6月初めに福島県を訪れました。
飯舘・南相馬・浪江・双葉・大熊・富岡・楢葉などの原発事故被災地を400枚の写真とともに紹介します。
2017年初夏 ~原発事故被災地を訪ねて~
以下、三重県四日市市で開催した、脱原発四日市市民の集いの2017年第2回シンポジウム
「いま福島で何が起こっているのか」で写真を紹介したときのレジメです。
◎ 福島県のことどれぐらいご存知ですか? ◎
・ 原発事故の被害が大きかった7市町村とフクイチ・フクニの場所を確認しましょう。
・ 中通り・会津・浜通りという分け方とは別に7つの地域に分けられることが多い。
福島第一原発事故により大きな被害を受けた地区は相双と呼ばれている。
・ 面積は、全国で北海道・岩手に次ぐ広さ、三重奈良和歌山を合わせた広さ。
東西の幅は紀伊半島より広い。
・ 人口は約190万三重県とほぼ同じ。約半数は福島(29万)郡山(33万)いわき(34万)
中通りに6割、いわきを合わせると約8割。
・ 観光スポット。猪苗代湖、磐梯山・裏磐梯五色沼、会津鶴ヶ城、大内宿、吾妻小富士、
飯坂温泉・あぶくま洞、りかちゃんキャッスル、三春桜、白河関・小峰城、松川浦・
相馬野馬追、ららミュウ・アクアマリン福島、ハワイアンリゾートなどなど
・ 福島県民に配布される資料→毎月発行「ふくしまの今が分かる新聞」
安全・安心(帰還政策?)店が次々にオープン!
大熊町も来年中に帰還開始。明るいニュースばかり→本当にそうなのか?
・ 避難区域・避難者の状況(4月1日・福島民報)370平方キロ(四日市市の約2倍)
・ 全都道府県になお35,818人。浜通り→中通り(南相馬・浪江例外)、中通り→県外
・ 避難解除された地域の帰還状況(2017年5月)
川内村(2014年10月解除)2181/3031人(72%)
楢葉町(2015年9月解除)1616/8011人(20%)
葛尾村(2016年6月解除)135/1567人(8.6%)
南相馬市小高区(2016年7月解除)1914/12842人(14.9%)
川俣町山木屋地区(2017年3月解除)150/1180人(12.7%)
浪江町(2017年3月解除)約200~300/21434人(1~1.5%)
飯舘村(2017年3月解除)約300/6509人(4.6%)
富岡町(2017年4月解除)128/15960人(8.0%)
◎ 道路堤防などインフラ復旧の状況と新たな道路や施設建設
・ 宮城県山元町から浜通り最北端・新地町と相馬市の状況。
(鉄道、道路復旧・堤防工事も順調、次々に発電所や工場の建設)
・ 堤防と同時に港湾施設の建設も計画されている
・ 南相馬市を南下していくと状況は一変→沿岸部は太陽光発電所から仮置き場に
海岸道路は原町区の真ん中あたり萱浜(かいばま)地区より南下できない
警戒区域20キロ圏内は道路も堤防もいまだに工事中(小高から楢葉まで)
・ 復旧堤防の高さは7~9メートルを計画→最大20mの津波が襲ったのに??
・ 急ピッチで進められる道路新設→相馬福島道路建設も
・ 高速道路の4車線化工事も始まる→これから交通量の増大が想定される
・ 飯舘村 公共施設建設や住宅の新築工事がこれから最盛期?
他の自治体とは明らかに違う妙な感じ。わかりにくく線量高い。
・ 大熊町 線量が低い大河原地区の再開発、東電社宅を核とする住宅建設
旧市街地は除染作業急ピッチ→朝6時にゲートが開く。
・ 富岡町 役場周辺に県や電力関係の施設建設。鹿島事務所やショッピングセンター
富岡駅周辺再開発。北東部にはコンパクトタウン。沿岸部仮置場-焼却施設
・ 楢葉町 竜田駅東側で道路作って大規模造成で再開発。ワンルーム建てすぎでは
賑わう終着駅。Jビレッジ工事は急ピッチ、撮影に許可必要?
すでに「遠隔技術開発センター」「原子力災害対策センター」完成
◎ どうなる放射性廃棄物処分場
~運び込みが始まっている最終処分場と建設が急ピッチの中間処分場~
・ 広大な中間処分場の敷地 南北13キロ、東西2キロ、16平方キロ
・ 廃棄物運搬車両の通行問題は解決するのか?(6号線は早朝から飽和状態)
・ 30年後の処分場問題
・ 仮置き場の状況(別紙)隠ぺいしてる?(東京ドーム75個分もの廃棄物)
※中間処分場の本格稼働は秋から
最大の仮置き場は飯舘村230万袋(96か所)富岡120万(8か所)
浪江100万(22か所)南相馬86万(13か所)川俣60万(43か所)
楢葉50万(23か所)双葉・大熊が少ないのは除染が進んでいないため。
◎ 拭えない被災者の不安 ~帰りたいが帰れない~ ◎
・ 北から南へ約50キロを走ってみるとわかる異常な風景
・ 店や飲食店が少ない。あっても営業時間が短い。GS、医療施設、治安、仕事・・
・ 確かに線量は徐々に低くなっているが、子育てするには・・・
・ 帰還する人のほとんどは避難場所になじめなかった高齢者
・ 懸命な除染作業が続くが、景勝地や天然記念物なども復旧には時間がかかる
・ 水源の汚染、フクイチ・フクニの危険、自治体への不信感
・ 明暗分ける原発の立地。廃炉拠点となる南側と線量高く寂れるフクイチの北側。
・ 南相馬市小高 もうすぐ避難解除1年も・・人影まばら
役場には職員が沢山いてカフェもあるが、街はシャッター通り
・ 浪江町 これから補助金が出る解体工事は増えると思うが・・淋しい終着駅。
「町おこしではなく町残し→どうやって町を存続させるかという問題」
・ 双葉町 線量の低い場所が津波の被災地。除染はこれから。
・ 双葉と浪江にまたがる沿岸部に復興記念公園の構想がある。(中野・両竹地区)
・ それでも故郷への思い強く・・・なんとか復興を!被災地の花畑、こいのぼり
飯舘・双葉・大熊・楢葉・富岡・・・
◎ これからの被災地域
・ 帰還した人々と職を求めて移住してきた人々とで街造り→帰還しない人々切り捨て
・ それでも震災前の人口には遠く及ばない。→自治体存続の危機
・ 再び電力会社依存、箱物建設を欲しがる体質→
将来の維持費増大→財政ひっ迫→広域合併?
・ 急がれる堤防や防災林、海岸道路の復旧
◎ 中通りやいわき、避難解除された地区でも「生活内避難者」が多数存在。
・ 線量の高い場所ではこどもを遊ばせられない。
・ 洗濯物の外干しが少ない→コインランドリーが盛況
・ 食品はなるべく安心なものを買いたいが、お米や青菜は西日本産が少ない
・ 増加傾向のほよ~ん相談会来場者。開始前から60人が行列。
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