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日本の原子力技術をトルコとUAE(アラブ首長国連邦)に輸出するための原子力協定が国会で承認されました。安倍政権は原発輸出に非常に積極的ですが、これはどう考えればよいのでしょうか?
日本には三菱重工、東芝、日立製作所という3つの原発メーカーがありますが、各社は、もともと原発の輸出にあまり積極的ではありませんでした。日本は国内で多数の原発を稼働させてきたので、海外に輸出する必要がなかったからです。しかし2000年代に入って国内市場の縮小傾向がはっきりしてきたことから、日本のメーカー各社は国際的な展開を検討せざるを得なくなってきました。日本が原発の輸出に本腰を入れ始めたのはこの頃からです。
この状況に追い打ちをかけたのが福島原発の事故です。国内で新規の原発建設の見込みが立たなくなったことから、各社の事業計画は大きく狂ってしまいました。特に三菱と東芝は原発への依存度が高く、何としても原発を輸出する必要に迫られています。安倍政権が、原子力分野への支援を積極的に行っているのはこのような事情があるわけです。
日本の原発メーカー各社は、もともと米国企業からの技術導入で事業をスタートさせています。このうち、三菱はウェスチングハウス社から、東芝と日立は、GE(ゼネラル・エレクトリック)社からそれぞれ技術提供を受けました。現在では米国メーカーと日本メーカーの力関係はほぼ対等となり、東芝は逆にウェスチングハウスを買収するまでになっています。日米には、三菱、東芝ウェスチングハウスグループ、日立、GEの4大メーカーが存在しているわけですが、これにフランスのアレバ社を含めた5社が世界の原発市場における主な事業者となっています。
最近では、ウェスチングハウスから技術提供を受けた韓国メーカーや、ロシアのメーカーがかなりの安値で市場に参入してきています。GEは原発の輸出にそれほど積極的ではありませんから、日本勢と韓国勢、そしてロシア勢が主に受注を争う状況となっています。
今回の原子力協定に関する採決では、民主党の一部議員などが、福島原発の事故処理も不完全な状況では、到底原発の輸出は許可できないとして投票を棄権しています。
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