夕方、親戚から送られてまいりました、さつま揚げ。
三代東京に暮らす私には田舎があってないようなもの、子どものころは田舎が羨ましいかぎりでした。
したがって、主人の親戚から送られてくる鹿児島の名産が楽しみになりました。ポンカン。これもおいしいですが私がもっと好きなのはタンカン。
オレンジのように香り高く、濃厚で瑞々しく甘いタンカン。手が黄色くなるほど食べちゃいます。
それからお味噌。鹿児島の味噌がこんなに上手いとは驚きです。関西風の薄味で、あれは麹味噌なのかな?白味噌風であります。
ところでさつま揚げ、生で食べるのを初めて知ったのは二十年前であります。現在のようにネット通販で全国上手いもの探しが出来て、取り寄せて食べられる時代ではなかったですからね。
小さい頃、母が甘じょっぱく煮て、時どきお弁当に入れてましたぁ・・・気の利いた弁当用の品がない時、冷蔵庫の奥から登場してました。
ですから私の中では、さつま揚げは非常に地味なおかずでしたねえ。
これを生で食べるのと知ったとき、とたんに印象は派手になりました。さつま揚げが、なんと刺身のイメージになっている・・・。
レンコンや人参、しそやのり、サツマイモがそのまんま入って、これを冷やしてわさび醤油で食べるわけです。おしゃれ!と感動ものでした。
二十八代島津斉彬公は、1846年、幕府の命で琉球を統治することになりました。そして交易が始まりました。
琉球語で魚肉のすりみを揚げたものをチキアーギといい。鹿児島弁に訛って「つけあげ」になったのではないかと言われてますそうです、はい。
小田口屋 シュウエイのさつま揚げ、東京大田区大森本町にも支店があります。
TEL: 0120-50-2378
訛りといえば鹿児島弁、東北の言葉と似た感じがいたします。
南の国なのに、ほんわかした温かいイントネーション。
一緒に過ごしていると、いつしか自然に引き込まれて私も鹿児島弁に。
英語も幼い頃から耳にして、その音に引き込まれてうつったように覚えた私。音に強いというか弱いというか・・・英語だけじゃなくて方言までも、いつまでも耳に残るのです。
語学は耳からとはよく言いますが、まさしく音楽のように耳に残る抑揚が強ければ強いほど、口にしてみたくなりますよね。
言葉は、イコール心であると私は思っておりまして、上っ面な言葉でさえも、その奥にある本当の心が見え隠れする会話の瞬間に、人の人生が見えたりもしますわね。
英語であっても鹿児島弁であっても、その土地の言葉を直接耳にし口にし、それが夢にまで入り込んでくると、その土地の魂ってもんが沁みこんできますわねえ。
だんだんそれが性格にまで及んできて・・・これを溶け込むというのでしょうか。
そんなわけで、生で食べられる鹿児島のさつま揚げには、異国の匂いと、ふるさとを同時に感じるのであります・・・