パソコンはすでに起動されていた。
この店専用のインターネットのトップページには様々なアダルトコンテンツがあった。少し早くなる鼓動を制御するように二、三回深呼吸した後、満から送られてきた出会い系サイトにアクセスした。
完全無料[割り切りの出会い]
そう書かれた、文字の外側を踊る女たち。
男の欲求を駆り立てるような、淫乱さ。
まるで計算された罠にはまるかのように無料入り口から登録を済ませる。
全身の血液が一ヶ所に、なだれ込む感覚を確かに感じていた。
「冷静になれ・・・たけし、冷静に・・・・」
自分に言い聞かすように何度も何度も呟き、東京都の登録女性をクリックする。
顔写真はほとんどが、おおよそ一般的レベルを超えている美女。中には自分を縄で縛っている女や、むき出しに自分の胸をアピールしている女がいる。
どれでもいいのだが、なんとなしに[さゆり22歳]に目がいった。
明らかに他とは違う、完璧な目鼻立ち。
少し栗色な髪の毛は、画面からも艶が伝わってきて、いやらしさよりも、品の良さのほうが勝っている。
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毎日不安です。眠れません。怖くて仕方がありません。もう一人ぼっちは嫌です。優しい方私を慰めてください。私も精一杯癒しますので・・・・。
他の女性とは違った文脈にさらに興味をそそった。
[さゆり22歳]に決めて、メールを送ることにした。
さゆりさん、はじめまして☆
凄い綺麗な女性でびっくりしてます、あなたの不安を僕が癒してあげたいです。
眠れないほどの恐怖とは何ですか?そんなの僕が吹っ飛ばしてやります!!!
お会いしませんか?
そう書き込むと[送信]ボタンを押して返事を待った。