その6 NCEA試験真っ最中
11月10日からSecondary School(中高校)でNCEA ( National Certificate of
Educational Achievement、国定教育水準認定証明)が、各学校で行われてます。
地元高校生達は、自分の取っている科目にあわせて登校し、分厚い試験問題を相手
に3時間の試験時間を健闘しています。
最後は12月1日で、それまで毎日続きます。
結果は来年一月に郵送されてきます。
この時期学校に通ってるのは10年生以下の子供達で、我が家の前のバス停で
スクールバスを待つ朝の制服の集団もひとまわり小さくなってます。
3年前からニュージーランドの中、高校の教育システムが変わりました。
これまでは5th Form(高校1年)は School Certificate(学校証明)、
6th form(高校2年)は 6th form certificate(高校証明)、7th form (高
校3年)はBursary 、university entrance(大学入学試験)という形でした。
2002年から3年間かけてNCEA ( National Certificate of Educational
Achievement)に一新されました。来年は、この制度の下で始めて大学入学者を
迎えるわけです。
私達はこれまでのBursaryに終わる高校のシステムに慣れているので、NCE
Aというものがもうひとつよくわかりません。
現場の先生達はまあなんとか理解、生徒達は混乱しているし、親にいたっては
なんだか訳がわからんという状態です。
地元新聞もジグゾーパズルの最後のピースの試験開始のタイトルで記事をだし
てます。
ニュージーランドでは、5歳の誕生日から16歳の誕生日までが義務教育とさ
れてます。それで昔は、だいたい16歳にあたる5th Form のSchool
Certificateが学校教育の一応の終了とされていたわけです。この試験のパス
すればまあよしとされてました。
成績が思わしくなかった生徒は、学校やめて働いたり、Polytechnicに行って、
料理とか大工とかのコースに行ったりします。
だいたい高校卒業者の一割ぐらいしか、大学進学しない国だし、親も学校やめ
てもよしとする訳です。
ニュージーランドはどっちかというと「手に職」があればいいという気風の国
なので、大学出ていないからといって引け目を感じることもありません。
勉強できないのにだらだら学校行くより、早く技術をつけて一人立ちしてほし
いと親も考える訳です。
5歳から学校に行き始めているので、12年たった6th formが高校卒業という
ことになります。それで経済、看護学部など6th formから行ける大学もありま
す。
従って、7th formまで残るのは大学進学をめざす生徒と外国の留学生が主にな
ります。
制服も6th formまでと区別して7th formの女子学生は、くるぶしまでのロン
グスカートをはいてます。この事情を知らない私の友人はニュージーランドの
不良学生も日本と同じなのねと、言ってました。おまけに7th formerは自己学
習の時間が多かったり、学校によってはお昼休み学外に出ることを許され、町
を昼間からうろうろするのでそう見えたのでしょう。
話がちょっとそれましたが、本題に戻ります。
2002年にはSchool Certificateが、NCEA Level 1
2003年には6th form certificateが、 NCEA Level 2
2004年にはBursaryが、 NCEA Level 3 となりました。
従って2002年に5th Form(Year 11)だった生徒さん達は、NCEAの一期生
となり、NZQA (New Zealand Qualification Authority) のUnit Standardに基
づいた内容を習い、テストを受けました。
数年前からUnit Standardは、ほとんどのSecondary School (Year 9-Year 13,
Form3-7)で導入されています。ところが学校によってはアカデミックな評価に
は向かないとして、あまり積極的ではない所もあります。
Year 11という言い方はPrimary(小学校)の1年生を Year1とし高校卒業ま
でを通して言う言い方です。大分前から変わったのだけれど、先生方を含めて
従来のForm5あるいは5th Formといった言い方がなじみがあり、一般的のよ
うです。
Unit Standardの導入の時と同様、他の方針のある学校は公私高校にかかわら
ず、私的な全国テストや外国の試験を導入しているところもあります。
一般的なのはSFEE (Sixth Form External Examination)で、オークランドでは
参加させている学校も多いです。
また新しいNCEAが外国でどのように評価されるか不明な点が多いため、CIE
(Cambridge International Examinations) をNCEAの導入時期とあわせて2
004年までにBursaryレベルまで取り入れた学校もあります。それら学校で
はCIEに対応できるよう2002年から、Oxford やCambridge出身の先生を採
用しているそうです。
CIEのテストは10月14日から11月23日までです。NCEAと両方受け
る生徒は日程が重なったりしないかなと思います。
CIEは他の諸外国で取り入れられているし、ニュージーランドからでもこの試
験を受けていれば外国の大学に進学しやすくなるでしょう。
それではNCEAを受ける為の条件はどうなっているのでしょう。
まず目新しいのは、これまでの英数に加えてTe Reo(マオリ語)や Numeracy &
Literacy(読み書きそろばん?)のUnit Standardの一定のレベルが試験を受
けるための条件になっている点です。
ニュージーランドではマオリ語がOfficial Languageとされてます。
大きな変化はNZQAのシステムのもとで中高からでなくてもNational
Certificate in Employment Skills の単位を取得していれば、NCEAを受けら
れるという点です。まあでも他の科目は高校でしか教えていないため、大体の
受験生は高校生です。
NCEAの各教科内容はいくつかのUnit Standardからなりたっています。
たとえば正三角形の内角の関係といったようなトピックスがユニットとなりま
す。
ひとつのUnitをパスすると、2とか3とかの単位が得られます。テストの仕方
はInternal (学校内部一年を通じてで随時行われる)、External(最後の一斉
試験)があります。
たとえば美術などは作品提出のInternalで審査され点数になります。
これだと日々の授業をまじめに受け理解していれば、海外からの留学生でもパ
スしやすと思います。科目にもよりますが、点数の少なくとも20%はレポー
ト提出、実技、少テストなど学校内で評価されます。またこの制度は再試験の
チャンスもあり、落ちこぼれをへらすのに役立つのではないかと思います。
ちなみに地元オークランド大学の入学基準は、
Level3以上で42 credits以上であること。
Level1の数学が14credits以上であること。
Level2の英語かマオリ語が8credits以上であること。
これが最低基準で、さらに学部ごとに必要な科目、単位数が決まっています。
つまりLevel1(高1)で数学の単位がとれてなかったなら、ここですでにオ
ークランド大学に願書はだせないことになります。いつオークランド大学がこ
の基準を決めたか知りませんが、普通、高1では自分がどこの大学に願書だす
かとか決めてないし、募集要項を調べたりもしないでしょう。
Year11(高1)の数学はパスできなかったけど、他の科目を頑張っていた生徒は
今になってがっかりするのです。それでさっさとあきらめて、Year13(高3)の
途中で高校やめて、ポリテックのコースに通い始める生徒も今年は多かったと
聞きました。
一方で、同じ基準で点をつけられるべきなのに、学校間で基準が違って問題に
なるケースがありました。
A高校のYear11の数学をパスした生徒が、B高校に転校しました。B高
校の先生は、この生徒の成績に疑問を持ち、テストしなおしたら、Year1
1の問題が解けなかったそうです。
ニュージーランドでは各分野にわたって、新しいシステムを取り入れるにが盛
んです。
やってみてうまくいく場合とそうでない場合があります。うまくいかなければ、取りやめたり軌道修正するのも早いです。試行錯誤をくりかえしながら、ベス
トの方法を探していきます。
このやり方ができるのは、国が小さくて、新しい法案を実行しやすいというバ
ックラウドのせいだとも思えます。
この3年間のNCEAのシステムのある意味での結果を見れる、大学入学への
判定は来年わかります。
Year13の生徒達は、自分のがんばりがどう反映されるか、不安を感じな
がらの年越しになるでしょう。
11月10日からSecondary School(中高校)でNCEA ( National Certificate of
Educational Achievement、国定教育水準認定証明)が、各学校で行われてます。
地元高校生達は、自分の取っている科目にあわせて登校し、分厚い試験問題を相手
に3時間の試験時間を健闘しています。
最後は12月1日で、それまで毎日続きます。
結果は来年一月に郵送されてきます。
この時期学校に通ってるのは10年生以下の子供達で、我が家の前のバス停で
スクールバスを待つ朝の制服の集団もひとまわり小さくなってます。
3年前からニュージーランドの中、高校の教育システムが変わりました。
これまでは5th Form(高校1年)は School Certificate(学校証明)、
6th form(高校2年)は 6th form certificate(高校証明)、7th form (高
校3年)はBursary 、university entrance(大学入学試験)という形でした。
2002年から3年間かけてNCEA ( National Certificate of Educational
Achievement)に一新されました。来年は、この制度の下で始めて大学入学者を
迎えるわけです。
私達はこれまでのBursaryに終わる高校のシステムに慣れているので、NCE
Aというものがもうひとつよくわかりません。
現場の先生達はまあなんとか理解、生徒達は混乱しているし、親にいたっては
なんだか訳がわからんという状態です。
地元新聞もジグゾーパズルの最後のピースの試験開始のタイトルで記事をだし
てます。
ニュージーランドでは、5歳の誕生日から16歳の誕生日までが義務教育とさ
れてます。それで昔は、だいたい16歳にあたる5th Form のSchool
Certificateが学校教育の一応の終了とされていたわけです。この試験のパス
すればまあよしとされてました。
成績が思わしくなかった生徒は、学校やめて働いたり、Polytechnicに行って、
料理とか大工とかのコースに行ったりします。
だいたい高校卒業者の一割ぐらいしか、大学進学しない国だし、親も学校やめ
てもよしとする訳です。
ニュージーランドはどっちかというと「手に職」があればいいという気風の国
なので、大学出ていないからといって引け目を感じることもありません。
勉強できないのにだらだら学校行くより、早く技術をつけて一人立ちしてほし
いと親も考える訳です。
5歳から学校に行き始めているので、12年たった6th formが高校卒業という
ことになります。それで経済、看護学部など6th formから行ける大学もありま
す。
従って、7th formまで残るのは大学進学をめざす生徒と外国の留学生が主にな
ります。
制服も6th formまでと区別して7th formの女子学生は、くるぶしまでのロン
グスカートをはいてます。この事情を知らない私の友人はニュージーランドの
不良学生も日本と同じなのねと、言ってました。おまけに7th formerは自己学
習の時間が多かったり、学校によってはお昼休み学外に出ることを許され、町
を昼間からうろうろするのでそう見えたのでしょう。
話がちょっとそれましたが、本題に戻ります。
2002年にはSchool Certificateが、NCEA Level 1
2003年には6th form certificateが、 NCEA Level 2
2004年にはBursaryが、 NCEA Level 3 となりました。
従って2002年に5th Form(Year 11)だった生徒さん達は、NCEAの一期生
となり、NZQA (New Zealand Qualification Authority) のUnit Standardに基
づいた内容を習い、テストを受けました。
数年前からUnit Standardは、ほとんどのSecondary School (Year 9-Year 13,
Form3-7)で導入されています。ところが学校によってはアカデミックな評価に
は向かないとして、あまり積極的ではない所もあります。
Year 11という言い方はPrimary(小学校)の1年生を Year1とし高校卒業ま
でを通して言う言い方です。大分前から変わったのだけれど、先生方を含めて
従来のForm5あるいは5th Formといった言い方がなじみがあり、一般的のよ
うです。
Unit Standardの導入の時と同様、他の方針のある学校は公私高校にかかわら
ず、私的な全国テストや外国の試験を導入しているところもあります。
一般的なのはSFEE (Sixth Form External Examination)で、オークランドでは
参加させている学校も多いです。
また新しいNCEAが外国でどのように評価されるか不明な点が多いため、CIE
(Cambridge International Examinations) をNCEAの導入時期とあわせて2
004年までにBursaryレベルまで取り入れた学校もあります。それら学校で
はCIEに対応できるよう2002年から、Oxford やCambridge出身の先生を採
用しているそうです。
CIEのテストは10月14日から11月23日までです。NCEAと両方受け
る生徒は日程が重なったりしないかなと思います。
CIEは他の諸外国で取り入れられているし、ニュージーランドからでもこの試
験を受けていれば外国の大学に進学しやすくなるでしょう。
それではNCEAを受ける為の条件はどうなっているのでしょう。
まず目新しいのは、これまでの英数に加えてTe Reo(マオリ語)や Numeracy &
Literacy(読み書きそろばん?)のUnit Standardの一定のレベルが試験を受
けるための条件になっている点です。
ニュージーランドではマオリ語がOfficial Languageとされてます。
大きな変化はNZQAのシステムのもとで中高からでなくてもNational
Certificate in Employment Skills の単位を取得していれば、NCEAを受けら
れるという点です。まあでも他の科目は高校でしか教えていないため、大体の
受験生は高校生です。
NCEAの各教科内容はいくつかのUnit Standardからなりたっています。
たとえば正三角形の内角の関係といったようなトピックスがユニットとなりま
す。
ひとつのUnitをパスすると、2とか3とかの単位が得られます。テストの仕方
はInternal (学校内部一年を通じてで随時行われる)、External(最後の一斉
試験)があります。
たとえば美術などは作品提出のInternalで審査され点数になります。
これだと日々の授業をまじめに受け理解していれば、海外からの留学生でもパ
スしやすと思います。科目にもよりますが、点数の少なくとも20%はレポー
ト提出、実技、少テストなど学校内で評価されます。またこの制度は再試験の
チャンスもあり、落ちこぼれをへらすのに役立つのではないかと思います。
ちなみに地元オークランド大学の入学基準は、
Level3以上で42 credits以上であること。
Level1の数学が14credits以上であること。
Level2の英語かマオリ語が8credits以上であること。
これが最低基準で、さらに学部ごとに必要な科目、単位数が決まっています。
つまりLevel1(高1)で数学の単位がとれてなかったなら、ここですでにオ
ークランド大学に願書はだせないことになります。いつオークランド大学がこ
の基準を決めたか知りませんが、普通、高1では自分がどこの大学に願書だす
かとか決めてないし、募集要項を調べたりもしないでしょう。
Year11(高1)の数学はパスできなかったけど、他の科目を頑張っていた生徒は
今になってがっかりするのです。それでさっさとあきらめて、Year13(高3)の
途中で高校やめて、ポリテックのコースに通い始める生徒も今年は多かったと
聞きました。
一方で、同じ基準で点をつけられるべきなのに、学校間で基準が違って問題に
なるケースがありました。
A高校のYear11の数学をパスした生徒が、B高校に転校しました。B高
校の先生は、この生徒の成績に疑問を持ち、テストしなおしたら、Year1
1の問題が解けなかったそうです。
ニュージーランドでは各分野にわたって、新しいシステムを取り入れるにが盛
んです。
やってみてうまくいく場合とそうでない場合があります。うまくいかなければ、取りやめたり軌道修正するのも早いです。試行錯誤をくりかえしながら、ベス
トの方法を探していきます。
このやり方ができるのは、国が小さくて、新しい法案を実行しやすいというバ
ックラウドのせいだとも思えます。
この3年間のNCEAのシステムのある意味での結果を見れる、大学入学への
判定は来年わかります。
Year13の生徒達は、自分のがんばりがどう反映されるか、不安を感じな
がらの年越しになるでしょう。
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