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使用済みウラン再利用 政府推進「核燃サイクル」とは?

2014年03月30日 | 原発ってなに?

 安倍晋三首相はオランダ・ハーグで開かれていた核安全保障サミットで、核燃料サイクルの推進を表明した。政府が早期の閣議決定を目指すエネルギー基本計画案に推進の方針が盛り込まれているが、自民党には反対の議員もいて、焦点の一つになっている。 (宮尾幹成)

 

 Q 核燃料サイクルとは聞き慣れない言葉だね。

 

 A 原発で使い終わった核燃料(ウラン)を再利用する仕組みだ。使用済み核燃料に含まれる燃え残ったウランや、原子炉内の反応で生まれたプルトニウムを「再処理」という作業で取り出し、混合酸化物(MOX)燃料に加工する。これを高速増殖原型炉「もんじゅ」で発電に使おうという計画だ。

 

 Q 使用済み核燃料って危険なんじゃないの。

 

 A 放射能が強く、扱いはとても難しい。費用もものすごくかかる。青森県六ケ所村にある再処理工場はトラブルが多く、まだ正式には動いていないし、MOX燃料をつくる工場は未完成だ。今は、英国やフランスに頼んでやってもらっている。

 

 Q 高速増殖炉ってどういうもの?

 

 A MOX燃料を燃やすと、燃やした以上のプルトニウムが生まれる。発電しながら核燃料を増やせる「夢の原子炉」という触れ込みだね。でも、もんじゅは動いていない。

 

 Q どうして。

 

 A 一九九一年に完成したけど、トラブルが続いたからだ。制御が極めて難しく、先進国は高速増殖炉から撤退した。でもプルトニウムを発電に使わずにためていると、国際社会から核兵器転用の可能性を疑われる。そこで苦肉の策として「プルサーマル」という利用法を編み出したんだ。

 

 Q プルサーマル?

 

 A プルトニウムを含むMOX燃料を普通の原発で燃やすという意味の造語だよ。事故を起こした東京電力福島第一原発3号機など四基で既に実用化された。ただ、危険な上にコストが高くて、電力会社も本音ではやりたくないんだ。

 

 加えて、放射能の極めて強い廃棄物が普通の核燃料の二倍発生する。ただでさえ最終処分場は建設できる見通しがないのに、問題がより深刻化してしまう。


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