファンにはおなじみの、対ゴジラ兵器、
メーサー戦車やスーパーXの実際に撮影で使用された模型も登場。
ちょうどこれらが登場する、平成ゴジラをリアルで観た自分としては、これはたまらない。
それから、小さいけれどリアルなビオランテの模型に釘付けになる。
自分がいちばん好きな怪獣は、ビオランテ。
これの精巧にできた模型、2万くらいならば買ってもいいと思った。
途中、ミニチュアのなかで自分を合成して写真が撮れるってコーナーがあったけれど、長蛇の列だったのでスルー。
いちばん好きな怪獣、ビオランテ。
バラの細胞とヒトの細胞、そしてゴジラの細胞、"G細胞"から生み出された究極の怪獣だ。
後半はゴジラやメカゴジラ,モスラ,それにゴジラの宿敵、キングギドラなどの、
実際に劇中で使用されたスーツが展示されていた。
キングギドラの迫力が凄まじい。
いくつか写真撮影OKだったので、撮影した。
ここだけは、チビッコも興奮して見入っていた。
ただ泣き叫ぶ女の子なんかも居て・・・。
親が苦笑いしながらあやしていたけれど、そりゃ泣くやろ・・・。
ラストには、シン・ゴジラ版の最新ゴジラも登場。
やっぱり大人気で、撮影する人だかりができていた。
スペースゴジラの着ぐるみ。
撮影可能だった。
会場を出て、グッズ売り場へ。
あまりグッと来るものがなくて、今回の展覧会に合わせて発行されたという、
特撮現場の写真集を購入。
展示図録みたいなの販売していて欲しかった・・・。
清算していたら、また聞こえてくる女性の叱るこえ
「ゆうと!いい加減にしなさいよ!!」
ホント、いい加減にせえよ、ゆうと、悪そだな。
購入した現場特撮、写真資料集。
シン・ゴジラ版、最新のゴジラ。
CGなので着ぐるみは存在しないが、そのサイズで作られたフィギュアが展示されていた。
撮影OKだった。
破壊された東京駅のミニチュア。
間近で精巧な出来を確認できる。
撮影OKだった、
このゴジラ展、8月31日まで開催され、
それを最後に、福岡市美術館はリニューアルオープンまで3年近く休館に入る。
そうして、この最後の展覧会となったゴジラ展。
その告知CMがすばらしい。
"福岡市美術館、最後の攻防"、そんなうたい文句でゴジラに木端微塵にされてしまう美術館。
今の建物が壊され、建て替えられるのであろう。
ベストタイミングでこの企画展。
それで、このCMを企画したひとはなかなかセンスあるなと。
ゴジラ展告知映像(開催中ver)
いやあ、東山魁夷を捨てて、こっちを見に来て正解だったかもしれない。
人が多くてゆっくり鑑賞できなかったけれど、それでもゴジラの特撮の世界を堪能できた。
先日観た、最新作のシン・ゴジラ。
スクリーンでは1994年に公開された、"ゴジラVSスペースゴジラ"以来、22年ぶりにゴジラ映画を観たのだが、
子供の頃、若い頃に観たそれとは大きくかけ離れた作品で、ちょっと違和感を覚えてしまった。
敵対する怪獣,空想科学兵器,超能力,宇宙人・・・そういったものがまったくなく、
あくまでも仮想物はゴジラオンリーで、リアルに徹していたことも違和感を感じた理由のひとつであるが、
やっぱり違和感の最大の理由は、フルCGだったことだろう。
ゴジラはやっぱり、生身の役者さんがなかに入って演じ、
精巧にできたミニチュアを次々に破壊していくところが醍醐味なんだと思う。
もはや、そんな時代ではないことは重々承知しているのだけど、
もうこういった手法で、新しい怪獣映画は観られないと思うと、寂しくてしょうがない。
福岡市美術館の現在の建物も見納め。
福岡市 ゴジラ
またこれ貼っておく。
一度聴いたらクセになる。
ゴジラは詳しくないのですが、
最後の歌を聴いてたら、なんか洗脳されそうになりましたo(^q^)o
ゴジラに詳しくないということなので大丈夫だと思いますが、
思わず口ずさんでしまうようになりますので注意が必要な歌です。
メカおんじは、家庭教師のトライのCM辺りで、
そのうち本当に登場しそうですね。