ここ数日のなかでは久しぶりに涼しい。明日はまた30度に戻るとか。今年は暑い時期が長いなとおもっていたけど、よく考えたら今年の7月は涼しかったことを思い出した。オリンピックのときも涼しいといいね。
本の感想。
原田マハさんの「暗幕のゲルニカ」読み終わった!
![]() |
暗幕のゲルニカ (新潮文庫) |
原田 マハ | |
新潮社 |
前回の日記はこちら。
⇒原田マハ「暗幕のゲルニカ」、ピカソやキュレーターの生き方に感情移入中
「暗幕のゲルニカ」は、画家パブロ・ピカソの代表的な作品であるゲルニカをテーマにした小説。2つの時代が平行して進む。
ひとつはピカソが生きていた時代で、ピカソとその恋人を主人公にしたもの。時代はナチスドイツがパリを陥落する第二次世界大戦。ピカソの祖国、スペインも戦乱に地となる。
もうひとつの時代は、20年前にあった9・11事件後のニューヨーク。ニューヨーク現代美術館(MOMA)のキュレーターを務める女性が、ピカソのゲルニカをニューヨークに呼び寄せようと奔走する。
アートと政治について考えさせられた。
あと「祖国」や「ナショナリズム」についても。
ちょっと話が小説からそれてしまうのだけど、スペインはカタルーニャの独立を断固として認めない。(小説に出てくるように、バスクも自国の領土としている。)
けれども、米国がキューバに強く出たとき、誰よりも先に「私たちはサポートするから大丈夫」とキューバに寄り添ったのはスペインだった。カタルーニャには強く出ていて、元植民地のキューバには寄り添う。
そんなスペインの背景を考えながら、この「暗幕のゲルニカ」を読んだから余計興味深かった。
なんというか、政治だなあ、どこまでも自分の持ち物とおもうか、関与するか、応援するか、支配するか、過去の歴史と国家的思い込みによる、恣意的なものだとおもったのだ。
あたしも絵を描いているから、芸術のありかた、考えさせられる。ストーリー展開はネタバレになってしまうから書かないけど、とにかく巻末の参考文献一覧の量がすごかった。綿密に調べられて、だからこそひしひしと文面を通して伝わってくる。
ストーリーとしては、最後のほうがちょっと、うー、もうちょっとほかの進行がよかったなというのが個人的な好みかな。
来年の東京オリンピックでは、あたしたちはきっと政治とスポーツの関係性、オリンピックのありかた、平和について考えさせられるのかもしれないね。
と申しますか、あまりスポーツをしないこともあり、そういう場だったらいいな、そういう刺激を受けたいなと望んでりう。
個人的な世界への祈りは、ジョンレノンのimagineに近い。なんだかここのところきな臭くなってきちゃったけれど、こういう世の中になればいいなと願うし、そういう絵を描きたいのだった。
Love and Peace
ではまた
東京都豊島区池袋で読書交換会を開催しております。人にあげても差支えがない本を持ち寄り交換する読書会です。
⇒東京読書交換会ウェブサイト
※今後の予定は10月11日(金)夜、10月26日(土)夜、です。
◆臼村さおり twitter @saori_u
思考していることを投稿しています。