オークランド通信

のんびりしたお国柄が気に入りニュージーランド在住27年。仕事、子育て、生活全版にわたって語ります。

その25 コンサート三昧 11-07-06

2007-08-15 10:20:04 | 第21-30回
その25 コンサート三昧

先月からコンサートによくでかけている。

市の図書館のランチタイムコンサート、これはただ。ソプラノの母とテナーの
息子のコンサート。
モーツアルトのレクイエム、International Music Festivalのオーストラリア
のピアニスト、Town hallでの日本からのお能、昨日はクラッシックチャリテ
ィーコンサートと続いている。
先先週などは月、水の夜と週2回も行ったので、週末にはくたくただった。

一年前に声楽を習うようになってから、ずっとコンサートに行く機会が増えた。
勉強のため、友達とでかけたり、チケットが余っているからと誘われたりと色々
である。ピアノ教室の発表会レベルから、オーケストラまで、オークランドで
は気楽に行けるコンサートが毎月ある。


昨日はLaura Fergusson Trust Charity Concertに出かけた。
Laura Fergusson Trust は、Brain damageのリハビリをサポートする団体で
いろんなチャリティー活動を行っている。
その一環として、毎年7月にクラッシックのコンサートを催している。
今年は第6回目となるそうだ。

出演者は、ピアニストJohn Chen、バイオリン Christabel Lin、テナー Steve
Martin、バリトン Grant Dixon、メゾソプラノ高橋侑子さん。
クラッシックは初心者に近い私も知っているようなおなじみの曲が多かった。
ビアノ、バイオリン、声楽とバラエティーに富んでいて楽しかった。

ピアニストJohn Chen は、まだ19歳である。このコンサートの出始めた時は、
ピアノのうまいChinese boyぐらいの認識しかなかった。
ところが、2004年にシドニーので国際ピアノコンテストで一位を取ってか
ら、注目され始め、今はアメリカの大学のマスターコースで学びながら演奏
活動を行っている。
今回もこのコンサートのために、ニュージーランドに帰ってきたそうだ。
我が町のJohn Chenが、世界のJohn Chenになりつつある。

John Chenは、Mozartの Sonata in E♭(K282)と Ravelの Sonatine in f♯
minorを演奏した。同じピアノでも、弾き手によってこうも音色が変わるもの
かと思う。私以上にクラッシック音楽のことはわからない主人も、やわらかい
音色だねという。なんの気負いもなく、淡々と流れるように演奏する。

バイオリンの Christabel Lin は、クライストチャーチ生まれの中国人。前回
のコンサートでは姉妹ででていた。
今回はベートーベンの”Kreutzer Sonata”1曲のみの演奏であったが、成熟し
た情感のこもった演奏であった。

John Chen とChristabel の演奏を数年前から毎年聞いているが、若い人の成
長ぶりには目を見張るものがある。もっとも彼らは、ニュージーランドを代表
をする若手演奏家達ではあるが。

テナー Steve Martinは、田舎の実直なニュージーランド人という感じである。
Steveは、オペラToscaから、E luca van le stelleを歌った。もう少し、感
情的な盛り上がりがあってもと思った。この曲はコーヒーのテレビコマーシャ
ルに使われていて、イタリア女性が最後に“うーむ”とうなずくシーンを、聞
くたびに思い出してしまう。

師匠であるバリトン Grant Dixon とのデュエットThe Pearl Fisherの Au Fond
du temple saintは息のあった素晴らしい二重奏で、会場を沸かせた。
Steveは、イタリア、ナポリ民謡のCore’n Grato、 Santa Luciaが彼の
声質に合っていていたと思う。

メゾソプラノ高橋侑子さんの最初の2曲が、特に素晴らしかった。
Martiniの Plaisir d’amour(聞かせしよ愛の言葉を)を、低音で聞かせた。
メゾソプラノの歌手であるが、低音の表現が素晴らしい。
Wertherの Letters aria。これはゲーテの“若きウェルテルの悩み”のオペラ
からのアリア。シャーレットが手紙を読みながら、悲しみ、失望するシーンを
感情をこめて歌い上げた。

20分のインターバルには、地元のロータリークラブの青年達がコーヒー、紅
茶をだしてくれた。そこでだされたビスケットもスーパーマーケットからの寄
付だそうだ。
私は、親しい友人を見かけて最近の近況を尋ねたりした。

あくる日も、メールで友人と感想をやりとりして、印象の残るいいコンサート
であった。
アリアのメロディーはよく知っていても、オペラ自体を知らないのもあって、
翌日ネットで検索してみた。

先日のお能の吉野天人も、日本の伝統文化でありながら、日本語が理解できな
かった。一緒に行ったちょっと日本語がわかるキーウィーに、“何言ってるの?”と質問されたけど、私もわからないのだ。
オペラの能楽も基礎知識がないと、筋が理解できない。イタリア人ならオペラ
のせりふは理解できるのだろうか。
音楽初心者ではあるが、コンサートごとに私の音楽の世界が広まっていくのは
嬉しい。


でも最近は聞くより、自分で歌うほうがずっと楽しい。
去年から、日本の歌曲やアリアを先生について習っている。
なんとかの手習いだけど、楽譜もまともに読めないけれど、わずかずつでも上
達していくのは嬉しい。自分が歌うようになり、発声法や曲目ももっと興味を
持つようになった。以前は聞き流していた音も聞けるようになり、新しい発見
があると感動する。
この曲、私も歌えないかなと思って聞くと、真剣にキーを追ったりする。
この年だから、純粋に自分の楽しみの為の歌っている。
歌を習いだして、風邪はひいてはいけないとか、睡眠不足だと声がうまくでな
いとか、歌は自分の健康管理にもいいと判った。

いつか私のソプラノを皆さんにお聞かせしますね。

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