明け方、
「ピポピポピポ火事です、火事です」
と繰り返す大きな音。
夢うつつで聞いていたけど、
これは夢じゃない!
どこで鳴ってるんだ?
…と、びっくりして飛び起きた。
寝てる部屋じゃない。
けど近いからウチに違いない。
電気をつけて音のする方へ。
息子の部屋だ。
けど、息子は帰っていない。
部屋には誰もいない。
警報器が赤いランプを点滅させながら、
やかましく騒いでる。
「何をゆ〜てるねんな」と寝ぼけ眼で、
考える。
家の外で燃えてる様子もない、
どうしたら、コヤツは黙るんだ?
紐を引っ張る。
黙った。
「頼むで…起こさんといて」
時計を見ると4時11分。
あともう少し眠れる筈なのに、
色んなことが頭の中を駆け巡る。
ホントに…
何だったんだ?
構って欲しかったのか?