何度も告げたい

今家路をゆっくりゆっくり歩いている。
相模女子大学を右手にみるとかろうじて葉桜になった桜が照明の光をかりつつ輝きを放っている。

街灯は僕の前、はるか先まで規則正しく並び、この道を見せてくれている。

灯りを頼りに足は進み重い荷物に疲れては足を止める。

まだまた長い。
ベッドにたどり着くまでは。
酔っ払った体に肌寒い風が心地よい。

ファミリーマートの灰皿にタバコを捨ててもう一本に火をつける。

しばらく行っていないラーメン屋の前で腹がうずく。
でも入らない。

僕は最近ようやくお金の大事さを真実に学んでいる。


そう、今日は頂いたお弁当がある。

昔判らなかった、ありがたみを体で、命で受け止めている。
自由とは何か？
それは不自由のなかにある。

街角に流れる夕焼けこ焼けの合図のようなもの。

一瞬に感じて一瞬に去り行くものだと思う。


そうこう考えるうちにまた一歩また一歩家に確実に近づいている。