三浦雅士さんの評論集「考える身体」を久しぶりに読んだ。
いつだろう。かなり昔に読んで、一番好きな本のひとつ。一時ほとんどの本を処分した。どうしても捨てられないのは自分で電子書籍化した。けれどもその電子書籍化すら躊躇う本が何冊かあって、そのうちの一冊がこの「考える身体」だった。
ポストイットがいっぱい貼ってあって鉛筆で書いた線もいっぱい。大切すぎて、このところの自分とかなり離れていて、だからなかなか再読せずにいた。
なんというかこの大切なものを後回しにする人生って、いったい何なのかしらね。こういうの癖なんだろうけど、一体いつからなのか。
癖なのでおそらく普段からその傾向があり、何か波や流れに上手に乗れてないときほど、こういう傾向が強く出るというものなのでしょう。癖ってそういうものだから。原因を見つめてうれしくない癖なら開放していくプロセス、全体的なエネルギーの常態を上げるプロセス、両方をするのがよいと思っている。
なので、今回は読書交換会がオンライン開催で、感動した本&影響された本を紹介するということに便乗して、再読したのだ。どうもありがとうございます。
⇒ 東京読書交換会、いつもどうもありがとうございます 明日はオンライン
狙ったわけではないのですが、自分で設定させていただきました、すいません。
この本はひとことでいうと、身体は賢いよ、身体から生じているものが多いよという内容。あたしたち(もといあたし)はつい頭や理屈、理性で判断してそれから行動するけれど、実際は体の情報って多いのでは? という話です。
あたし自身は、この本を読んだ当時は、語学が好きであり、また語学によってだいぶ救われたなとおもっていました。
英語、フランス語、ドイツ語、ハングルを学びました。そして実際に習得するか否かよりも、学んでいる瞬間が好きだったんだとおもう。その言語の呼吸になり、音読したり、ひたすら反復を繰り返す。その呼吸になる。すると普段自分の癖や傾向、うずまくものから解放されて休憩になる、そんな感じだったんだと思う。
であると同時に、ダンスにもとても惹かれていた。言葉で伝えるということ、まったく言葉を使わないダンス、その両極端に興味があって、でも同じことだよと言ってくれているのがこの本だったから、とても好きになったんだろうな。
三浦雅士さんのご著書は他にもいっぱいあるけど、読んだことがあるのはこの1冊のみです。ほかの本も読んでみたいなという気持ちと、「いやいや、だからこの本に書いていある生き方を実践しようよ」という気持ちと両方ある。
実践しよう、実践したいなと。
この本で、けっこうグサッときたのが、10代にやったことが習得しやすい、身になりやすいということ。
つまりはそのときのことは人生にかなり影響を与えるということだよね。だからやっぱり続けることが大事なわけだけど、あたしは雑に扱ったり、あえて捨て去ったりしてしまったなとおもう。
それなのに、なんだか極めてないまま、大切にして"遠巻きにやらずにとっておいたり"するから、なんだかなと。「具体的に何?」と聞かれるとわかっていないので、読み流しておいてください。
今は世の中が在宅を奨励する期間であり、また牡牛座の新月で軸や信念について見つめ直すのにも向いている期間。
⇒ 牡牛座の新月は自分軸や信念をしっかりとさせやすい 2020年おうし座の新月
このときだからこそ、今一度、あたしについては、体に意識を向けるのも佳いのかもしれないとおもったよ。大切なものほど理想が高くなるから、ちょっとずつちょっとずつね。
「考える身体」は、あたしにとっては大切な本ではあるけど、出版されたのが1999年なので、今お勧めできるかどうかは正直わかりません。
あなたにとって、大切な本がありますか?
ではまた
東京都豊島区池袋で読書交換会を開催しております。人にあげても差支えがない本を持ち寄り交換する読書会です。
⇒東京読書交換会ウェブサイト
※今後の予定は2020年5月8日(金)夜オンライン、5月23日(土)夜オンラインです。
◆臼村さおり twitter @saori_u
思考していることを投稿しています。