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青方から若松へ

2013年09月28日 | 佐世保・五島・天草・熊本

青方から若松へ

 

青方港

 

五島列島、中通島の北西部に位置する青方港は入り江が多く、東シナ海に面していることで漁業が栄えてきた。上五島地区で唯一魚セリ場がある。平成4年の漁獲量は9460トン。
 同港の相河地区では増大する貨物に対応してふ頭を整備。福江~博多航路の定期フェリー乗り場も建設。福江まで約2時間半、博多まで6時間で結んでいる。

 

漁業で繁栄、石油備蓄も


 青方港は古く「合蚕田之浦」といわれ肥前風土記、続日本紀に遣唐使船の風待ち港として寄港したと記されている。


 中世約400年にわたり地頭青方氏がこの地方を治めた。このときの古文書「青方文書」によれば網漁業が行われ、カツオ、シビ、イルカ網などがあり、地引き網や敷き網をしたといわれ漁場争いも起きている。 江戸期になると紀州から新しい漁法を持つ漁師が五島にやってくるようになり発達。また天然の地形から避難港の性格を持ち、船の出入りを監視した船見番所跡も残っている。


 青方の漁業は小型定置網がイサキ、イカなど。このほか、マダイの養殖や一本釣り。ヘルメット式潜水業が19業者いて、アワビ、サザエ漁を営んでいる。祖父の代から潜水業をしている上五島漁協組合長の近藤守さんは「計画的に作り育て捕らなくては」と安定した漁業経営を目指す。湾内では10年ほど前から、タイ、イサキを放流して育てている。
 また同港は大型まき網船団の基地として整備されてきた。遠く台湾近海まで行き操業。主にアジ、サバを持ち帰る。


 昭和40年代のオイルショックで原油備蓄が検討され昭和53年、世界初の浮遊式海洋構造物による洋上石油備蓄システム計画が発表。青方港沖に浮かぶ折島と柏島を防波堤で結び、貯蔵船(1隻の貯蔵量約88万キロリットル)を5隻並列して配置、各貯蔵船を防油堤で取り囲んでいる。


 昭和63年に完成し平成元年オイルインを終了、原油342キロリットル(国内消費量の6日分)を備蓄している。

 

若松港

 

昭和35年、県管理港湾になり港湾整備に順次着手。フェリー接岸施設や漁船の係留場、物揚げ場などが完成している。平成5年から環境整備事業で、約6000平方メートルを埋め立て、芝生広場などを造る緑地工事が始まった。定期船は博多から福江行きフェリーが寄港、ほかに郷の首~福江間フェリーと高速船が運航。町営渡船は4航路。海上タクシーの3社が営業している。

 

町勢支える天然の良港


 若松港は、入り江が多い若松東岸の深く入り込んだ湾奥の波静かな所にある。水深は深く、外海の波浪を直接受けない天然の良港。古くは東シナ海に出没した海賊船の根拠地だったとの言い伝えもある。


 江戸時代にはイワシ漁が盛んだった。以来、漁法はまき網が発達、大正時代初めに伝えられた煮干し加工で港周辺は煮干し製造場ができた。イワシ漁は昭和25年ごろからの不漁続きで打撃を受け、まき網漁業者や加工業者が次々倒産していった。


 若松の漁業を立ち直らせようと同36年から県内で初めて、ハマチの養殖が手掛けられた。若松中央漁協はハマチ、ヒラメ、アコヤ貝の栽培漁業を営む。川上正記同組合長は「若松湾は環境に恵まれた宝の海。漁場を守っていくことが重要だ」と次の世代にきれいな海を残す責任があると強調する。アコヤ貝を使い、真珠を生産する業者は町内に6社。「品質はどこにも負けない」と12月の収穫期に向け忙しさを増している。


 若松港を起点とする町営の渡船は3航路。10年ほど前は120人の定員いっぱいを運んでいたが、平成3年に若松大橋が開通、利用者は半減した。「わかしお」の浜崎則夫船長は「中学生が卒業する時、船を掃除したことが新聞で報道された」と当時を懐かしむ。


 小中学生のスクール船として航行、児童、生徒が1人でも通学の足として頑張る町営船。若松大橋は町民生活に大きな変化をもたらしている。だが、島民とともに町勢発展を支え、歩いてきた天然の良港・若松港は昔も今も変わりない。

 

中ノ浦教会

中ノ浦信徒の祖先は、外海の黒崎村から来ているという。 明治の弾圧を受けた。1925(大正14)年建立の木造教会堂は、なくなってしまった久賀島の細石流教会堂(鉄川与助設計施工)とよく似た天井や花の装飾が特徴的である。 水辺に教会堂が写る一帯の風景は、誰もが心なごむ美しい光景。 

所在地 853-2303 長崎県南松浦郡新上五島町宿ノ浦郷
教会データ 建物 木造平屋218㎡
竣工 大正14(1925)年
小教区 桐小教区
内覧時間 9:00~17:00(①ミサ、冠婚葬祭時には不可の場合もあります。 ②閉まっている場合もあります。)
ミサの時間 長崎巡礼センター(上五島ステーション)にお問い合わせください。
TEL 0959-42-0620
※教会のミサの時間は、変更になる場合がございますので、ご留意下さい。

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