人間が許容できる放射能はどれぐらいなのか?たくさんの報告や議論がなされているのに、何も結論が出ていないとされています。しかも、内部被ばくを測定するホールボディカウンターは、ガンマ線しか測定することしかできないため、内部被ばくの際、人体に重要なダメージを与える、アルファ線については、ガンマ線の量から推定するしかありません。
つまり、個人がどれくらい放射性物質を体内に取り込んだのかは、分からないのです。どれくらい、内部被ばくをしたら、体に異常がでるのかは、個人差が大きいため、仮に、内部被ばくの量が正確に推測できていたとしても、全く分かりませんし、いつになったら異常が出てくるのかも分かりません。数年、数十年たって、何らかの病気を発症したとしても、過去の被ばくとの因果関係を結びつけるのは、容易ではありません。
今後、私たちはどうすればいいのでしょう。過去に、低線量の被ばくについて、重要な報告が発表されています。まずは、2005年の米国科学アカデミー委員会です。
「利用できる生物学的、生物物理学的なデーターを総合的に検討した結果、被ばくのリスクは、低線量にいたるまで、直線的に存在しつづけ、閾値はない。最小限の被ばくであっても、人類に対して危険を及ぼす可能性がある。」
と、発表しています。続いて、2007年、原子力業界の御用団体であるICPP・国際放射線防護委員会でさえ、
「低線量の癌および、遺伝子疾患の誘発について、被ばく線量の増加分とリスクの増加分の
間に、単純な比例関係を用いることは、科学的にもっともな仮定である」と勧告している。
つまり、私たちが、自然にあびている宇宙や地球からの放射線でさえ、人間の体には有害で、その他の、たとえ少ない放射線量でも、リスクは確実にあがる。ということです。
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