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 ここ1ヶ月ほどずっとハドソンハドソン言ってきましたが、実は子供の頃はそれほどハドソンのゲームに親しんでいたわけではありませんでした。むしろコナミ信者みたいな感じで、小学生の頃はMSXの王家の谷とか、夢大陸アドベンチャーとか、悪魔城ドラキュラ辺りが好きでしたね。
 そんな中、家にあったハドソンゲーム*1と言えば、LINE文で時間をかけて一生懸命3D表示をしていた「ゴルフ狂」と、あまり出回らなかったBeeカード*2の「ボンバーマンスペシャル」くらいでした。
 そんな想い出の一品であり、ハドソンの看板ゲームでもあるボンバーマン。正式にハドソンが消滅した3月1日からは少し遅れてしまいましたが、さようならハドソン特集の最後を飾るに相応しいゲームということで、ボンバーマンシリーズより、「ボンバーマン'94」をプレイしました。





動物たちが楽しく平和に暮らすボンバー星。そこは5つの精霊に守られた美しい星でした。しかし、突如現われた『バグラー』と『ロボット軍団』の手によって精霊の力の源である「精霊の絵」がバラバラに破壊されたのです。精霊の力を失ったボンバー星は、均衡が崩れて5つに分割してしまいました。そして、刻一刻と崩れていくボンバー星に平和を取り戻すため、ボンバーマンが立ち上がったのです!!




 本作にはボンバー星を守るためロボット軍団と戦うノーマルゲームと、複数人によるバトルロイヤル形式で勝敗を争うバトルゲームの2種類があります。まずはノーマルゲームからプレイしますか。

 ストーリーをみてみますと、ボンバー星とか、精霊の力とか、精霊の絵とか、どことなくほのぼのとした雰囲気が漂っていますね。ファミコン版の初代ボンバーマンが、人間になることを夢見てバンゲリング帝国から脱走する爆弾製造ロボットというやや暗めの話だったことを考えると、隔世の感があります。



 ボンバー星が分裂して、全部で5つのエリアに分割されてしまいました。刻一刻と崩れていくどころではなく、ピザみたいにきれいに5分割されてますけど……。こんな状態で惑星が存在しうるのか疑問なのですが、いずれにしろ早く何とかしなくてはなりません。



 最初のエリアはモリモリの森。エリア内に割れた石版が散逸してしまっています。この石版を全て回収して精霊の絵を完成すればよいわけですね。



 中央にあるのが、石版が納められているカプセル。ステージ中にある緑色のコアメカを全て破壊すればカプセルが開き、石版を回収することができます。
 敵は全部倒す必要はありませんけど、敵を全部倒し、ブロックも全部爆破してパワーアップアイテムを回収するのが、ボンバーマンのお作法と言うものでしょう。



 本作からの新機軸が、タイトル画面でもボンバーマンが乗っているルーイです。
 ブロックを破壊していくとたまに卵が出現します。そして卵に触れると中からルーイが誕生し、騎乗することができるようになります。ルーイって哺乳類っぽい外見ですけど、卵生なんですね。



 ルーイに乗る一番のメリットは、やられてもルーイが身代わりになってくれるので、ボンバーマン自身は助かっちゃうということですね。冷静に考えると随分酷い話ですけど、即死しないという安心感はやっぱり偉大です。
 それはそれとして、ルーイは色違いで5種類がいて、それぞれ異なった特殊能力を持っています。グリーンルーイは障害物にぶつかるまで直線的に高速移動するダッシュ、パープルルーイはブロックや爆弾を飛び超えることができるジャンプ、ブルールーイは爆弾を前方に蹴飛ばせるボムパント、イエロールーイはブロックを前方に蹴飛ばすことができるブロックキック、そしてピンクルーイはその場で踊りだすダンスです。

 それぞれ便利といえば便利なんですけど、本当の意味で有効に使うのは結構難しいですね。たとえばボムパント辺りですと、遠くにいる敵の近くに爆弾を送り込むことができるようになりますが、爆弾の爆発するタイミングや敵の移動を計算するのはかなり大変です。普段使い慣れていないために上手く爆弾をコントロールすることができずに、結局は自分で思い通りの場所に設置する方が確実だったりするんですよね。
 そんな訳で、ルーイに乗ってもあんまり特殊能力は使わずにプレイしちゃいます。唯一使うのは、ピンクルーイのダンスくらいですね、うん。



 エリア最後の石版を入手して、精霊の絵が完成……、と、思いきや、その前にエリアのボスが登場。
 コイツは図体がでかいですけど、普通に爆弾で攻撃すればOK。何発が爆炎を喰らわせればボスは倒れ、ようやく精霊の絵が完成します。



 最初のエリアをクリアして、次のエリアへ。各エリアには他の色のボンバーマンがいたのですが、どうやら敵にやられてしまったっぽいですね。
 しょうがないなー、白ボンが出張っていくことにしましょうかね。



 エリア2はアチアチの山。エリア1は割合オーソドックスなつくりでしたけど、エリア2は火山からマグマが噴出したり、炎を吐く敵が登場したり、火炎関係のギミックが満載です。



 白ボンの闘いはまだまだ続くのですが、先は長そうなので、ゲームオーバーになったのを機に一旦休憩します。

 まだエリア3までしか到達していませんけど、やっぱり面白いですね。実はボンバーマン'94はだいぶ前にクリアしているのですが、普遍的な楽しさのあるゲームだと思います。
 ボンバーマンのゲームとしての魅力は、攻撃力アップが諸刃の剣としてリスクにもなっている点ですね。敵を倒すためには爆弾の火力をアップさせたり、一度における爆弾の数を増やしたりする必要があり、大火力を一気にぶっ放して敵を爆破するのがボンバーマンの醍醐味なわけですが、火力が大きくなればなる程、自分自身を危険にさらすことにもなります。敵の攻撃が激しくなってくれば、それだけ短時間で、自身の安全を確保しながら敵を倒さなくてはなりません。
 初心者なら初心者なりにおっかなびっくりプレイし、上級者なら上級者なりに剣が峰を渡るようなスリリングなプレイができる。熟練度に応じた楽しみ方ができるというのは、良くできたゲームの条件だと思います。

 初代ボンバーマンと比較しても、いろいろと進化している部分があります。

 私が多くプレイしたのはMSX版の「ボンバーマンスペシャル」ですけど、あれ、結構飽き易いんですよね。理由は幾つかあって、敵キャラが8種類しかおらず、しかも各ステージでは1種類の敵しか登場しないため、ステージ間の違いがあまりないこと。それからパワーアップアイテムが1ステージに1つしか登場せず、強くなるスピードが遅いこと。全50ステージとやたらに長いこと。1ステージクリアするごとに1UP するため、なかなかゲームオーバーにならないこと、あたりでしょうか。要するに、同じような作業を延々と続けていくような感じなんですよね。
 これらの問題は、それなりに解決されています。様々な攻撃パターンを持った敵キャラがいて、エリアごとに工夫されたギミックも多く存在しているので、グラフィック面はもちろん、ゲーム的にも飽きの来ないような作りになっています。残機もあまり増えないので、うっかりミスで死に安いゲームだけに、ゲームオーバーになることも多いのですが、火力をアップさせる「ファイヤー」や、一度における爆弾の数を増やす「爆弾」といった基本アイテムはそれなりの頻度で出現するので、復活するのはそう面倒でもありません。コンティニューのパスワードも数字4桁で記録し易いですしね(初代ボンバーマンはアルファベット20文字)。

 それ以外にも、火炎バリアの弱体化や、ルーイの存在によるサドンデスの緩和など、アイテムのバランスさも改善されています。爆風の最大値が小さいなど不満点もありますけど、総じて遊び易いようになっているんじゃないかと思います。



 さて、ノーマルゲームはちょっと置いておいて、今度はボンバーマンの新境地を開いた、バトルゲームをプレイすることにします。

 バトルゲームは複数プレイヤーによるバトルロイヤル。初登場はPCエンジン版の無印「ボンバーマン」からですけど、それまで一人で黙々とステージを攻略していくというスタイルだったボンバーマンに、PCエンジンのマルチタップを用いた複数人同時プレイというプラットフォームを活かした対戦要素という新機軸を付加。ゲームとしては単調になりがちなボンバーマンに、まったく新しいゲーム性を付与することに成功しました。



 まずは参加人数、勝負回数、対戦相手などを決定していきます。
 他プレイヤーは色違いになりますが、カラーリングだけでなく、外見も9種類のなかから選択することができます。人が操作する場合には外見以外の違いはありませんが、コンピュータが参加する場合には種類によって攻撃的だったり慎重だったり、ブロック破壊重視だったりアイテム収集重視だったり、いろいろな性格を持っています。まあゲーム中には、相手の動きの特徴なんて気にしている暇はないんですけどね。



 ステージは全部で10種類。それぞれに趣向が凝らされています。



 まずはスタンダード面。この緑色のフロアこそ、ボンバーマンといった感じですね。何の仕掛けもないシンプルなステージですけど、なんとなく落ち着きます。

 バトルゲームのみのアイテムとして、ドクロアイテムというものがあります。これを取ると、足が遅くなったり、逆に超スピードになったり、爆弾を置けなくなったり勝手に連続して爆弾を置きまくるようになったり、様々な効果が付加されます。
 普通はマイナス効果なので積極的に取るものではないんですけど、他プレイヤーに触ると効果が伝染するので、局面を混乱させるのにはもってこいです。



 海底面。ゆらゆらと揺らいでいますけど、変わっているのは見た目だけで、中身はスタンダード面と変わりません。
 目が疲れるばかりで、あんまりいいことないような気がします。



 ベルコン面。
 ベルトコンベアが設置されていて、上に乗ったボンバーマンや爆弾が流されてしまいます。
 一見面白そうに思えるんですけど、爆弾が一方向に流されていくので割と単調な展開になりがちです。ときどきベルトコンベアの方向が変わるとかすれば面白いんじゃないかと思いますが。



 森林面。
 迷路状になっていていますが、スタンダード面と比べて通れない箇所が多くなっている分、状況が単純化されやすいので、初心者でもプレイしやすい面だと思います。



 南極面。
 かまくら(マニュアルにはかまくらと書いてありますが、どう見てもイグルーです)の屋根で部分的に死角ができているのですが、これだけで結構わけわかんないことになってしまいます。
 かまくらの中で爆弾を爆発させると屋根が吹っ飛ぶのがラブリー。



 ヨーロッパ面。確かに街灯と石畳がロンドンっぽし、ブロックはパンだけど、なんでヨーロッパ?
 爆弾をキックして飛ばすと、矢印のところで爆弾の進行方向が変わるというステージなのですが、地味でなかなか効果的に使えない上に、そもそも爆弾をキックできるようにならなければ意味の無いギミックなので、あんまり面白みのないステージだったりします。せめてデフォルトで爆弾キックが使えるようになっていれば良かったと思うのですが。



 古城面。っていうか、樽面。
 四隅にある穴に入ると、他の穴へとワープします。行き先はランダムなので自キャラを見失ってしまったり、ワープした先ですぐに爆風に巻き込まれて死亡なんてこもしばしば。特に序盤では、ワープゾーンが交通の要所に当たるので、用もないのに穴に入ってみたくなってしまいます。
 ただ、ギミック的には面白いのですが、自発的にワープするメリットがほとんどないという点が難しいところ。特にブロックが破壊されていけば、邯鄲に迂回できちゃいますしね。森林面みたいに迷路状にして、必然的に穴に入らないといけないようにすればもう少しギミックを活かせたかもしれません。



 マグマ面。
 ブロックはありませんが、最初から最大火力で爆弾も5個おくことができ、爆弾キックもできるようになっています。
 シンプルだけどカオスな展開となり、なおかつアイテムも無いので負けたときの理不尽さもなく、個人的には最も好きなステージですね。



 いだてん面。
 全員超スピード状態となる面。はっきり言って、まともに操作することができません。
 ゲラゲラ笑えるバカ展開になって面白いんだけど、このステージだけは運の要素以外でコンピュータに勝てる気がしません。



 ブッシュ面。
 茂みによって、南極面以上に視界が遮られてしまいます。
 このステージも結構好きです。茂みの下には常に爆弾が隠されていると思わなければ、この面を生き抜くことはできないのです。

 このバトルゲーム、パーティーゲームとしては面白いんですけど、負けないことを第一に考えると消極的なプレイに走った方が有利になるのが残念なところなんですよね。相手を積極的に倒しに行くとどうしても視野が狭くなり、他人の仕掛けた爆弾に気付きにくくなります。でも主戦場から少し離れてアイテムを収集しつつ様子を見ているだけならば、そうそうやられることはありません。
 ステージごとに設置されている各種ギミックも同様です。南極面やブッシュ面の視界が遮られているエリアや、ベルコン面のベルトコンベア、古城面のワープホールなど、使った方が面白いのは確かなのですが、それらに近づかない方が生存確率が高くなるのもまた事実です。その辺り、「ゲームは本気で勝ちに行かないと面白くない」という主義の私としては、空気を読んでふざけプレイに走るのも嫌だし、ガチで勝ちに行くせこいプレイもなんだし、ちょっと微妙な感じが残ってしまいました。

 そんなわけで、全力で勝ちに行くプレイとやっていて楽しいプレイの方法論がかなり一致しているマグマ面こそが、このバトルゲームのベストステージだと思います。



 去る3月1日にハドソンが正式に消滅してしまいました。ちょっと遅れてしまいましたけど、長々と続けてきたさようならハドソン特集も、今回で終了です。
 正直なところ、これまでハドソンはそんなに思い入れのあるソフトハウスでもありませんでした。それでも今回、ある程度集中してハドソンゲームをプレイしていて感じたのは、それなりに多くのソフトをリリースすることで業界の発展を支えてきたんだなぁということと同時に、そこにゲームがあればそれなりに面白いということですね。やっぱ面白いですわ、ゲーム。「ゲームは1日1時間!」と偉い人も言っていましたけど、仕事が忙しいときでも頑張って1時間くらいはゲームする時間を確保しなくてはならないのです。

 さようならハドソン特集は今回で終わりですけど、ボンバーマンをプレイしたら次はロードランナーだよなぁ、とか、辰年だから竜に関係あるゲームをプレイしようと思って用意していた忍者龍剣伝(PCエンジン版)とか、近々にプレイしたいなぁと思っているハドソン関連ゲームはまだ沢山あるのです。わざわざ特集しなくても身近にあるくらい、ハドソンの存在感は大きかったというわけですね。
 まあ、私にできるのは、手元にゲームがあることに感謝しつつ、明日からまた楽しくゲームをプレイするということだけなんですけどねー。










*1 ゲームに限らなければ、最もお世話になったのはX68000用のOS「Human 68k」になると思います。

*2 BeeカードはPCエンジンのHuカードとほぼ同様の形状で、通常のMSX用ROMカートリッジに比べてコンパクトなのがウリでした。BeeカードをBeeパックというアダプタに挿し、それをMSX本体に挿すという多段構成になっているのですが、Beeカードのゲームはあまり出ず、家にもボンバーマンスペシャルしか対応ゲームがなかったため、ボンバーマンスペシャルのBeeカードはBeeパックに挿しっぱなしとなり、カードが出っ張っている分だけ却ってスペースをとる結果となっていました。




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