自分は豆乳という飲み物が大嫌いだった。
子供の頃、近所の友達が、美味しそうにチューチューしていた※のを見て、
自分も飲みたくなって、買い物に付いていった際、お母んに頼んで買ってもらった。
買い物から帰ってきて、さっそく、飲み口を切って、チューチューしてみると・・・・。
「まっっず!!!!」
豆腐の汁か?
(平たく言うとそのとおりだが)
とてもじゃないが、飲みきることは不可能だった。
だが、お母んにねだって買ってもらったのに、残すわけにはいかない。
しょうがなく、お椀に開けて、醤油をかけて飲んだ・・・・。
液体冷や奴だった。
あれから時は流れ・・・。
豆乳を飲むことはなかった。
豆乳鍋やしゃぶしゃぶは食べたことがあるものの、
飲み物としては、敬遠していた。
だが、十年ほど前から、イソフラボンがどうのとか、大豆由来の商品がもてはやされている。
豆乳も脚光を浴びていて、色んなメーカーからスタイリッシュなパックになって、
色んなテイストの豆乳が販売されている。
しかし、子供の頃のあの液体冷や奴のトラウマで、
やはり豆乳に手を出すことはなかった。
数ヶ月前のある日、子ども二人と近所のスーパーで買い物をしていた。
飲み物売り場で、乳飲料を物色していると、
「あたしこれすき~!」と、娘が、豆乳を手に取った!
紙パックには、「調整豆乳」と書かれてあり、黄色のパッケージでバナナ味だった。
最近のものは子どもでも平気で飲めるくらい、飲みやすく“調整”されているのか?
試しに、何のフレーバーも加味されていない、スタンダードの緑色のものを購入して飲んでみた。
紀文製造で、キッコーマンから販売されている。
キッコーマンっつうと醤油だが・・・。
・・・美味いじゃないか!?
豆腐の臭み・・・いや豆乳らしさがほとんど感じられない。
醤油も要らない!
なめらかで、ほんのり甘くて、実に飲みやすい。
すっかりこの調整豆乳が気に入って、新味を見つけるたびに購入するようになった。
中央のフルーツ3種は、違和感もなく美味しい。
両端の抹茶とココアは飲む前に警戒したが、
なんのことはない、抹茶オレとミルクココア。
この類になると、危険なものもあると思ったが、
どれも意外なほどマッチして美味しかった。
この豆乳が美味しく飲めるのは、デキストリンや乳化剤などでなめらかにしたうえで、
フレーバーそれぞれに、香料などで風味付けしているからだろう。
昔の豆乳っていえば、豆腐製造過程の“にがり”を投入して固める前のものだった。
これが、“無調整”ってことなのか?
飲まずに放置していると、固まって豆腐ができていた。
で、あのトラウマだった昔の豆乳を味わってみたい・・・。
そう思って、探してみるが、もうあの手の豆乳は見かけなくなった。
豆腐屋さんにでも行けば、まだあるかもしれない。
こんなのも見つけた。
カンロから発売された、“調整豆乳キャンディ”。
ほんのり甘く、あの味をよく再現していると思うのだが、
飴としては、甘さが足りなくってちょっと残念。
キャンディの個包装も見事にパッケージを再現。
豆乳といえば大豆。
大豆といえば豆。
豆といえば・・・。
※当時の豆乳は、アイスクリームのパピコやおとぼけ君みたいな、
ポリチューブに封入されていて、先端を切ってからチューチューと吸うような形状になっていた。
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