その人と初めて会ったのは9年前。
初めての職場で事務仕事のやり方を教えてもらった。
今、仕事ができるのは、
その人のお陰…と言っても過言ではない。
愛想がなくどちらかと言えば怖かった。
静かで淡々と動く機械のようだった。
…が、
機械のような仮面の下には
優しさや誠実さ、
真摯で謙虚な姿が隠れていた。
尊敬の念を抱いた。
それまで生きてきた中で、
数少ない大切な人だと感じた。
人としての魅力に溢れている。
けど、
女性ならよかったのに、
男性だけに話がややこしい。
2ヶ月ほど前に話す機会があった。
随分穏やかな雰囲気を感じた。
以前のように、
話すことができて嬉しかった。
それが…
少し前から、
妙な気を感じていた。
その人の職場に行く機会があったので、
会ってきた。
的中。
以前にも
「私が何かしましたか?」と言いたくなるほど、
冷酷な態度を取られたことがあった。
今日もそんな感じ。
なにがそうさせているのか、
話しながらおおよその見当はついた。
ご本人は気付いていないだろう。
非常に残念。
もう会いに行かないな…
大切な宝物を失くしたようだ。
生きていると色んなことがある。