山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
夏目漱石の「草枕」を読みました。
「草枕」を読んだのは初めてだったのですが、「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ」という表現は聞いたことがありました。
この小説は、大泉学園のカフェモフリーさんでタロット占いをさせていただいた日に、お客様を待ちながら読んだ本でした。モフリーさんは店内が古書店にもなっていて、本を読んだり買ったりできる。
読書交換会、モフリーさん。本や本の話をする機会が身近にあり、ありがたいです。そして本の話をする機会があるって自分にとって大切なんだなとおもいます。
主人公は青年の画家男性。旅先である山村を訪れ、その山村での生活が綴られています。時代は戦争中で、最後は知人が出陣するシーンでした。
夏目漱石の小説を読むのは「こころ」、「三四郎」に次いで3冊目。あたしが絵を描くからかもしれませんが、3冊のなかでは「草枕」が一番気に入りました。
他の2冊同様、芸術や哲学の話がでてきて脳みそが抽象的になる気がして、また文章が美しく、読んでいて気持ちいいです。時代背景もあり、話の内容そのものに共感するわけではないのですが読まされてします。そしてまた読みたいとおもう。
夏目漱石がすばらしいのか、それとも教育の刷り込みで漱石が素晴らしいものと思い込んでいるのか、まだよくわかりません。
おもしろく読みました。まさか自分がエンタメとして夏目漱石を読むようになるとはおもいませんでした。読書交換会のおかげだと思っていてありがたいです。
他の漱石の本も読んでみたいです。世界に誇る、あるいは日本を代表する作家ですから、まずは全部とまではいかなくもてもうちょっと読んでみたいのでした。
ではまた
東京読書交換会を開催しています。池袋で本を持ち寄ってお互いの本を交換したり、オンラインで読書経験を交換したりする会です。
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※今後の予定は12月19日(土)夜・池袋、2021年1月9日(土)夜・オンラインです。
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