「おれと同じ一人ぼっちの兵十(ひょうじゅう)か」
いたずらしたこと後悔(こうかい)し、一人ぼっちのさびしい気持ちをわかってくれそうな兵十と仲良くなりたい。ごんの気持ちが変わる「きっかけ」がうかがえるセリフです。
こちらからの続きです。
語り手(かたりて)が聞き手(ききて)にお話をするかたちをとるのが、「ものがたり」です。そのため、「ものがたり」は語り手の視点(してん・立場)から書かれている部分がほとんどです。
しかし、登場人物の視点から書かれている部分もあって、そこから気持ちの変化がわかります。セリフもそのひとつですが、ほかにもあります。
次の文を読み、(1)兵十の視点から書かれている一文、(2)ごんの視点から書かれている一文をさがしてください。一文(いちぶん)とは、「。」でくぎられたひとつの文のことです。
そのあくる日もごんは、栗(くり)をもって、兵十の家へ出かけました。兵十は物置(ものおき)で縄(なわ)をなっていました。それでごんは家の裏口(うらぐち)から、こっそり中へはいりました。
そのとき兵十は、ふと顔をあげました。と狐(きつね)が家の中へはいったではありませんか。こないだうなぎをぬすみやがったあのごん狐めが、またいたずらをしに来たな。
「ようし。」
兵十は立ちあがって、納屋(なや)にかけてある火縄銃(ひなわじゅう)をとって、火薬(かやく)をつめました。
そして足音をしのばせてちかよって、いま戸口(とぐち)を出ようとするごんを、ドンと、うちました。ごんは、ばたりとたおれました。兵十はかけよって来ました。家の中を見ると、土間(どま)に栗が、かためておいてあるのが目につきました。
「おや」と兵十は、びっくりしてごんに目を落しました。
「ごん、お前(まい)だったのか。いつも栗をくれたのは」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
兵十は火縄銃をばたりと、とり落しました。青い煙(けむり)が、まだ筒口(つつぐち)から細く出ていました。
「ごん狐」より
[ヒント]
(1)兵十の視点です。兵十がなにかを見て、考えたり行動をした「きっかけ」の一文です。
(2)ごんの視点です。おなじ行動でも、見る立場(視点)が変われば、変わることばがあります。「わたし」が見ている=「わたし」の視点なのは、どちらでしょうか?
ベルを「鳴らす」/ベルが「鳴る」
出発を「いそぐ」/出発を「せかす」
山鹿市へ「行く」/山鹿市へ「来る」
続きます。(塾長)
いたずらしたこと後悔(こうかい)し、一人ぼっちのさびしい気持ちをわかってくれそうな兵十と仲良くなりたい。ごんの気持ちが変わる「きっかけ」がうかがえるセリフです。
こちらからの続きです。
語り手(かたりて)が聞き手(ききて)にお話をするかたちをとるのが、「ものがたり」です。そのため、「ものがたり」は語り手の視点(してん・立場)から書かれている部分がほとんどです。
しかし、登場人物の視点から書かれている部分もあって、そこから気持ちの変化がわかります。セリフもそのひとつですが、ほかにもあります。
次の文を読み、(1)兵十の視点から書かれている一文、(2)ごんの視点から書かれている一文をさがしてください。一文(いちぶん)とは、「。」でくぎられたひとつの文のことです。
そのあくる日もごんは、栗(くり)をもって、兵十の家へ出かけました。兵十は物置(ものおき)で縄(なわ)をなっていました。それでごんは家の裏口(うらぐち)から、こっそり中へはいりました。
そのとき兵十は、ふと顔をあげました。と狐(きつね)が家の中へはいったではありませんか。こないだうなぎをぬすみやがったあのごん狐めが、またいたずらをしに来たな。
「ようし。」
兵十は立ちあがって、納屋(なや)にかけてある火縄銃(ひなわじゅう)をとって、火薬(かやく)をつめました。
そして足音をしのばせてちかよって、いま戸口(とぐち)を出ようとするごんを、ドンと、うちました。ごんは、ばたりとたおれました。兵十はかけよって来ました。家の中を見ると、土間(どま)に栗が、かためておいてあるのが目につきました。
「おや」と兵十は、びっくりしてごんに目を落しました。
「ごん、お前(まい)だったのか。いつも栗をくれたのは」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
兵十は火縄銃をばたりと、とり落しました。青い煙(けむり)が、まだ筒口(つつぐち)から細く出ていました。
「ごん狐」より
[ヒント]
(1)兵十の視点です。兵十がなにかを見て、考えたり行動をした「きっかけ」の一文です。
(2)ごんの視点です。おなじ行動でも、見る立場(視点)が変われば、変わることばがあります。「わたし」が見ている=「わたし」の視点なのは、どちらでしょうか?
ベルを「鳴らす」/ベルが「鳴る」
出発を「いそぐ」/出発を「せかす」
山鹿市へ「行く」/山鹿市へ「来る」
続きます。(塾長)