大酒を飲んだ次の日、やけに早く目が覚めた。外は真っ暗。日本時間で5時半。私には行きたい場所があった。自由時間の極めて少ないこの旅行で融通がきくのは今しかない。台北のガイドブックをバッグに入れてホテルを出た。流石に人通りは少ない。
大通りにはコンビニやファストフードの店がたくさんあり、客もボチボチ入っている。日本とあまり変わらない風景だ。緑色の郵便ポストの前で足を止め、現在位置を確認することにした。
目的地までは歩いて30分ほどの距離だったが、根っからの方向音痴と未明というダブルのマイナス条件がたたりどこにいるのかわからない。「こうなった以上、タクシーを捕まえるしかないぞ」と思った。