つぶつぶタンタンに愛猫太陽のことを綴るのを楽しみにしています。覚えていることを綴っておきたい。あたしの物語という言葉に甘え、勝手なことを書かせていただいています。
この場を使わせていただけること、感謝申し上げます。
ふとおもえば、太陽との思い出は散歩に関するものが圧倒的に多い。そりゃそうだな。だってかなりの時間を一緒に過ごした。つまりはべったりと一緒にいた。
時間に余裕のあるときは1日2回、1回1時間以上は心がけていたし、それ以上だったこともあった。最初の頃は、散歩中ただひたすらにぼーっとしていたから、なんというか太陽と散歩をするようになってから本当にずいぶんぼーっとするのが得意になった。のんびりになった。
もともと、ぼーっと座っているのはどうも人に比べて得意みたい。それは新宿のカプセルホテル・スパ「グリープラザ新宿」の地下で占い師をしていたとき、ずっとお客様を待っていたからだろうね。占い師は、個人で依頼を受けない限り、待っているのが仕事みたいなところあります。
だから絵画展示お客様をぼーっと待っているは実はそんなに嫌いじゃなくて、たまにびっくりされた。びっくりされて初めて、そうか、珍しいのかと気づいた次第。
というわけで太陽の散歩中もぼーーっとしていた。
太陽の光、日光が得意ではないので、日傘を差して、ぼーっと。暑いと意識が薄くなるというか、サウナのような気分になるというか、集中力がない状態で、半分瞑想みたいな感じになったりもした。
もっともそれで1時間とおもっていて、何度も時計みて、いざ1時間経つと、なんとなく今日ももう少し散歩に行ってあげようかなもう1時間一緒に散歩をしたりしたことも少なくない。
そんな状態だから、季節の移り変わりにもかなり敏感になった。以前より植物の美しさに目が行くようになり、植物が好きになった。やっぱり季節っていいなあ。
虫の音も季節によって音が異なるのだ。時間の感覚が変わったし、あくせくするのじゃなくてこういう時間もいいなと、実はあたしはこういう時間の使い方が好きなのかもしれないとおもった。
と、今書いていて、あくせくしかけている自分に気づく。なんかすぐにミヒャエル・エンデの「モモ」に登場した時間泥棒みたいになってしまうのだ。
太陽さんのすごいのはこれらの散歩を原則リードなしで一緒に楽しんでいたということ。主に一緒に散歩をした2年弱のうち、最初の半分くらいは、あたしと一緒に散歩をするときはリードなしだった。2度目の血栓症を発症してからは、やっぱり心配だからリードつきにした。
うちに来てから3か月はリードで散歩していたから、散歩についてはリードありのほうがちょっと長ったね。
あ、でももっとも一人で出歩くようになってからも散歩は好きだった。主に夜。あたしが夜に帰宅したときは帰宅を楽しみにしているみたいで、そのあと一緒に5分～10分くらい散歩をするのが習慣だった。なんでも眠っていたり、ごはん待ちだったりしても、帰宅する音がすると玄関に出向いていたらしい。
そこから家の前からのびる1本道を一緒に歩く。暖かい季節については、太陽は途中で寝転んで「掻いてくれ」とせがむ。そうなると最初はねがえりでしか進まないから、数メートル進むのにものすごく時間がかかった。
そこから右側、左側といろいろな家の臭いを嗅ぎながら歩く。車に注目して、駐車スペースの中に入って行っても、ちょっと待っていると車を1周して戻ってくる。太陽は一緒に散歩をするのが好きだった。あたしがどこまでついて来れるかわかっていた。
そして道の終わりころ、あたしでは不法侵入になってしまうので追いかけられないところへと太陽は消えていく。
心臓ゆえに血栓症を発症する前も、そんな日々を過ごしていたのだった。
原則、外出は散歩のみにしたときから、あなたが出歩ける場所はあたしが追いかけられるところに限定されてしまった。受け入れてくれてありがとう。
何というか「止める」とちゃんと行ってよい場所とそうではない場所とわかるんだよね。呼びかけると行くのをやめる。偉い、偉すぎる。
最初「太陽、ダメ、」「やめて」「ストップ」「禁止」「こらっ」とかネガティブな言葉で留めていたのだけど、ある日「あたし何やっているんだろう」とそんな自分が嫌になって、それからは「いい子だからおいで」「偉いよー」「ありがとうね」「ごめんね」「こっちにしよう」などと声をかけるようになった。
これってけっこう大切だとおもっている。そしてきっとあたし普段から相手にも自分にもこういうネガティブな投げかけてをしていたのかもなと気づくきっかけにもなったのだった。
また散歩の話を書こう～♪
今日はここまで。太陽ありがとうね。とても楽しくしあわせだったよ。
◆臼村さおり twitter @saori_u
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