MADAMADA
なぜ、ここまで一生懸命になってるんだろう。
車のフロントガラス越しの空を見ながら、考えていた。
ただの執着ならとっくに捨ててる、ただの夢なら水に流している。
遠回りばっかして、友と離れて、くたくたになって。
ぐるぐると駆け回る思考のてっぺんから、生まれるずっと前の記憶が四コママンガのように見えたり、とぎれたり。
「たいしたことねぇや、たいした男じゃねぇや・・・」
一人笑ってみると、抑えきれない衝動が湧き上がり右手でクラクションを何度も叩く。
暴走自動車の中の男、脇目でみる人。
頭にへばりついた、首を切られた、落ち武者。
人を切りつけて、その衝撃に体を震わす自分。
トノサマガエル。
幾人の人に裏切られて、春日の局にしがみ付く。
運ばれてくる御膳。
何人ものメカケ。
トノサマガエル。
我に返り、息をして仰げば。
雲ひとつない青空。
本当は優しい人たち。
愛すべき人たち。
自分を変えなきゃ、俺が変わんなきゃ・・・・。
やっぱりフロントガラスに太陽は照りつけていて。
やっぱり明日はまた来るもの。
生きてるうちに生まれ変わるんだ。
終わることない旅路。
まだスタートライン。