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原発ってどうやって発電してる?

2013年06月17日 | 原発ってなに?

原発は、核分裂のエネルギーを利用して電気を生み出しています。その仕組みは、まず、原子炉の中で、ウランなどを核分裂させ、そのときに発生する大量の熱で水を沸騰させて蒸気をつくり、その蒸気を、発電機につながった、巨大な羽根車(タービン)に吹き付けて発電します。この蒸気をつくるのに、石炭、石油、ガスなどを燃やせば「火力発電」。蒸気を使わず、ダムから落下する水の力で、羽根車を回せば、「水力発電」というわけです。つまり、原子力発電といっても、火力発電所と違うのは単にお湯を沸かす方法が違うだけで、問題は、そのときに、放射能が発生するということです。

日本の原発は主に2種類ありますが、どちらも冷却に普通の水を使っているため、軽水炉と呼ばれています。東北、東京、中部、北陸、中国の各電力会社のものは、沸騰水型軽水炉といわれるもので、原子炉内を流れる冷却水を直接沸騰させ、その蒸気でタービンを回しています。

もう1つは、加圧水型軽水炉といわれるもので、北海道、関西、四国、九州の各電力会社と日本原子力発電が採用しています。加圧水型軽水炉は、原子炉を流れる冷却水を沸騰しないように加圧させ、300度の熱水を蒸気発生器のなかに流し込みます。この蒸気発生器の中に、別の水を入れ、蒸気を発生させて、タービンを回します。

どちらもタービンはタービン建屋という、原子炉格納容器とは別の建物の中にあるのですが、沸騰水型はタービンに直接、原子炉冷却水の蒸気が入り、加圧水型は別の水の蒸気がタービンを回すことになります。

つまり、沸騰水型は原子炉格納容器の外に、放射能を帯びた蒸気がでることになりますが、加圧水型の蒸気発生器は、格納容器の中にあるので、正常ならば、タービンにまわる蒸気には、放射能は含まれていません。

しかし、加圧水型の蒸気発生器の内部には、細かい配管が毛細血管のようにはりめぐらされており、高熱・高速の水がこの配管の中をかけめぐるため、磨耗がはげしく、外からではその消耗の程度が確認できません。そのため、2004年の定期点検中に美浜原発で事故が発生し、5名の作業員が亡くなるなど、多くの問題が発生しています。

最後に、大きな違いは、核分裂の発生をコントロールする、制御棒の入る方向です。沸騰水型は、下から入り、加圧水型は、上から入るようになっています。

※ 軽水:水は、水素と酸素の化合物で、水素の同位体で質量の重いデューテリウムやトリチウムと酸素が結びついた水を重水と呼び、それと区別するために、普通の水を軽水と呼びます。当初、原発を開発していた頃は、ウランからでる中性子を減速する能力にすぐれた重水を冷却水として使用する、重水炉が開発されました。重水炉は、燃料のウランを濃縮する必要がなく、核兵器用のプルトニウムを生産できるため、核保有国やウラン原産国で普及しましたが、核拡散の危険性が高いため、ウラン濃縮の技術が確立して以降は、軽水炉が主流となりました。


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